2017.01.08

全国4強に相応しい戦いを見せた佐野日大…批判に耐えて貫いた“我慢の守り”

佐野日大
粘り強い守備を見せた佐野日大だが、前橋育英に敗れ決勝進出は叶わなかった [写真]=兼子愼一郎
育成年代を中心に取材活動を展開。

 周囲からの批判があることは肌で感じていた。主将のDF福田一成は「本当にこういう結果が出るまで批判されたり、反対意見もあった」と振り返る。だが、自分たちを信じて戦ってきた佐野日大が同校初の全国ベスト4。栃木県勢では過去30年間で2校目となる全国準決勝の舞台に立った。

 貫いた我慢の守り。米子北(鳥取)との2回戦や駒澤大高(東京A)との準々決勝、前橋育英(群馬)との準決勝はいずれも多くの時間で相手にボールを握られ、自陣に押し込まれる中での試合となった。2シャドーの選手を含めてゴール前で守った時間帯も少なくない。それでもMF飯淵玲偉とMF小林拓海のダブルボランチたちが高い位置でボールを引っ掛けると、彼らやアタッカー陣が勇気を持って敵陣のペナルティエリアまで駆け上がり、決定的なシュートを打ち込み、ゴールを決めた。

 夏のインターハイ予選で宿敵・矢板中央に0-3で敗れたことがウイングバックを置いた「3-4-3」システムへの変更、守備意識を高めるきっかけとなった。「正直、このサッカーをやり始めた時は守備が辛いと思っていた」と福田。選手権予選を突破したものの、選手はインターネット掲示板などで守備的な戦いを批判されていたことを明かす。それでも結果が出る中で主将は「この戦いをやれば勝てる。みんなも守備を嫌がらずにやっている」と感じていた。

 迷わず、がむしゃらに守って、戦ってきたチームはGK中村一貴のファインセーブやMF梅澤峻のスーパーゴール、MF長崎達也の劇的な決勝点など個々のビッグプレーも出て、周囲を驚かす全国4強入り。準決勝でも前橋育英を苦しめ、パワープレーに出た試合終盤は相手を飲み込みかけた。

 福田は「このサッカーを信じてやってきてベスト4という素晴らしい結果が出た。信じてやってきて良かった」と語り、選手たちと意見をぶつけ合いながら勝つチームを作り上げた海老沼秀樹監督は「あんまり褒めてあげない先生なんですけど、厳しいことや辛いことを耐えて、私についてきてくれた結果だと思います。こういう舞台に連れてきてくれてありがとうと伝えたい」と言葉を詰まらせながら感謝していた。

 準決勝終盤の猛攻はまさに“意地”。「引くだけじゃないぞ、あの子たちにもできるんだぞというのを皆さんに見てもらいたい」(海老沼監督)という思いも込めた前へ、前への攻撃だった。強豪を沈めた強烈カウンターを含めて“引くだけではなかった”佐野日大。全国4強に相応しい戦いぶりだった。

文=吉田太郎

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