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プロ入りへアピール続ける四中工のアタッカー…「意識が違う」と痛感させた同級生の日本代表

2020.01.04

四日市中央工業の和田彩起 [写真]=野口岳彦

 3試合で8得点。四日市中央工業(三重)の勢いが止まらない。

 日大明誠(山梨)との1回戦を3-1で制すると、松本国際(長野)との2回戦も2-1で快勝。3日に行われた日章学園との3回戦も、好調な攻撃陣が結果を出した。11分にキャプテンのMF森夢真(3年)が高い位置でプレスを掛けると、相手のクリアボールを足に当ててラッキーな形で先制点をもぎ取る。

 後半は開始早々に立て続けに失点し、試合をひっくり返された。だが、後半13分に宮木優一(2年)がCKからヘディングシュートを叩き込むと、16分に森がPKを決めて一気に逆転。直後の18分にペナルティエリア内でファウルを犯し、鈴木陽介(3年)にゴールを許したが、PK戦を制して2013年度以来のベスト8に駒を進めた。

 今大会3戦5発の森や1、2回戦でゴールを奪った田口裕也(3年)など、前線の選手が躍動している四日市中央工。特に目覚ましい活躍を見せているのが森だ。卒業後の進路が決まっていない10番はプロ入りを勝ち取るべく、圧倒的なパフォーマンスで猛アピールを続けている。

森夢真らの活躍もあり、四日市中央工はベスト8進出を果たした [写真]=小林渓太

 そんな攻撃陣で、森と同じように就職活動中の選手がいる。右サイドハーフの和田彩起(3年)だ。最大の武器はスピードを生かしたドリブル突破。一瞬の速さはピカイチで、今大会でも指折りのサイドアタッカーと言っても過言ではない。

 最初に注目を浴びたのは一昨年の10月。U-17日本代表に選ばれ、静岡学園の松村優太(3年/鹿島アントラーズ入団内定)、米子北の高橋祐翔(3年/大分トリニータ入団内定)、桐生一の若月大和(3年/湘南ベルマーレ入団内定)らと親善大会に挑んだ。

 そこで若月から大きな影響を受けた。

「代表で同じ部屋だったので、様々なことを聞いたんです。そこで大和と意識が違うと痛感しました。練習後にサプリメントを摂取し、身体のケアをするために氷風呂に入っていたので、プロを目指す選手の意識を知りました」

 そこから和田も日々の過ごし方を改め、プロテインの摂取方法などを独自に勉強。高卒でプロ入りを果たすべく、高い意識で日々のトレーニングに励んできた。だが、その努力は結果に結びつかず、現時点で卒業後の進路は未定。選手権予選前にJ3やJFLのクラブに練習参加したものの、色好い返事はもらえずに最後の大舞台に望みをかけた。

 迎えた選手権は初戦のアシストのみにとどまっている。2回戦までは“らしさ”を出せず、本人も「1回戦では自分のプレーを出し切れていない」と猛省していた。

「1回戦、2回戦であいつらは点を取ったけど、自分は取れていない。まだ自分が何もできていないし、活躍しないと注目もされない」

 3回戦では覚悟を持って試合に入ると、序盤から何度も局面を打開する。サイドからクロスを入れて決定機に絡むなど、上々のパフォーマンスを見せた。ただ、肝心のゴールやアシストは“0”。「ゴールは取りたいけど、自分が勝つことが最優先」と勝利を喜んだが、得点に絡めかった点だけは悔やんだ。

 次なる相手は矢板中央(栃木)に決まった。目に見える形でチームを勝利に導ければ、未来を変える可能性は十分。「相手はどんどん強くなって行くので、もっと自信を持って自分の特徴を出せるようにしたい」とは和田の言葉だ。自らの足で道を切り開くために、準々決勝では誰よりも結果にこだわる。

取材・文=松尾祐希
 

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