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新潟浮沈のカギを握る「ブラジル力」…上位進出で“フィエスタ”なるか

2015.03.21

新潟の中盤を支えるレオ・シルバ [写真]=兼子愼一郎

文=大中祐二

 久々にアルビレックス新潟にブラジルトリオがそろった。開幕の時点で3人そろうのは、2012年以来3シーズンぶりのことだ。


 優良ブラジル人助っ人を補強することで定評のある新潟。これまでその「ブラジル力」は、J1残留のために注がれてきた。

 2015年のトリオが求められているのは、そこではない。何とか残留ラインより上に踏みとどまるためではなく、ずっと高いところへ上昇するために、彼らの力が必要なのだ。

 顔触れを考えれば、クラブの本気度が伝わってくる。昨年、日本でプレーするのは2年目にしてJリーグベストイレブンに選出されたMFレオ・シルバを筆頭に、今季開幕のサガン鳥栖戦で驚異のスプリントからチーム初ゴールを決めたFWラファエル・シルバ、そして新加入の左サイドバック、コルテースと、今年はチームの各ラインに選りすぐりの「ブラジル力」が配置された。

 注目は、元セレソンで名門サンパウロから加入したコルテースだ。ブラジル代表歴は2011年の1キャップだが、それがアルゼンチン戦に先発出場したとなると、インパクトも増すというもの。

 178センチ、76キロのがっしりした体つき。ドレッドヘアを躍らせながら、左サイドをパワフルにアップダウンするコルテースは、「攻めるために駆け上がるのも好きだけれど、そのあと全力で守備に戻るのも好きなんだよね(笑)」と気さくに笑う。その爆走にホーム、デンカビッグスワンが沸けば沸くほど、今季のチームは躍動し、乗っている証拠だ。

 日本、そして新潟のサッカーにいち早く適応することが活躍には不可欠だ。柳下正明監督は「まじめで向上心を持っている。指摘すると、すぐ修正できる」と、キャリアを鼻に掛けることのない謙虚さを好感する。

 ブラジルトリオのポテンシャルを引き出すためにも、コンビネーションには改善の余地がある。裏返せば、まだまだ可能性が秘められているということだ。柳下監督は開幕から、FWで高さとスピードとパワーを備えるルーキーの平松宗を、右サイドハーフとして抜てきしている。平松には左サイドから上がってくるクロスボールに対し、2トップに加え、3人目のFWとしてゴール前に飛び込むことが期待されているはずだ。

 見た目はファンキー。その実、謙虚で献身的なコルテースと、得点感覚抜群のFWラファエル・シルバ、そして不動の大黒柱であるボランチのレオ・シルバ。トリオの歯車がかみ合うとき、新潟のフィエスタが始まることになる。

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