2018.11.14

【インタビュー】日本代表が好きすぎてイベントまで開催するバンドマン グドモ渡邊幸一のサッカー愛

サッカー愛を語ってくれたグッドモーニングアメリカの渡邊幸一 [写真]=野口岳彦
サッカーキング編集部

 ロシア・ワールドカップを終え、年明けのアジアカップ、そして2022年のカタール・ワールドカップに向けて、再び歩み始めた日本代表。そんな中、日本代表が好きすぎてイベントを開催してしまったバンドマンがいると聞き、その男のもとに向かった。

 男の名前は渡邊幸一。2018年に結成10周年を迎えたグッドモーニングアメリカのギターにして、中学時代まではサッカーに没頭していたという彼は、バンドの10周年イベントを企画する際、「みんなにサッカーを知ってもらい、一緒に盛り上がりたい!」という思いから、6月19日のロシアW杯・日本vsコロンビアが開催される当日に、サッカー愛を語り明かすイベント(しかも、バンドマンなのに演奏無し!)をやってしまうほど。その渡邊幸一が、どれだけサッカー愛を持っているのか、話を聞きに行ってみた。

インタビュー=小松春生
写真=野口岳彦

■東京ガス(現・FC東京)のジュニアユースで過ごした日々

―――SNSでサッカーについてかなり発信をされていて、僕も拝見しています! まず、サッカーを好きになったキッカケから教えてください。

渡邊幸一(以下、渡邊) キッカケと言えるようなものが実は無いんです。小学校からサッカーをプレーし始めたんですが、当時はJリーグが開幕したこともあって、友達がみんなやっていたからなんです。Jリーグチップスのカードも集めていましたね。中学に進学する時に、FC東京の前身である東京ガスのクラブチームが地元の八王子にあり、セレクションを受けたら、たまたま受かったんです。なので、中学時代はそこで一生懸命やりました。

 高校進学後はバンドを始めて、音楽へとシフトチェンジして、20代前半くらいまで音楽に集中したので、サッカーはW杯を見るくらいの疎遠なものになってしまいました。でも20代後半くらいに、フッとした拍子にバンド仲間で「フットサルをやろう」という話があがり、月一くらいのペースでボールを蹴り始めてから、またサッカー熱が高まったんです。今は年々好きになっているくらいですね。

―――小中学生の時、プロ選手を目指しは?

渡邊 最初は本当に楽しくやっていて、中学時代にセレクションを受ける機会があったので挑戦したら受かったので、もうちょっと頑張ってみよう、というくらいでした。

―――中学時代はかなりミッチリと取り組んでいましたか?

渡邊 はい、かなり(笑)。毎週3日練習・試合があったんですけど、練習グラウンドが学校から自転車で山を2つ越えたような場所にあったので、授業が終わったらすぐ向かうという生活をしていました。練習が無い日も、近くの公園で蹴っていましたね。

―――印象に残っている出来事や思い出は何でしょう。

渡邊 コーチはすごく怖かったですね。とにかく走らされました(笑)。どんな土砂降りでも練習前と後にグラウンドの周りをグルグルと。激しい雨の中を自転車で帰ったりしたことも思い出深いです。

―――ちなみにポジションは?

渡邊 今でこそボランチと言ったりしますけど、当時の言い方でいうとディフェンシブハーフでした。ドリブルが全然うまくない分、スタミナとガッツがあったので、一生懸命動いていました。相手の動きなどを読んでパスカットをして前につなげることが得意だったので、相手のエースをマークして止めたりすることが好きで。

―――キャプテンシー溢れる人が多いポジションですが、ご自身はいかがでしたか?

渡邊 ないです(笑)。当時のプレースタイルは、今の性格にもつながっているかもしれません。自分からガンガン行くタイプではないので。

■大会でレベルの違いを実感。中学時代にプレーヤーとして挫折…

―――中学時代はサッカーに打ち込みながら、高校からは音楽への道へと進まれるわけですが、サッカーを続けようとは?

