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キャプテン・山口蛍が激白…フィーバーから一転して苦境に陥ったC大阪の打開策とは

新シーズンからの登録名を変更した山口蛍 [写真]=Getty Images

 森重真人、柿谷曜一朗ら日本代表候補8人と現役ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランの競演ということで、味の素スタジアムが4万人超の大観衆で膨れ上がった19日のFC東京対セレッソ大阪戦。注目の一戦の後半21分、勝負の明暗を分ける決定的な場面があった。

 FC東京FW武藤嘉紀のパスに反応した左サイドバック・太田宏介が鋭いオーバーラップを見せた。この瞬間、C大阪の右サイドバック・酒本憲幸が不用意なスライディングタックルにいき、いとも簡単にかわされてしまう。フリーになった太田はペナルティエリア内の深い位置までえぐって折り返す。この瞬間、C大阪DF山下達也は平山相太のマークを見失い、ゴール前に飛び込まれてしまう。平山はドンぴしゃりのタイミングで左足を合わせる。この1点はC大阪にとって致命的な一撃だった。
 
「あそこであの対応っていうのは、やっぱりまずい。(酒本の)スライディングタックルはいかなくていいし、遅らせるだけでよかった話。太田君と距離もあったし、スライディングに行ってかわされるなってすぐに判断がつくと思うんです。後から映像を見たら、中も最初は(山下が)平山君をしっかり見てたのに、クロスを上げられた瞬間に前に入られた。そういう詰めの甘さというか、ちょっとしたところが今のチームの問題ですね」

「俺らが触れへんような完璧に崩された失点やったらしょうがないと思いますけど、ああいう形で点を失うと重くのしかかるし、チーム全体に影響する。そういうところは本当に修正しないといけないと思います」

 今シーズンからC大阪でキャプテンマークを巻く山口蛍は歯に衣着せぬ物言いで味方のミスを指摘し、強く改善を促した。

 2012年ロンドン五輪で4位という結果を残し、昨夏の東アジアカップでMVPを獲ってザックジャパンに定着するにつれて、山口は一つひとつのプレーにより一層、強くこだわるようになった。チームの完成度を高め、貪欲に勝ちを追求するために、自らの一挙手一投足に厳しくなるのはもちろんのこと、チームメートの悪い部分も見逃さない。

 昨年10月のベラルーシ戦で日本が完敗した後に「外から見ていても、曜一朗君はボランチが持った時は常に裏へ飛び出していた。それを誰も見ていなかったのか、見ていて出していないのか分からないけど、曜一朗君の一番の持ち味を生かせていなかったと思う」と問題の核心をズバリ突いたり、4月16日のアジアチャンピオンズリーグ・浦項スティーラーズ戦で南野拓実が一発レッドを食らった際には「足の裏でいくべきではなかった。あいつの若さが出た。しっかりとこの敗戦を胸に刻んでほしいと思います」と苦言を呈するなど、山口のストレートな発言はしばしばメディアやサポーターを驚かせる。リスクを冒してそんなコメントを口にするのも、チームを勝たせたい一心に他ならない。

 勝てる集団になるために、言うべきことはきちんと言う。それが、山口蛍のスタイルなのだ。

「拓実の退場にしても、酒本君のスライディングにしても、あのプレーでチームの流れが大きく変わる。言うとことは言わないといけないし。ただ、人の問題点を言う前に自分自身がピッチの上でしっかりやらなくちゃダメなのは分かってます。FC東京戦でも僕がカバーしきれなかったところはあった。そこは反省しなきゃいけないですよね」

 今シーズンからランコ・ポポヴィッチ監督が就任し、フォルランや長谷川アーリアジャスールら新戦力の加入もあって、C大阪のサッカースタイルはレヴィー・クルピ監督が率いていた昨季とは微妙に変化している。山口らが中心となってそれを理解し、実践しようとしているものの、今季はACLとJリーグの過密日程を強いられ、十分にチームを熟成させる時間がない。それもここ最近の不振の原因になっているとと山口は考えているようだ。

「他のチームみたいに1週間じっくり練習する時間が今のウチにはないから、どうしても仕方がない部分はあります。チームのベースが去年とそこまで変わらないんなら別ですけど、今年はいろんな面で大きな変化がありましたからね。例えば、ディエゴは一人でなんでもやるタイプだし、下がってボールも捌いてってプレーも多い。そうなると曜一朗君のサポートがいなくなって孤立する場面が増えて、そこでボールを奪われてカウンターに持ち込まれてしまう。本当に難しい状況ですけど、そこで選手たちがバラバラになったら絶対にダメ。シーズン終盤じゃなくて、今の時期にこういう問題に直面してよかったと受け止めてブレずにやっていくしかないと思います」

 アカデミー出身で初めてキャプテンマークを巻く男は、強力なリーダーシップを発揮して壁を乗り越えようとしている。この苦境は山口蛍自身が大きくなる絶好のチャンスでもある。そう捉えて前向きに戦ってほしい。

文/元川悦子

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