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シャビ・アロンソ、森保監督との対談で日本サッカー強化に提言「“いい子”ではいけない」

2018.01.30

都内のイベントで対談したシャビ・アロンソと森保監督

 リヴァプールやレアル・マドリード、バイエルンなどで活躍。ワールドカップやチャンピオンズリーグなど多くの栄光を手にし、昨シーズン限りで現役を引退した元スペイン代表MFのシャビ・アロンソ氏が30日に都内で来日イベントを実施。東京オリンピックを戦うU-21日本代表を率いる森保一氏との対談が行われた。

 今回の来日は日本のフットボールにおける個のクリエイティビティ強化を狙うためにアディダスがX・アロンソ氏を招へい。都内で行う様々なイベントの一つとして開催された。

 森保氏はサンフレッチェ広島の監督を経て、昨年10月に五輪代表監督に就任。1月にはAFC U-23選手権中国 2018に出場し、ベスト8という結果に終わった。指導者ということについて改めて「伝える大変さを感じている」と話し、「チーム作りとして個の成長、強さの向上を忘れてはいけないが、日本人のチームとして、組織力、助け合って協力して一つのものを作り出すことが日本の良さ」と、代表監督としてのチーム作りに言及した。

 X・アロンソ氏は現役を退いて間もないが、「自分のアイデアを、理解度を高めてみんなに伝えるかが大変だと思う」と森保氏と同意見を口にすると、将来的な監督就任については「辞めてから日が経っていないので、偉そうなことは言えないけど」と前置きしたうえで、「大好きなサッカーに関わっていきたい気持ちがある。自分のサッカー観をうまくみんなに伝えられるかが大切で、そのチャレンジは始まっているね。それができるようになれば、何らかの形で」と、指導者の道へ進むべく努力をしているとコメントした。

 これまで、ジョゼップ・グアルディオラやジョゼ・モウリーニョ、ビセンテ・デル・ボスケなど、名指導者の下でプレーした経験を持つX・アロンソ氏ということで、森保監督も大きな興味を持って質問。歴代指導者から共通点として感じたことは「説得力」であり、「選手が信じて納得して、『監督のためにやろう!』という気持ちにさせ、まとめることがうまい監督ばかりだった」と“金言”。

 森保監督は「育成段階ではどういった声掛けをしているか、どうやって向上心を持たせているか」と立て続けに問いかけると、「自分は注意されるほど、やる気が出た。でも人によってはそうではないこともある。自分が何をしたかをちゃんと見てもらえていると選手が感じられることが大事だと思う」と、サッカーに限らず、広く教育という面にもつながる回答が返ってきている。

 日本サッカーのレベルをさらに上げるためには「勇気が大事」と説いたシャビ・アロンソ。「組織的であることや精度は大事だが、選手は指示を守るだけでなく、『ここ』というところでチャレンジしないとダメ。約束事はもちろんあるけど、自分を信じてチャレンジをしないと。あまりにもいい子ではいけないね」と、ルールに縛られず、挑戦することが大切と話している。

 その言葉を聞いた森保監督も「それぞれ個性があるし、チームで決めたことをできる技術や戦術理解は大事だが、リスクを冒して思い切ってチャレンジすることを培ってほしい」と、特に東京五輪世代の選手たちに向けてメッセージを送ると、「今日来ていただいている皆さんがシャビ・アロンソさんの話を真剣に聞くように、一言一句聞き逃さない姿勢で選手が自分を見てくれるような指導者になりたいです」と挨拶し、わずかな時間ながらも得るものがあったようだ。

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