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18年目のFリーグ、開幕節から波乱の展開に/Fリーグ2024-2025 ディビジョン1

2024.06.06

7発快勝のペスカドーラ町田 [写真]=SHOKO

 6月1日、18シーズン目のFリーグが開幕した。
 
 5シーズンぶりにディビジョン1の舞台に復帰したヴォスクオーレ仙台は、アウェイでバルドラール浦安と対戦。2分、GK税田拓基のゴールクリアランスを受けた森村孝志が大きく前線にボールを送ると、これを受けた丸山将輝が相手DFを剥がして放ったシュートがゴールネットを揺らし、今シーズンのゴール第1号をマークした。しかし、そのわずか1分後には新加入のレアンドロのシュートがはじかれたところに本石猛裕が詰め、浦安が試合を振り出しに戻す。さらに16分にはGKピレス・イゴールのループパスを胸で受けた石田健太郎がボールを落とすと、柴山圭吾が右足で合わせて追加点。浦安が逆転に成功し、2-1で第1ピリオドを折り返した。

 第2ピリオドではスコアが動かず1点差のまま終盤を迎えるが、38分、自陣でのキックインから攻撃を組み立てた浦安は本石のアシストから長坂拓海が追加点。直後にタイムアウトを取った仙台は今井翔をGKにパワープレーを開始するが、追撃及ばず3-1で試合が終了し、逆転勝利を収めた浦安が勝ち点3を獲得した。

 白星スタートを切った浦安の小宮山友祐監督は「FP全員を出場させて勝ち点3を取ることが大きな目的だった。それを成しえることができて満足している。攻守において課題はあり、決めるところを決めていれば違った展開になったと思うが、全員がやるべきことをやり、自分の強みを表現してくれたと思う。今シーズンはタイトルを目標にしているが、長いシーズンでは疲労や累積の影響が出る。チームとして全員の力が底上げされることが理想だと思っているので、今日は『全員を出場させる』と話して送り出し、全員がコミットしてくれたと思っている」と試合を振り返った。

 敗れた仙台の清水誠監督は「開幕戦へのいろいろな思いが詰まった試合だったので、ヴォスクオーレとしての新たな一歩だった。結果が伴わなかったのは監督の責任なので、修正し、立て直しながらF1リーグの強度で戦うことが務め。回復や課題も含めて1週間準備をし、次の試合を迎えたい」と試合を総括。現役時代に守備的なポジションであるフィクソを務めた清水監督は「仙台は守備のチーム。これまでの積み上げと、自分たちが持っている武器を広げながら戦ったので、そういった守備の形が見ている人たちに伝わったのであれば挑戦した意味がある」と、今後のF1リーグでの戦いに手ごたえをのぞかせた。

逆転勝利を収めたバルドラール浦安 [写真]=SHOKO

 5月のオーシャンカップを準優勝で終えたペスカドーラ町田は、シュライカー大阪をホームに迎えた。開始わずか33秒でFKを獲得すると、今シーズン町田に復帰した森岡薫のパスからクレパウジ・ヴィニシウスが先制。7分に野村啓介が追加点を挙げると、直後に大阪がタイムアウトを取得した。タイムアウト明けには磯村直樹が3人に寄せられながら清水寛治にパスを送るが、町田の人数をかけた守備に前進を阻まれる。伊藤圭汰のゴールでリードを広げた町田は13分、2シーズンぶりに町田に復帰した毛利元亮が追加点。復帰戦でのゴールに1600人を超える観客が盛り上がりを見せた。点差が開き焦りの見える大阪はファウルがかさみ、町田に3度の第2PKを献上。2本は町田の失敗に終わったが、3本目を森岡が沈め5-0で第1ピリオドを終えた。

 5点ビハインドの大阪は第2ピリオド立ち上がりから磯村直樹をGKに置いたパワープレーを開始。町田の守備を崩すことができずに時間が経過するが、粘り強くチャンスを窺うと加藤翼のゴールで1点を返す。しかし、その後2点を失い7-1で試合終了。大勝を収めた町田が幸先の良いスタートを切った。

