公式戦2連勝で再び勢いに乗りつつある鳥栖 [写真]=Getty Images
■サガン鳥栖 オフェンス陣が復調気味、課題はディフェンス面にあり
前節は大宮に勝利し、吉田恵監督就任後、リーグ戦での初勝利を挙げた。順位も再び2位に戻り、天皇杯大分戦から公式戦2連勝と監督交代ショックを乗り越え、再び勢いに乗り始めたと言えるだろう。
リーグ戦再開後は得点力不足にあえいでいたが、公式戦2試合連続で3得点を挙げるなど攻撃陣も復調気味。チームの大黒柱である豊田陽平に得点が生まれていないのはやや気掛かりな点ではあるが、それ以外の選手たちが得点を重ねているのは明るい材料だ。
また、28日に発表された日本代表に林彰洋と坂井達弥が選出されたのも明るい話題の一つ。特に坂井は今回の発表メンバーの中でも最大のサプライズと言える人選であり、坂井自身のモチベーションの増加だけでなく、チームの注目度アップという点でも好影響だろう。2連勝中とはいえ、公式戦は4試合連続失点中と鳥栖らしくない姿も続いているだけに、日本代表が選出された守備陣の奮起に期待したいところだ。
ただ、キム・ミンヒョクや丹羽竜平など疲労の蓄積からコンディションが思わしくない選手がちらほら見られるのは懸念材料となっている。先週の連戦はメンバーを固定して戦ったが、1週間空いた今節でどれだけコンディションが戻っているか。
対戦成績では分の悪い清水戦だが、今季はリーグ戦とナビスコ杯で対戦し、いずれも勝利している。苦手意識も払拭されており、イメージは悪くないはずだ。(totoONE編集部)
■鳥栖予想スタメン
4-2-3-1
GK
林彰洋
DF
丹羽竜平
菊地直哉
坂井達弥
安田理大
MF
高橋義希
藤田直之
水沼宏太
池田圭
キム・ミヌ
FW
豊田陽平
■清水エスパルス 懸念材料は負傷者の多さ、若手選手はチャンスをつかめるか
清水の苦悩は前節から始まった。第21節鹿島戦に先発していたイ・キジェが46分にイエローカードを、66分にはレッドカードを受け、今節から2試合の出場停止。サイドバックの人材不足は深刻なものとなった。
さらに翌日に行われた練習試合、東海・北信越大学選抜戦では、サテライトに所属する選手たちにとって絶好のアピールの場となるはずだったが、常にリードを許す展開で、良いところを見せることなく試合終了。これには大榎克己監督が「プロとしてどうなのか」と苦言を呈するほど。チーム全体の底上げの難しさを感じさせた。
そして負傷者の多さ。今週は一時、チームの約3分の1にあたる11人が練習を回避するという異常事態もあった。特に、もともとけがを抱えていた杉山浩太、河井陽介は、今週の練習のほとんどを休んでおり、出場は難しい状況にある。
清水として明るい材料は、これまで出場機会のなかった2年目の三浦弦太、現在清水ユースに所属している2種登録の水谷拓磨といった若手守備陣に出場のチャンスが出てきたこと。練習でも生き生きとした姿を見せ、彼らが出場することになれば、チームが活気づくことは間違いない。
また、大前元紀は公式戦3試合連続ゴールと上り調子。攻撃陣の爆発が加われば勝利も見えてくるだろう。鳥栖は前節、監督交代後リーグ戦初勝利を手にした。清水としてはその心理的な余裕に付け入る隙はあるのかもしれない。3試合ぶりの勝利で、勝ち点を積み上げたいところだ。(田中芳樹)
■清水予想スタメン
4-2-3-1
GK
櫛引政敏
DF
水谷拓磨
ヤコヴィッチ
平岡康裕
吉田豊
MF
本田拓也
六平光成
大前元紀
石毛秀樹
高木俊幸
FW
ノヴァコヴィッチ