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仲間からの厚い信頼…同僚に恵まれた香川に満ちる明るいシーズンの予感

川崎戦で2ゴールを決めた香川真司(中央左) [写真]=兼子愼一郎

文=八杉裕美子

 スタジアムでじかに香川真司のプレーを見たのは約1年ぶりだった。

 昨夏、マンチェスター・ユナイテッドのプレシーズンツアーにチームの公式エディターとしてアメリカに同行して以来のことだ。

 ドルトムント復帰後2シーズン目となるチームの一員として、シンジがいったいどんなプレーを見せてくれるのかが知りたかった。

 キックオフのホイッスルを聞いた直後は、赤色のユニフォームではなく黄色のユニフォームをまといピッチを駆けるシンジをぼんやりとした気持ちでスタンドから眺めていたが、開始5分にヘッドで決めた鮮やかなゴールを目の当たりにして現実に引き戻された。

 36分にマルコ・ロイスのグラウンダーのクロスに冷静に合わせた得点もそうだが、川崎フロンターレとのプレシーズンマッチを見ていてひしひしと感じたのが、チームメートのシンジへの絶対的な理解と信頼だった。

 それはユナイテッド時代のシンジが最後まで手にすることができなかったものだ。

 もちろん、ユナイテッドにもシンジの才能を信じ、ピッチでもサポートしていた選手はいたが、ドルトムントの選手のシンジへの信頼度はそれとは全く違うレベルのものだということは45分間見ていただけで十分に伝わってきた。

 日本で行われたプレシーズンマッチということを差し引いても明らかだった。

 試合終了後にシンジのチームメートに話を聞いた。

 最初に話を聞いたネヴェン・スボティッチはシンジの活躍を手放しで喜んだ。

「シンジにとって今日はとても大事な試合だった。2ゴールを決めていいスタートを切られたのは大きな助けになると思う。新監督に自分の実力をアピールする絶好の機会になったはずだしね。彼は日本代表だし、多くのファンがいる前でプレーできたのも良かった。実際に日本のファンのサポートが今日のシンジのプレーの助けになっていたよね」

 ユナイテッドに移籍する前からシンジを知るスボティッチに聞きたいことがあった。それは古巣に復帰したシンジの進化についてだった。

「ドルトムントに戻ってきた昨シーズンから思っていたことだけど、もともと素晴らしい才能のある選手であることには変わりはない。彼がボールを持つとそれを奪うのはすごく難しい。今日の試合でもそうだったようにゴール前では脅威だしね。それはユナイテッドに行く前にドルトムントにいたころからそうだったよ。

 その後、状況が変わってしまった。これは他のどんな選手でもそうだけど、新しいチームに慣れるまでには少し時間が必要だ。それがかつて所属していたチームだったとしてもね。でも今日の試合でもシンジは今も変わらず才能あふれる選手だということを証明したし、彼は様々なことを学んで身に付けてきたんだよ。それに、ユナイテッドにいる間に明らかにフィジカルが強くなった。ピッチの上でシンジにとって大きな助けになっていると思う」

 キャプテンを務めるマッツ・フンメルスは、「以前から良い選手だから特に大きな変化があるとは思わないけど、特に挙げるとしたらファッションセンスが良くなったね(笑)」と冗談を言いながらも、シンジへの理解とサポートを示した。

「どれだけ素晴らしい選手かということはよく分かっているから。2ゴール決めていいスタートを切れたし、シーズンを通して活躍し続けてくれるといいね。僕たちの仕事はシンジがそうできるようにサポートすることだよ」

 2人の話を聞いて、シンジがチームにとってどれだけ大切な存在であるかが改めて良く分かった。

 試合終了後、「これからももっと厳しい環境だったり戦いが待っていると思うし、前を見据えてしっかりとやっていきたい」と語ったシンジだが、大きな信頼を寄せ、サポートを惜しまないチームメートとともに迎える2015-16シーズンは、明るいシーズンになる予感に満ちている。

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