渡邊 受験するタイミングで挫折しました(笑)。僕は部活動ではなく、クラブチームでプレーしていたので、対戦相手はヴェルディやレッズ、レイソルのジュニアユースチームで、大会で対戦すると、もうレベルが全然違うんです。小学生と中学生が対戦しているくらいの差を感じて、この世界では厳しいと中学3年生ながらに実感したのは苦い思い出です。

―――そこでスパッと切り替えられた。

渡邊 そうですね。中3くらいから趣味でギターを弾くようになり、バンドを始めようとも思っていたので。高校で今のメンバーと出会って、みたいな感じです。

―――バンドを始めてからは音楽一本の生活になったとのことでしたが。

渡邊 20代前半までは、サッカーニュースもあまり見ないくらい音楽ばかりでした。でもバンド仲間も増え、楽屋や打ち上げで話す機会も増えると、サッカー好きが周りに結構いることがわかったんです。対バン相手や初対面のバンドの人でも「サッカーやるの?」で盛り上がることが結構あって。そこから仲良くなるんですよね。

 バンド仲間や音楽友達って、ライブ会場で会うことはあっても、プライベートで会うことはあまりなくて。でも、サッカーやフットサルを「やろう!」となると、そこで会える。これはすごく面白いし、楽しいです。TOTALFATのKubotyが公私ともに仲が良く、2人で中心となって仲間に声をかけています。

―――意外と、「××日、飲みに行こう!」よりも「××日〇時から2時間、フットサルコート押さえたから、来られる人は集合」の方が、集まりやすいかもしれませんね。

渡邊 まさにそうです。気楽に来たい人だけ来てやっています。フットサルは定期的にやっているんですが、日本代表の試合があった日に「フットサルやって、みんなで酒飲みながら見たら楽しくない?」と試しにやったら、めちゃめちゃ面白い。それ以来、そのセットを楽しむことにハマっちゃいましたね。それが僕たちの結成10周年イベントの一環でやった、W杯観戦会につながったと思います。

 メンバー各々が10周年イベントに向けて「やりたいことをやろう」となった時、2018年がたまたま10周年だったので、W杯に絡めたいと思い、ファンの方との観戦会も、もともとやりたかったので「今年しかない!」と。

―――観戦会をやることを発表した時、ファンの方のリアクションはいかがでしたか?

渡邊 サッカー好きな方がいる一方で、全く知らない方もたくさんいるんだな、と改めて思いました。W杯だから盛り上がる方もいれば、全く興味がない方もいる。でも、僕がイベントをやるということで、普段はサッカーを見ないという方も来てくれました。「みんなで見ると楽しいし、サッカーって楽しいでしょ?」ということを伝えられたと思っています。また、2022年のカタールに向けて一からやってみましょうかね(笑)。

■仙台の涙の夜…。代表の“推し”は中島翔哉

―――今日は私物も持ってきていただいて。

渡邊 これは2014年のユニフォームですけど、思い入れがあって。“仙台の夜、涙を流しました”。代表戦があるタイミングはツアーに出ていることが多くて、ブラジルW杯のコロンビア戦はスタッフとマネージャーとの3人で、仙台でのライブ当日早朝にスポーツバーへ、これを着て行って。ヘコんで。ガックリしたことを覚えているとともに、思い出深いですね。

 こっちは1994年くらいの日本代表が使用していたモデルのピステです。八咫烏とアシックス、このデザインが一番好きなんです。どうしてもほしくて買っちゃいました。今着ている現在の代表ユニフォームは、中島翔哉選手のネームと背番号を入れようとしていたんですけど、W杯は落選してしまったので、背中は空白のままにしています。

―――中島選手はロシア大会での出場は叶いませんでしたが、森保ジャパンでは活躍を見せていますね。

渡邊 2016年のAFC U-23選手権でイランと対戦した時に決めた2ゴールがキッカケで中島選手を知ったんです。すごいシュートで、「あれはマジでやばい」って当時の僕がツイートしていました(笑)。そこからずっと応援しています。W杯前に活躍したけど、選ばれなかったのは残念で。でも、今は日本の10番を背負っていますから、楽しみです。

