リーグ戦5試合勝ち星なしと苦しい戦いが続いている横浜FM [写真]=兼子愼一郎
■横浜F・マリノス 正念場を迎える名門、勝利のカギを握るのは齋藤学か
開幕3連勝から一転、まさかのリーグ戦5試合勝利なし。横浜FMは開幕から7戦未勝利だった2012年の序盤戦以来、勝利から長く見放されている。さらに、22日のACL最終戦では広州恒大に1-2で敗北。日本勢で唯一、決勝トーナメントに進めず、極めて流れは悪い。名門が正念場を迎えている。
イレブンは23日に中国から帰国。樋口靖洋監督は帰国便でFC東京の試合をチェックしたという。「守備からのカウンターが鋭く、去年までのボールを保持するスタイルから変わった」と警戒を強めたが、大事な一戦まで主力組はコンディションを整えるので精一杯。チーム戦術に落とし込むには時間が足りない。また、リーグ戦では3試合連続無得点。前節は伊藤翔から藤田祥史にFWを入れ替えたが、有効な打開策ではなかった。
ただ、そう悲観ばかりもしていられない。「初めてのACLで予選を突破できなくて悔しい。もう一度、あの舞台に立つためにJリーグで勝たないといけない」。日本代表候補の齋藤学は、新たな闘志を駆り立てる。広州恒大戦でも鋭いドリブル突破から、最後は一矢を報いるゴールも決めた。希代のアタッカーは今、停滞気味のチームにとって希望であり、背番号11の出来が勝敗を左右する。FC東京には昨季2勝を収め、2012年以降は本拠地で負けなし。3月15日の徳島戦以来となるホームでの白星を、サポーターに届けられるか。(totoONE編集部)
■横浜FM予想スタメン
4-2-3-1
GK
1 榎本哲也
DF
13 小林祐三
4 栗原勇蔵
22 中澤佑二
23 下平匠
MF
8 中町公祐
27 富澤清太郎
25 藤本淳吾
10 中村俊輔
11 齋藤学
FW
19 藤田祥史
■FC東京 平山や武藤らアタッカー陣が好調を維持
前節のC大阪戦では、4万人超の観衆の前で完勝劇を披露した。調子は良い。ムードも良い。「自信を持ってやっていけば、もっと上にいける」。中心軸、森重真人も手応えを隠さない。
開幕直後から苦しんできた分、手にした勝利の味は単なる勝ち点3を上回る。ゴールデンウィークは、勝ち点量産――。そんな欲が出る。出てもいいが、そんな時こそ「油断」が大敵となる。だからこそ、なのだろう。 「毎試合、まったく違うものになる。横浜F・マリノス戦でも、自分たちが正しい道を進んでいることを示すためにやるだけで、試合へのアプローチは変わらない」。マッシモ・フィッカデンティ監督は、そう戒めることを忘れなかった。
公式戦で連続ゴール中の平山相太、武藤嘉紀に加え、河野広貴、エドゥーらアタッカー陣は好調をキープ。高橋秀人、米本拓司が攻守で規律正しくプレーしながら中盤に躍動感と厚みをもたらし、森重、吉本一謙、権田修一の守備陣は高く、堅固な守備網を築きつつある。柿谷曜一朗、ディエゴ・フォルランを封じて勝ち得た結果は、大きな自信となって波及している。
不安材料は、先制点を許した時の戦い方にある。どこが相手でも緻密な守備戦略を実践するチーム力は確実に上がっている一方で、一本調子の攻撃に変化を加える方策が選手交代以外に乏しいのが実情だ。その源は個々の技量はもちろん、チームの成熟度に行き着く。横浜決戦では勢いだけではなく、チームの進化と真価が問われそうだ。(totoONE編集部)
■FC東京予想スタメン
4-4-2
GK
20 権田修一
DF
2 徳永悠平
29 吉本一謙
3 森重真人
6 太田宏介
MF
7 米本拓司
4 高橋秀人
38 東慶悟
17 河野広貴
FW
13 平山相太
14 武藤嘉紀