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Fリーグ“絶対王者”名古屋が仕掛けるトークンプロジェクト「モデルケースに」

 開幕してからの15シーズンで、14度Fリーグを優勝している、日本フットサル界のトップランナーである名古屋オーシャンズ。

 今回、新たなチャレンジとしてブロックチェーン技術を利用したクラウドファンディング2.0『FiNANCiE』を提供する株式会社フィナンシェとともに、トークンの発行・販売をスタートさせた。

 名古屋オーシャンズの事業統括マネージャーである富田晃司氏に、“オーシャンズトークン”発行の経緯やここまでの手応え、将来的なビジョンを聞いた。

インタビュー=池田敏明

―――“オーシャンズトークン”を発行した経緯を教えてください。

富田 クラブの収益はスポンサーさまからの協賛金が8割、9割ぐらいを占め、ホームゲームの入場料収入やグッズ収入がこれに加わるのですが、プラスアルファで新しく収益化できることは何かないかと考えていたところ、フィナンシェさんからお話をいただきました。当クラブの代表取締役GMである櫻井嘉人は、単にクラウドファンディングで出資を募る方法には難色を示していたのですが、トークンについてはJリーグクラブなどが取り組んでいることもあって柔軟に検討してくれ、トントン拍子に話が進みました。

―――取り組むことを決めてから実際に発行するまで、どのぐらいの期間がかかったのでしょうか。

富田 実際にやると決めたのは3月の上旬だったのですが、事務所の移転等もあって3月中はあまり動けず、4月の2週目ぐらいから本格的に動き始めて、およそ1カ月後の5月18日に発行となりました。ファン・サポーターの方々に受け入れていただけるのか不安はありましたし、私自身もまだ模索しながらの部分はありますが、フィナンシェさんを始め、各方面からの協力を得ながら発行にこぎつけることができました。

―――導入までに特に苦労した部分はありますか?

富田 発行後の今もそうなんですが、ユーザーの方々が何を求めているのか、掴みづらい部分があり、「本当にこれでいいのだろうか」と悩みながら進めてきました。自分たちの力だけでは発行まで到達できなかったでしょうし、フィナンシェさんにいろいろと相談し、導いていただいたおかげです。

―――発売後、初動の手ごたえはいかがですか?

富田 実際に動いている数字を見る限り、いい感じのスタートを切れたのではないかと思っています。コミュニティでの投稿があまりできておらず、情報交換などの盛り上がりはまだまだかな、というところがあるので、今後どうすべきか、フィナンシェさんと対話しながら進めていきたいと考えています。

―――購入された方々からの反応は感じられていますか。

富田 企業の方から「買ったほうがいいの?」と連絡をいただいて「ぜひお願いします」という形でお伝えし、実際に購入してくださったケースもあります。オフィシャルスポンサーの協賛金はなかなかハードルが高いけれど、このぐらいの金額であれば、ということで一つの選択肢として考えていただけたようです。

名古屋オーシャンズ事業統括マネージャー、富田晃司氏

―――発行から間もなく、現役の篠田龍馬選手、田淵広史選手を含めて4名ほどをトークンアンバサダーに任命されています。他のクラブでは選手を巻き込むことへのハードルが高く、実現までに時間がかかるケースが多いようですが、このスピード感で進められた理由を教えてください。

富田 クラブのことを自分事にしてほしいというのを選手たちにも訴えています。自分たちを愛してほしいのであれば自分もクラブを愛さなければならない、自分たちで発信することが価値を高めることに繋がるし、自分たちで努力してもらわないとクラブとしても売り出せない、という話をしていて、その中で頻繁に投稿してくれそうな選手に相談し、アンバサダーに就任してもらいました。

―――オーシャンズが取り組むことで、Fリーグ全体を牽引していくという意味合いもあると思います。

富田 資金繰りに苦しんでいるクラブはFリーグには間違いなくありますし、うまく収益化することでモデルケースになればいいなと思っています。オーシャンズでも手間取ることが多いので、クラブとして成熟していないところだと難しいかな、という感覚はありますが、頑張って軌道に乗せ、明確な成功体験として届けられればいいなと考えています。

―――既存のファンクラブもあると思いますが、その会員との住み分けについてはどのように考えているのでしょうか。

富田 両者の違いについてこちらでもいろいろ投稿させてもらっているので、皆さんにも知っていただければ、というところですね。ファンクラブに入っている方の声がクラブに届かないわけではないですが、“オーシャンズトークン”を保有することで参加できるイベントがあり、参加することによって意見がより届きやすくなる、という部分を打ち出すことができれば、より明確に住み分けできるかもしれませんね。トークンのイベントは保有者の意見を聞き、次に生かしていくにはどうすべきかを話し合える場だと思います。厳しい意見もあるでしょうけど、うまく取り入れて、より良いクラブにしていきたいと思っています。

―――そうしたイベント企画の第1弾として、マスコットプロジェクトの実施が公表されています。

富田 デザイン自体は名古屋デザイン&テクノロジー専門学校の学生さんに依頼し、作っていただいています。その中から候補を3~5点程度に絞り、デザインや名前をトークン保有者さんに投票していただいて決めていく形になります。名前の由来や特徴、キャラクターの部分もトークン保有者さんと考えていく流れにしたいですね。クラブ創設から16年が経過し、固定のファン・サポーターもいらっしゃる中で、新たな仲間として受け入れていただくために皆さんと一緒に考えていきたいですね。

―――支援コースは個人・法人合わせて8種類あります。「50,000pt分のトークン+好きな選手1名のサイン入りアンセムジャージ」など、高額のコースも購入されていますね。

富田 ボーリング大会やフットサルクリニックなど、選手と触れ合う機会が得られるコースよりも好評をいただいているのが少し意外でした。体験よりも形として残るもののほうが魅力的なのかもしれませんね。確かにフットサルはファン・サポーターとの距離が近く、触れ合うことでファン・サポーターを増やしてきた競技です。普段から触れ合いがありますし、選手の個サルなども実施していますので、差別化ができていないというのはあるかもしれないですね。「30,000pt分のトークン+選手とのボーリング大会&懇親会にご招待」のコースは、ボーリングなら選手に勝てるかもしれないし、楽しめるかな、ということで企画してみたのですが。ここからプラスアルファで何かを打ち出していくべきなのか、今後、考えていきたいと思っています。

 早速ですが、先日のオーシャンカップで優勝できましたので、それを記念した全選手サイン入りレプリカユニフォームコースも追加しております。こちらも是非チェックしてみてください。

―――抽選企画案としてはマスコットや推し選手との写真撮影会や推し選手との2ショットポスタープレゼント、選手とのお食事会イベントなどが挙がっているようですが、今後の展開についてはどのように考えているのでしょうか。

富田 保有者さんが増えてきていますので、クラブ内部だけでなく、保有者さんにもいろいろ相談し、意見を取り入れながら、どういったものがいいのか考えていきたいですね。NFTの発行も今後の選択肢として考えています。「世界一のフットサルクラブになる」という目標に向けて何をすべきか、皆さんと一緒に考え、自分事にしていただくというのが“オーシャンズトークン”発行の目的の一つでもありますので、そのためのいろいろな施策を考えていきたいと思っていますし、一緒に世界一を目指していきたいですね。

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