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東日本大震災で止まった時計が再び動き出す…Jヴィレッジ再始動式典が開催

エキシビジョンマッチ前には黙とうを実施

 1997年7月に日本初のサッカーナショナルトレーニングセンターとして福島県に開設されたJヴィレッジが、東日本大震災の影響による閉鎖から再始動することとなり、2018年7月28日に再始動式典が開催された。

「福島復興のシンボル」として再開するJヴィレッジはこれまでにあった施設に加え、宿泊棟が新たに完成するなどスケールアップ。一部施設は来年4月までに順次再開となるが、ホテルやレストラン、フィットネス施設やコンベンションホールなど、ピッチ(天然芝5面、人工芝1面、雨天練習場、スタジアム)以外にも充実の設備を備え、一般の方の使用も可能となる。

 式典当日は台風12号の影響も心配されたが、小雨が降る程度で、ほぼ傘は不要の環境で進行。株式会社Jヴィレッジ社長も務める内堀雅雄福島県知事は「グラウンドに未来を担う子どもたちの声が響き、笑顔が広がる。国内外のアスリートが集い、技術を高め合う。ここJヴィレッジにそうした光景が戻ってまいります」と冒頭で挨拶。「どんな困難も克服できるという希望の光を国内外に発信する拠点となります」と、地域・福島県の復興のシンボルとしていくことを誓った。

式典の冒頭で挨拶を行った内堀福島県知事

 日本サッカー協会(JFA)の名誉総裁である高円宮妃殿下も出席され、「ご尽力くださいました多くの方々に感謝申し上げます」と労いの言葉をかけられるとともに「W杯ロシア大会でのサムライブルーの活躍は日本国中に大きな感動の渦を巻き起こしましたが、多くの代表選手がJヴィレッジでその技術を磨いていたことを考えると、Jヴィレッジが日本のサッカーの発展を支えてきたと言っても過言ではありません」と続け、サッカー界へ再度貢献することへの期待を寄せられた。

 田嶋幸三JFA会長は、「日本代表が6大会連続でW杯に出場したこと、なでしこが世界一になったことなどは、Jヴィレッジ抜きに語れません。Jヴィレッジが果たした役割は計り知れないものがあります」と改めて重要性を説くと、「世界に誇れるトレーニングセンターです」と力強く話し、A代表・ユース・指導者の三位一体の育成を具現化する施設として、未来の拠点にするべく、期待を寄せている。

 式典には他に吉野正芳復興大臣、日本ラグビーフットボール協会の岡村正会長、福島県県議会の柳沼純子副議長、楢葉町の松本幸英町長、広野町の遠藤智町長が出席。スタンドには森保一日本代表監督や関塚隆JFA技術委員長、原博実Jリーグ副理事長、福島県出身のラグビー日本代表の大野均らが姿を見せた。

式典で挨拶を述べた田嶋JFA会長

 さらに、本人の来日はかなわなかったが、Jヴィレッジの名付け親である元イングランド代表の“サー”ボビー・チャールトン氏からもメッセージが寄せられ、「2013年に原発事故の対応拠点となっているJヴィレッジを再び目にしたときは、元の輝きを取り戻すのは容易ではないと思いました」と、5年前の来日時を回顧する一方、「以前より素晴らしくなった施設の写真をいただき、嬉しく感じました」と復活へ喜びのコメントを寄せ、「偉大なフットボーラーのように、偉大なフットボールプログラムにはあきらめない魂が必要です」とエールを送っている。

 式典終了後には地元の子どもたちによるキックインセレモニーが行われると、そのままJヴィレッジS.C.と福島県選抜U-15のエキシビジョンマッチが開催。東日本大震災が発生した14時46分と同じ時間にキックオフの笛が鳴ると、止まったままだった時計が再び動き始め、Jヴィレッジ再始動を高らかに告げた。

14時46分で止まったままだった電光掲示板の時計(右)

 Jヴィレッジは東京五輪に出場する男女日本代表の合宿地となることがすでに決定。JFAアカデミー福島も2021年を目安にすべて機能をJヴィレッジに戻すことを予定している。また、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップでは、アルゼンチンがすでに福島県を合宿地とする方針であることを伝えており、Jヴィレッジを使用することになれば、2002年のサッカー日韓W杯でアルゼンチン代表が使用して以来、再びやってくることになる。

 さらにはJリーグチームの使用も期待される。ミニキャンプを張る拠点には十分の施設となり、Jヴィレッジ側も集客につながるので、利用を呼び掛けている。原副理事長は式典後、「シニア層含め、大人がサッカーをやれる場所は限られているので、どんどん来てほしい」と一般利用を呼び掛けるとともに「鹿島などは以前キャンプなどをしていた。Jクラブなどトップチームやアカデミー含め、時間があれば。徐々にうまく使っていければ」と、自身もFC東京監督時代にキャンプで使用した施設の利用を、各クラブに期待している。

 Jヴィレッジはピッチ以外にも宿泊棟やトレーニング施設、レストランなど充実した施設となっており、学校やクラブ、企業以外にも個人での利用も可能となっている。

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