強い決意で新シーズンに臨む篠田龍馬 [写真]=NAGOYA OCEANS
3月22日、JFA全日本フットサル選手権大会がしながわシティの優勝で幕を閉じ、2024-2025シーズンが終了した。
これまで絶対王者の名をほしいままにしてきた名古屋オーシャンズは、昨年5月に行われたFリーグオーシャンカップで優勝。しかし、リーグ戦では苦戦を強いられ8連覇を逃し、全日本選手権は準決勝敗退と、一冠でシーズンを終えた。
各チームから移籍や退団の発表が相次ぐ中、名古屋に残り戦うことを選んだ選手がいる。今年で35歳になるベテランGK篠田龍馬だ。
篠田は2009年から同クラブに所属し、冷静な判断と安定したプレーでゴールマウスを守る。しかし、今シーズンはリーグ戦27試合中27試合に登録されながらも、ピッチに立ったのは途中出場も含め10試合。優勝の可能性がジリジリと遠ざかる中、プレーで仲間を助けることはできなかった。だが、中断明けの第10節以降、出場時間を得られない中で「選手としてはもちろん試合に出たいが、次に自分が出場機会を得るときは、おそらくチームがもっと良くない状況に陥ったとき」と考え「チームが勝つためにどうすればよいか」にすべての力を注いだ。これまでのキャプテン経験から学んだ選手との関わり方も生かし、吉川智貴や安藤良平といった年上の選手と対等に意見をかわして、若手との潤滑油になるよう努めた。
しかし、結果的にチーム状況は上向かず、優勝を逃す。「ベテランとして時には監督と選手の間に入ったり、いろいろな選手にいろいろなアプローチをしたりしてきたが、最後まで解消できなかったことに責任を感じている」と話す篠田は「続けることで責任を取りたい」と来シーズンも名古屋でプレーすることを選んだ。Fリーグ唯一の完全プロチームとして勝利やタイトル獲得を義務づけられる中、常に「優勝できなければ責任を取る」という覚悟を持って試合に臨んでいたが、その言葉だけがひとり歩きしたこともあった。「話した言葉が表に出た以上、続ける選択に違和感を覚える人がいるのは仕方ないと思う。優勝できない可能性が高まる中で、その状況から逃げるために口にしたわけではないが、そう捉えられても仕方がない。でも、覚悟を持って臨んで優勝を逃したからこそ『自分から辞めることはしない』『続けられる限りは続けたい』と考えるようになった」。そのような気持ちの変化もクラブに話し、契約更新が決まった。
「来シーズンは間違いなく、今シーズンよりさらに難しい戦いになる。でも、優勝を逃した責任は、選手を続けることで取る。そして、必ずタイトルを取り戻す」と決意を語っている。
By サッカーキング編集部
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