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醜態さらすのもよし…JFL沼津で現役復帰を果たした47歳・中山雅史

沼津の練習に参加した中山雅史 [写真]=田丸英生

文・写真=田丸英生(共同通信社)

 日本フットボールリーグ(JFL)のアスルクラロ沼津と選手契約した元日本代表FWの中山雅史が19日、正式にチームの一員となって初めて練習に合流した。3年ぶりの現役復帰に「皆さんが期待する姿は見せられないかもしれない。醜態をさらすのかもしれない。でも醜態をさらせるだけ(コンディションを)高められるなら、それもよしかなと思う」と真剣な口調で意気込みを語った。

 20日にアウェーで行われる栃木ウーヴァFC戦の遠征に同行しない居残りメンバーとともに、午前8時40分から約1時間のメニューを全てこなした。「何とか周りに迷惑をかけないように一生懸命やったつもり」と振り返ったが、左からのセンタリングに合わせるシュート練習では「中山らしさ」を存分に披露した。まずはショートバウンドに合わせて右足のインサイドで難なく流し込むと、次の順番ではややマイナス気味に来た低いボールを難しい体勢からヘディングでたたき込んだ。いずれもニアに走り込む十八番の形で、点取り屋の本能が衰えていないことを十分に示した。

 一方、ゲーム形式などではボールが足につかなかったり、動きが遅れる場面も目立った。ブランクを感じさせる出来に「まだまだ(トラップやパスの)方向が定まらなかったり、正確性がなかったり。そういうところをもっと高めていかなければいけないと痛感させられた」と反省点を並べた。

 2012年12月4日に行われた記者会見では「引退」という言葉を口にせず「第一線を退く」という表現を使い、冗談交じりに「未練たらたら」「バリバリになったらカムバックするかもしれない」と本音を口にしていた。実際、その後もテレビ解説などの仕事をしながら、個人トレーナーとともにリハビリを継続。「徐々に自分を高めていけたので、ならばその先のステップ、その先のステップというところに目が向いた」と、少しずつ復帰を現実的な目標として捉えるようになったという。

 今回の復帰を橋渡ししたのが日本代表コーチやジュビロ磐田の監督、コーチとして長年の付き合いがある、アスルクラロ沼津の山本昌邦会長だった。中山は「サッカーの動きを練習したくて山本さんと話していたら『うちで練習すればいいんじゃないか』と言っていただけたので、この前(今月5日)練習参加させてもらった」と説明する。その後、選手登録した方が練習参加しやすいことや、J3入りを目指す若いクラブと選手にとっても好影響を与えるという判断もあり、正式契約に至った。

 背番号は日本代表やジュビロ磐田で長年つけた「9」と英語の「サンキュー」にちなんで「39」を選んだ。「感謝の念を込めて、それを背中から発信できるようにしたい。どう躍動できるのか、あるいは醜態をさらすのか分からないが“桜咲く”という形で結果が出ればうれしい」と独特の中山節で抱負を語った。

 今後の練習参加は「仕事をしながらなので、ここに来られる時に来るというスタンス」。早ければ10月3日にホームで行われるソニー仙台戦でメンバー入りする可能性もあるが「監督が決めることだし、そんなに簡単な道ではない」と現実的に受け止める。今月23日には48歳の誕生日を迎える。戦力としては未知数だが、練習中に誰よりも声を出し、終了後も黙々と腹筋や腕立て伏せを繰り返す姿に不屈のストライカーの「本気度」が表れていた。

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