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“みんなの笑顔のために” 正智深谷主将・小山開喜、準々決勝で4戦連発狙う

2017.01.04

正智深谷のキャプテンを務める小山開喜 [写真]=瀬藤尚美

 チームの絶対的な司令塔だが、県予選の得点数はゼロ。そのMFが全国大会で3戦連発を記録した。1月3日、第95回全国高校サッカー選手権大会3回戦でともに初のベスト8進出を懸けた正智深谷(埼玉)と創造学園(長野)が激突。19分にMF鈴木涼太のゴールで先制した正智深谷は前半アディショナルタイムにも10番MF小山開喜主将が加点するなど3-0で快勝した。

 小山本人は「全部ごっつぁんゴールなんで。(今日も)横パスを無人のゴールに流し込むだけだった」と微笑むが、現在3得点はFW鳴海彰人(青森山田)、FW溝田大輝(滝川二)と並んで得点ランキング首位タイ。過去の2ゴールはいずれもPKだったMFはこの日、チームのカウンターに素早く反応し、ボランチの位置からペナルティエリアまで走りきってFW新井晴樹の折り返しをゴールへ流し込んだ。

 流れの中で決めたゴールももちろん印象的だったが、この日はパスが際立った。「今日は顔をあげることを意識していた」という小山は中盤中央から角度をつけて、相手DFの足先ギリギリを抜けてサイドへ通るようなパスを連発。一本のパスで正智深谷の攻撃は一気にギアが上がっていた。
 
 また、持ち味である切り替え速い守備でも勝利に貢献。出場停止のMF谷口瑛也に代わって先発した2年生MF海老塚宝良を「2列目で決定的なパスとか上手い選手なので、できるだけ自由にやらせていた」とサポートしながら、自ら攻守に存在感を見せつけた。

 3戦連発についてはうち2得点がPKということもあって、本人はあまり誇張しないが、それでもゴールする喜びを感じている。「応援団の人がみんな喜んでくれるので嬉しいですね」。一致団結をスローガンに掲げるチームのリーダーは自分のゴールによって仲間たちが笑顔になることが嬉しいのだ。

 将来的には鹿島アントラーズMF柴崎岳のようにボランチでも得点を取れる選手、目立たなくてもチームに欠かせない存在になることが目標。結果としてその姿に近づきつつある10番がV候補の青森山田との準々決勝でもゴールを決めて、応援団や支えてくれる人たちを再び笑顔にする。

文=吉田太郎

By 吉田太郎

サッカー専門媒体を中心に、主に育成年代の取材活動を展開。

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