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勝てたことが一番のポジティブ要素…前回王者が苦みながらも初戦突破

前回大会王者の前橋育英は初戦を突破したが… [写真]=兼子愼一郎

取材・文=安藤隆人(提供:ストライカーデラックス編集部)

 はっきりいって、苦戦だった。前回王者・前橋育英は初戦の宇和島東に2-0と勝利し、3回戦に駒を進めた。

 スコアだけ見ると完勝のように見えるが、中身は宇和島東の鋭いショートカウンターの前に大いに苦しんだ。

 立ち上がりから前橋育英に堅さがあった。開始早々にGKへのバックパスミスを相手に突かれ、ループシュートを放たれた。これは事なきを得たが、その後も豊田湧と清家悠平の2トップと、左サイドアタッカーの武田伶郎の宇和島東の攻撃のトライアングルが前橋育英の守備のズレを狙い続けた。

「正直、全体が堅かった。立ち上がりは特に。宇和島東が引いて来るかと思ったら、前に出て繋がせない形の守備をして来たので、そこで結構みんなびっくりして慌ててしまった。セカンドを拾えてもそこから攻撃のスイッチが入らなかったので、宇和島東のサッカーは嫌でした」

 松本山雅入団内定のFW榎本樹が語ったように、初戦の堅さと宇和島東の勢いの良さに押される形で、後手に回ってしまった。

 だが、それでも先制点は奪ってみせた。18分、右CKを得ると、MF本多海斗が蹴ったボールをFW室井彗佑が収め、倒れながらも右足でシュートを突き刺した。

 これでエンジンがかかるかと思われたが、それ以降も宇和島東の出足の鋭さに苦しみ、34分には豊田にカットインから強烈ミドルを浴びるが、GK山口瞬がファインセーブで、同点ゴールを許さなかった。

 後半もなかなかリズムが掴めない前橋育英は、46分にMF岡本悠作に代えてアルビレックス新潟入団内定のMF秋山裕紀を、58分に水多に代えてMF森隼平を投入し、攻撃陣にテコ入れを図った。すると同33分に森のドリブル突破からのクロスを榎本が押し込んで、ようやく追加点を挙げることができた。

 2-0にしてからは、CB府川宙史に代えて吉田和暉、DF近藤友喜に代えて若月輝を入れるなど、守備陣もテコ入れし、まさに総力戦で勝利を手にしたのだった。

「初戦なのでやはり硬くて、本来の力を出すのが難しかったように思います。でも、次また試合ができるということで修正できる点もあるし、対応していきたいです。次も厳しいと思いますがやれることはやっていきたいです」

 試合後、前橋育英の山田耕介監督がこう語ったように、出来の悪い試合だったことは全員が理解していることだった。だからこそ、勝てたことをポジティブに捉え、前回王者はもう一度仕切り直しをして、本来の姿で次なる尚志戦に臨む。

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