2015.08.05

度胸満点の1年生がインターハイで大役を果たす…滝川第二の上出直人が初のボランチ起用で相手エースを封じる

ベスト8進出に貢献した上出(7番)

文・写真=川端暁彦

「彼がいなかったら、今日はやられていたと思います。本当によくやり切ってくれた」

 1-1からのPK戦という形で帝京第三との激戦を制した滝川第二・松岡徹監督は、そう言ってゲームを振り返った。

 試合前、相手チームを分析して得た結論は「7番の梅田至くんがポイントになっているんです。帝京第三の得点はすべて彼が絡んでいると言ってもいいくらい。本当に素晴らしい選手で、そこを抑えなければ絶対に勝てないと思った」(同監督)。

 中盤に顔を出しながら起点を作る梅田に対するマーク役に指名されたのは、同じ7番を背負う上出直人。この4月に入学してきたばかりの1年生に大役を託した。前日夜に先発を言い渡された上出は「『相手の7番をつぶせば勝てる』と言われて、その場では『やってやるぞ』という感じだった」と言うものの、インターハイベスト8をかけた大事な戦いである。朝起きたときにはさすがに不安感も顔を出したという。「でも、自信持ってやるしかない」と腹をくくってピッチに立った。

 本職はセンターバック、もしくはサイドバック。滝二では一時FWで起用されたことこそあるものの、ボランチでの出場は「ないです。初めてでした」(上出)というから、かなりの博打だったことが分かる。しかし結果は、「ほとんど仕事をさせへんかったと思う」と上出が胸を張ったとおりの内容となった。

 無論、成算がなかったわけではない。「身体能力も高いですけど、僕は何より上出のここ(心臓を指さして)を買っているので」と、1年生離れした度胸を信じての抜擢だったことを明かした。「入学早々の4月に、監督に向かって『何で僕を使ってくれへんのですか?』と聞いてくる1年生はなかなかいないでしょう」と笑いつつ、これまでさまざまな役割を託してピッチに送り出すたびに成果と成長を見せてきたその姿勢を買ったのだという。

 173センチと決して大柄ではないが、「デカイ奴が相手でも駆け引きとタイミングで勝てると思っている」と豪語する強心臓のルーキーが、全国舞台で確かな結果を残してみせた。

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