 オーシャンカップでの甲斐修侍監督の退席処分により、監督代行を務めた小川亮コーチは「まずは開幕戦で勝利ができて非常によかった。3年連続、開幕戦で勝利できていなかったので、しっかり勝ち点3を取れて選手たちに感謝している。プレシーズンで準備をしてきたことや、ここに懸ける思いを選手たちがピッチで表現してくれた。勢いだけでは勝てないリーグだが、勢いや若さとベテランの経験値がうまく融合して勝ち点を積み上げていければいい結果が出てくるのではないか。ネガティブな要素を払拭するプレーを見せてくれて頼もしかった。今後に期待してもらっていいのではないかと思う」と満足げな表情を見せた。

 オーシャンカップ決勝では残り2.6秒の失点で名古屋オーシャンズに敗れ、涙をのんだ。試合後に「自分たちは(同点のまま)延長戦かな、と思っていたが、名古屋は勝ちにきた。そういったところの甘さが勝負を分けた」と悔しさをにじませていた主将の伊藤圭汰。「オーシャンカップの決勝も、(優勝を逃した)昨シーズンの終盤も、本当に悔しい思いをした。その悔しさを試合に向けていくのは本当に難しいが、1試合1試合勝っていくことが大事。今シーズンは去年のベースに加えて(森岡)薫さん、ジャッピーニャ(本田真琉虎洲)、(毛利)元亮と経験のある選手が戻ってきた。まだまだ合わない部分もあるが練習でしっかりとやっていきたい」と、経験を糧に成長していく姿を印象づけた。

 敗れた大阪の高橋優介監督は「見てのとおり大敗。何をやってもうまくいかないゲームだった。前半の入りがすべてだった。町田というチームに対してああいう入り方をしてしまったら、流れを持っていかれてしまう。ベンチでも修正点はいくつか伝えていたが機能せず、(前半だけで)ファウルが8つと冷静に戦えていなかった。監督としての問題もあったと痛感している」言葉少なに語った。

 主将の加藤未渚実も「最初のFKはスカウティングで注意していたところでヴィニシウスに決められてしまい、難しい試合になってしまった。それ以外にも自分も含めて試合の入りがうまくいっていなかった印象があり、ベテランが鼓舞して流れを引き戻すことができなかった。そもそものシュート数も少なかったので、そういったところが反省点。ファウル数も多く、相手に何度も第2PKを与えてしまった。長いリーグ戦を戦う中で目を背けてはいけないので、しっかりと修正し、高い強度でトレーニングをしていかなくてはならない」と課題を口にした。

 立川アスレティックFCはバサジィ大分との接戦を制し、3-2で勝利。フットサル日本代表でも活躍した稲葉洸太郎氏が監督に就任したY.S.C.C.横浜、伊久間洋輔監督が指揮を執り4シーズン目の湘南ベルマーレもアウェイでボルクバレット北九州を下し、勝ち点3を獲得している。リーグ8連覇、国内3冠を狙う名古屋オーシャンズは、比嘉リカルド監督率いる新生・しながわシティに3-4で敗れ、18シーズン目にして初めての黒星スタートなった。新監督の就任や補強で、勢力図に変化が起こりそうなF1リーグ。第2節は6月7日から9日の3日間で行われる。

Fリーグ2024-2025 ディビジョン1 結果
バルドラール浦安 3-1 ヴォスクオーレ仙台
ボルクバレット北九州 1-4 湘南ベルマーレ
立川アスレティックFC 3-2 バサジィ大分
ペスカドーラ町田 7-1 シュライカー大阪
名古屋オーシャンズ 3-4 しながわシティ
フウガドールすみだ 1-3 Y.S.C.C.横浜

By サッカーキング編集部

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