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【Jリーグラボ】名波浩、昨季を振り返る 「熱かった試合」「分岐点」「中村俊輔」とは?

 番組名誉MCであるジュビロ磐田の名波浩監督が登場し、2017シーズンの磐田について語った。

 J1で16試合10分け8敗、50得点30失点の6位という好成績を残した磐田。名波監督はこれだけの成績を収められた理由を次のように分析した。

「何がよかったかと言えば、新規加入選手の稼働とパフォーマンスがよかったのが一つ。それから(中村)俊輔を獲得してチームのマーケティングの側面、グッズや入場料収入、テレビ媒体への露出が増えて、サポーターも毎日何百人、多い時は700人から800人が練習見学に来てくれた。あとは結果として、試合で3ポイントを積み重ね、完封の試合が多かったことで選手が自信をつけていった。これが現場、フロント、サポーターの三位一体の勢いに繋がったと思います」

 シーズン中のターニングポイントとして、名波監督は第11節川崎フロンターレ戦、第12節柏レイソル戦のホーム2試合(ともに0-2)を挙げた。ともに黒星を喫した2試合だが、名波監督はターニングポイントとした理由を次のように語った。

「シーズンが始まる時って、最初に『このあたりが優勝争いするだろうな』というクラブをおぼろげながら浮かべるじゃないですか。川崎、鹿島アントラーズは当然で、柏、浦和レッズ、ガンバ大阪、FC東京あたりを浮かべるんだけど、その中の2チームでした。それに対して決して守備的になることなく、前からアプローチかけていき、前の選手サポートする回数、サポートした選手を追い越す回数も非常に多くできたんで、個人的にはここが自信を持てた2試合です」

 一方で、シーズンのベストマッチとしては第24節ヴィッセル神戸戦(2-1)を挙げた。「理由は1、2分じゃ語れないぐらい」と笑いながら、この試合を次のように振り返った。

「朝、クラブハウスに行くと、俊輔が38度の熱だと。薬を服用して、どこまで下がるか様子を見たんですが、昼過ぎに測ったら体温は横ばい。座薬を入れてさらに様子を見て、ミーティング前に俊輔のところに話しに行こうとしたら、プロ意識ゆえなんでしょうけど、普通に風呂に入っていて。『お前、何で風呂に入っているんだ!』と聞いたら『いや、体を温めてほぐさないと』と言われて……。そこで測ったら38度8分。熱が上がってしまったので帰させて、急きょメンバーを変えなければならなかったのが一つのポイント」

「二つ目は、サポーターもクラブ関係者も鮮明に覚えているんですけど、神戸の選手が自陣ゴール前でハンドをして、普通なら相手が退場になってPKだったんですが、流されてしまった。しかも後半開始早々、ルーカス・ポドルスキに1点先行されるという展開になり、このビハインドをどう覆していこうかと、気持ちは監督に就任して一番熱かった。自分の表情や態度にハートが出てしまった」

「神戸の選手やスタッフ、レフェリーには何の恨みもないけど、その背景が思い起こされて『絶対に負けられない』という気持ちになり、失点の数分後に川又(堅碁)がスルーパスから同点ゴール。1-1で終わり、結果オーライという流れになるかな、という安堵感が出たんですが、『勝ち越すぞ!』と選手を鼓舞し続けて、最後は俊輔の代わりに起用した松浦(拓弥)がFKを直接決めて勝利。あれは熱かった」

 この試合には出場できなかった中村俊輔だが、彼の加入は磐田にとって大きかったようで、名波監督はこんなエピソードも紹介してくれた。

「最終節の鹿島戦、前半に俊輔が一番好きなアングルからのFKがあったんですよね。壁を作り、味方を立たせるなどのやりとりが1分半ぐらいあり、満を持して蹴ったんですが、上のネットに引っかかってしまった。その日、風呂場で「FK惜しかったな」って言ったら「全然ダメ。罰金モンですよ」と言われたんですが、その翌日に練習場に行ったら、朝8時から2時間もFKの練習をしていたんですよ。鹿島戦の俊輔は、先発した22人の中で一番走行距離があって、疲労はすごかったはずなんけど、練習していた。今年で40歳になるけど、磐田に加入した価値は選手にとって大きかったですね」

 北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和社長がMCを務める『Jリーグラボ』は、毎月第2日曜日の21時から放送される。日本のサッカー水準向上を目的に、毎回ゲストを招いて様々な角度から日本サッカーを分析していく。

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