2015.06.07

磐田、13戦無敗の金沢を圧倒した戦術的裏側とは

ジェイ
チーム2点目を挙げた磐田のジェイ(右)[写真]=長江由美子

文=青山知雄



 6日に行われた注目のJ2上位対決で、ツエーゲン金沢に完勝を収めたジュビロ磐田。危機感から実現した選手だけの青空ミーティングで意思統一を図ることに成功して戦う姿勢を取り戻したチームは、13戦無敗と好調を維持するライバルの戦い方を的確に分析。その弱点をピッチで徹底的に突くことで内容でも圧倒することに成功した。

 4-4-2ボックス型のフォーメーションを採用する金沢は、奪われた瞬間に再度ボールへアプローチして鋭いショートカウンターを狙いつつ、奪えないと感じたところで最終ラインと中盤の二列でしっかりブロックを作って守るスタイルに切り替えるサッカーで無敗街道を突き進んできた。

 中盤の4枚は各自の持ち場を離れることは少なく、相手にスペースを与えない守備を徹底。名波浩監督が「金沢は選手が横にスライドする守備はしていなかった」と話したとおり、選手たちが自分の責任エリアを離れ、一方のサイドへ追い込んでボールを奪うスタイルは取っていなかった。

 名波監督はそこを逆手に取り、一方のサイドに人数をかけて数的有利を作って攻め切ることを選択する。

 意識高く試合に入った磐田イレブンは、金沢のボールホルダーに複数で素早く、そして激しく寄せ、サイドでボールを奪うことに成功。そのままサイドバック、両ボランチ、サイドMFに加えて、トップ下の小林祐希と1トップのジェイが絡み、パスコースを増やしてダイレクトプレーで一気に同サイドを突いてチャンスを生み出す狙いが的中した。

 スタメンに松井大輔を起用するなど、磐田としては各ポジションにキープ力の高い選手を配したことも効果的だった。これで至るところでタメを作ることができ、周囲の押し上げやフォローアップを引き出すことにつながる。ボランチの上田康太宮崎智彦、時には小林が低い位置まで下りてきて、センターバックの藤田義明伊野波雅彦と何度もパス交換をしながら攻め込むサイドとタイミングを探った。リスクを背負って前線からプレスを仕掛けることのない金沢は、バランスを保とう二枚のブロックを維持していたが、時折サイドMFが最終ラインに押し込まれるような形となり、ボランチの両脇=中盤の両サイドを使われてしまったことで、磐田がポゼッション率を高めてサイドを使って攻め込む展開が続く。

 磐田としては危険な位置でボールを奪われることを避けようと、シンプルにジェイを狙う攻撃も功を奏した。ハイボールでの競り合い、足下のキープ力に長ける元イングランド代表FWは最高のターゲットマン。そこからターンして鋭く前へ仕掛けることもできるストライカーは磐田のあらゆる攻撃に絡み、何度もチャンスを生み出した。この日、金沢相手に放ったシュートは前後半合わせて実に10本。当の本人は「もっと決めなければ」と反省の色を見せつつも、「それだけシュートを打てたということは、ポジショニングが良かった証拠。今日の試合はチームとしても今シーズン一番の出来」と笑顔を浮かべていた。また、左サイドから強引な突破を仕掛けるアダイウトンも、金沢守備陣にとっては危険な存在となっていたことだろう。

 得意のショートカウンターを作り出すことができず、自陣に押し込められた金沢にとっては、前半終了間際に見せたカウンターが唯一と言っていい見せ場。前半のシュートはこの1本だけに終わり、90分間合計でも4本だけ。ほとんど形を作らせてもらえなかった。

 金沢に対する磐田のスカウティングポイントは、もう一つあった。それが相手にセットプレーを蹴らせないこと。ここまでPKで5ゴール、セットプレーから9ゴールという金沢の得点パターンを分析していた磐田は、ペナルティーエリア付近でのファウルに細心の注意を払うと同時に、CKを与えないことも徹底。押し込まれたシーンでもとにかくタッチラインに逃げ、相手のCKを前後半各1本ずつに抑え込んだ。ただし、終了間際の失点はその1本から喫したもの。集中すべき時間帯に、ケアしていたはずのセットプレーからゴールネットを揺らされたこともあり、名波浩監督は試合後の会見で「あの失点で喜びが半減」と漏らしている。

 最終的に1点は失ったものの、攻守に明確な狙いを持ち、それを選手たちがピッチで徹底的に遂行して結果を残した磐田。高い能力を持った選手たちのファイティングスピリットに的確なスカウティングが加わったことが、好調・金沢をスコア以上の内容で圧倒することにつながった。

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