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初のJ1に向け松本山雅が3次キャンプ開始…反町監督「秘策はない」

2015.02.16

第3次キャンプをスタートさせた松本山雅の反町監督

 初めてのJ1昇格で注目を集める松本山雅FC。その現状はどうなっているのか。

 今シーズンから初のJ1に挑む松本が16日、鹿児島県内で第3次キャンプをスタート。御殿場、清水に続く長期合宿で開幕に向けてラストスパートを掛ける。


 今シーズン最大のポイントは、昇格を決めた昨季から大きくメンバーが入れ替わったことだろう。チーム得点王だったシャドーストライカーの船山貴之川崎フロンターレへ移籍し、期限付き移籍でセンターバックの一角を支えてきた犬飼智也清水エスパルスへ復帰。昨年は塩沢勝吾の負傷離脱もあって1トップを固定できなかったこともあり、昨季から複数の中軸選手が入れ替わっている状況にある。反町康治監督は就任からの3年間で徹底的に戦術やピッチ上での判断を叩き込み、昨年は「ピッチの選手がしっかり対応できるようになり、ベンチから何か言う必要はなかった」と語るほど選手たちだけでオートマチックに修正できていた。いきなりそこまでの共通理解を求めるのは難しいだろうが、新戦力がどれだけ戦術理解度を深め、周囲とフィットするかがカギを握るのは間違いない。

 御殿場、清水でのキャンプで「守備に関するチーム戦術の根幹を伝えてきた」という反町監督は、「今週はここまで取り組んできた練習の確認作業をしたい」と説明した。この日はセットプレーの守備について細かく指示を出しながら約束ごとを伝授。17日にはセレッソ大阪との練習試合が、今週末には横浜F・マリノスとのプレシーズンマッチを行われることから、「今週は試合とリカバーの一週間になる。90分間のゲーム体力を確認しながら、ここまで練習してきた成果を見たい」と語った。

 積極的な守備から鋭い攻撃を仕掛ける松本だけに、まずは守備の整備と共通理解は最も優先して取り組むべき内容。反町監督は「守備面に関しては新加入組も含め、やろうとしていることは理解してくれているはず。練習試合とプレシーズンマッチで現段階での課題を見つけたいとコメント。得点力アップに関しては「来週から攻撃に特化した練習を進めていきたい」と強化プランを明かした。

 3月7日に行われる名古屋グランパスとのJ1デビュー戦まで3週間弱。指揮官はJ1に際して秘策を考えているのだろうか。そこがどうしても気になって聞いてみた。

「何も変えていないよ。シーズン前のアプローチも同じ。戦い方は変えていないし、これまでのサッカーができれば十分に戦えると思っている。近い距離で細かくダイレクトパスをつなぐ練習などで攻撃の意識づけは始めている。まあ、今よりさらにシンプルなスタイルになるかもしれないね」

 こう答えてくれた反町監督は、かすかな笑みを浮かべてスタッフバスに乗り込んだ。

文=青山知雄

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