神村学園DF吉永夢希(右) [写真]=佐藤博之
第102回全国高校サッカー選手権大会・準々決勝が4日に行われ、神村学園(鹿児島)は近江(滋賀)に3-4で敗れ、ベスト8敗退に終わった。試合後、神村学園のDF吉永夢希がメディア取材に応じた。
2回戦で松本国際(長野)、3回戦で神戸弘陵(兵庫)に勝利した神村学園は、浦和駒場スタジアムで行われた準々決勝の第1試合に臨んだ。
1-1で迎えた前半22分、神村学園のU-17日本代表DF吉永が魅せた。左サイドを抜け出してボールを運ぶと、角度のない位置から左足でキック。これがGKの足を弾いてゴールへ吸い込まれた。クロスにも見えたこの場面、吉永は試合後にこう振り返る。
「GKが前に出ていたので、少し早いボールというかGKに当てて入るのは狙っていました」
“狙い通り”のシュートで神村学園に勝ち越し点をもたらした吉永。しかし、その後は左サイドで縦関係のコンビを組むU-17日本代表MF名和田我空とともに、近江の徹底マークに遭い、攻守両面で本来の実力を発揮することはできなかった。本人も「あの一発だけでした」と悔しさを滲ませ、「だいぶ左サイドは対策されていたなと思います…」と振り返る。
「守備もそうですし、攻撃もアシストできなかったですし、違いを出せなかったのが悔しいです」
そして、試合終盤に悲劇が訪れてしまう。後半アディショナルタイム3分、クロスボールの混戦から近江の川上隼輔にシュートを打たれた。これを吉永がクリアしきれず、最後は鵜戸にこぼれ球を流し込まれ、土壇場で逆転を許してしまった。
「最後は自分のサイドで失点してしまいました。チームに迷惑をかけてしまったなと感じています。力不足だなとこの試合でわかりました。やっぱり本当に攻撃の回数もクロスの質もまだまだだなと思いました」
高校生活最後の大会、「神村学園ではチームを勝たせないといけない立場で常にやらないといけないと思っていましたし、出ていない3年生の思いを常に背負いながら戦わないとなって思っていました」と、懸ける思いも強かった。最後の最後、吉永にとって、悔やんでも悔やみきれない終わり方となった。
それでも、吉永のサッカー人生はこれからも続いていく。ベルギーのヘンク加入が内定しているレフティーは努めて前を見た。「もっとレベルアップしないと海外では戦えないと思うので、もっと個の能力をつけていかないといけないと思います」とまっすぐ語り、これから先待ち受けているであろう熾烈な競争に目を向けた。
「この大会は通過点だと思っているので、この大会があってよかったと言えるように、海外で結果を残して、将来的にはA代表が目標なので、そこに入り込めるように頑張りたいと思っています」
神村学園で学んだ3年間は、きっとこの先の人生に生きてくるはず。選手権での悔しさを胸に次のステージへ、吉永の挑戦はこれからも続く。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト