2015.07.20

劇的逆転弾の広島MF青山敏弘「僕らにとって浦和は特別なチーム」

青山敏弘
決勝点を奪った青山敏弘(中央右)[写真]=岩田陽一
学生時代から全国のスタジアムへ通い続けてきた経験と人脈を生かして、Jリーグを取り巻くピッチ内外のネタを探り続ける。

文=青山知雄

「僕らにとって浦和レッズは特別なチーム」と気迫を燃やしていた青山敏弘の右足が、無敗街道を突き進む浦和に土をつけた。

 19日に行われた2015明治安田生命J1リーグ・2ndステージ第3節で、アウェーの埼玉スタジアム2002に乗り込んだサンフレッチェ広島は、35分に先制点を許しながらも後半に2点を奪って逆転勝利。2ndステージ3連勝で首位を堅持するとともに、浦和に今シーズン初黒星をつけた。

 1-1で迎えた84分、カウンターで抜け出した浅野拓磨がピッチ中央を独走。そのままペナルティエリア付近まで持ち込んだところで相手DFに止められたが、このこぼれ球に走り込んだ青山が右足一閃。「コースが開いていたんで蹴るだけでしたね」と笑顔で振り返ったボランチの一撃で広島が逆転に成功した。

 冒頭に記した思いは、試合後のミックスゾーンで青山が口にしたコメントだ。言葉のとおり、青山にとって、そして広島にとって、浦和は因縁深いクラブ。かつて自分を抜てきしてくれたミハイロ・ペトロヴィッチ監督だけでなく、槙野智章、柏木陽介、西川周作、森脇良太、石原直樹といった紫のユニフォームを着て一緒に戦った元チームメートが数多く在籍し、青山自身もオファーを受けながら広島残留を決断した経緯もある。2013年のJリーグアウォーズでベストイレブンに選出された際には、「自分がこの場に立てているのは、僕を育ててくれたペトロヴィッチ監督のおかげです」とコメントし、壇上から敵将でもある恩師に向かって「ミシャ、ダンケシェーン」とお礼を述べていたほどだ。

 強い気持ちはゴール後のパフォーマンスからも伝わってきた。両手を広げてゴール裏サポーターの元へ駆け寄り、高く飛び上がって力強くガッツポーズを突き上げた。これで広島は2ndステージ開幕3連勝。年間勝ち点も43に伸ばし、首位の浦和に2差と迫った。まだまだ戦いは始まったばかりだが、選手たちは大きな目標を見据えている。

「価値のある勝利だけど、これを続けていかないと意味がない。そうしていった時に、この勝利に本当に意味が出てくる」

 大きな勝利を手にしても、これからの試合で取りこぼしていたら仕方がない。結果を出し続けることで、初めて浦和から勝ち点3を奪った真の価値が生まれる。ストイックに上を目指す大型ボランチが、頂点奪回に向けて全力で走り続ける。

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