2016年1月、イラン戦での中島翔哉 [写真]=Getty Images

―――何よりも日本代表が一番お好きなんですね。

渡邊 もちろんJリーグや海外で好きなチーム、好きな選手はいますが、日本代表が大好きですね。「みんなで世界と戦おう」というスタンスがすごく好きです。

―――ライブと共通している部分として、一体感がありつつ、熱量が高いところがありますね。

渡邊 観戦イベントもそうですね。一人で見るのが嫌いではないんですが、みんなで「ワッショイ」するのがすごく好きで。サッカーは海外発祥のスポーツですし、フィジカルの差を考えたら、絶対に敵わないと思われがちですが、近年の活躍は素晴らしいですし、夢がありますよね。「日本人も世界を舞台にこんなにも戦えるんだ」と、僕はすごく尊敬しています。

 あと、個人的にはパスをつなぐサッカーが好きで。みんなでつないで最後にパンと決め、チームメイトとハイタッチ。こういう一体感もサッカーの魅力の一つだと思います。本当、いろいろな魅力がありますね。

■「スタジアムライブは夢がある」

―――渡邊さんがサッカーのことを発信することで、音楽好きがサッカーを知ることができる一方、サッカー好きが何かのキッカケで渡邊さんの発信を見て「グドモってバンドの人がサッカー好きらしい」と関心を持ってくれることにつながるかもしれませんね。

渡邊 それが一番理想です。今回のアルバム『!!!!YEAH!!!!』の1曲目に収録されている「YEAH!!!!」を、TBS『スーパーサッカー』のエンディングテーマに起用してもらい、僕個人としてはめちゃくちゃ嬉しいです。本当にありがたいことですし、これをキッカケにサッカー番組や、2022年のW杯テーマソングができたら最高です!

 グッドモーニングアメリカの音楽は、初めて聞いた方にもスッと入ってくると思いますし、ビート感もあって、乗りやすい楽曲だと思っています。サッカーやスポーツにもハマると思いますし、そこが入口になり、「この曲カッコいいかも」と、僕らを知ってもらえれば嬉しいですね。

―――そして、その曲が入っているアルバム『!!!!YEAH!!!!』が11月14日に発売されます。

渡邊 アルバムには「ゴールライン」という楽曲が収録されていて、これもすごくサッカーに合うと思います。僕が書いたのではありませんが、歌詞の内容もサッカーをイメージしていて、曲調もピッタリだと思います。レコーディング中も「この曲が高校サッカーで流れる」と思いながら弾いていたんです(笑)。

―――結成10周年のアニバーサリーを迎え、新しい一歩を踏み出したとも言えます。新アルバムもメロディや歌詞が未来志向な印象を受けました。今後、グッドモーニングアメリカをどういったバンドにしていきたい、また、渡邊幸一個人としてどういった活動していきたいですか?

渡邊 ベストアルバムを今年発売することができ、今作はそれを経てのオリジナルアルバムになるので、おっしゃっていただいた通り、次への一歩となるアルバムになると思っています。これまでリリースした5枚のアルバムは、その時々で「こういうことが伝わってほしい」という思いがもちろんありましたが、今作は狙うというよりも、素直なグッドモーニングアメリカが出せたんじゃないかなと。「これまで続けてきたことを今、表現するとこうなるよ」という自分たちの音楽を表現できたと思っています。

 もちろん新しいトライはしていますが、無理に狙って取り入れるというより、自然体の中でトライしました。今までグッドモーニングアメリカを応援してくれている方に響くアルバムができたと思いますし、新たに聞いていただけた方にも新しい部分がハマりやすい作品になったと思います。

―――ゆくゆくはスタジアムでライブ、というのも。

渡邊 いいですね。サッカーと音楽が交わるイベントをいろいろやりたい気持ちがありますし、スタジアムライブは夢があるので、いつか実現してみたいです!

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