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過去の全国王者が集うハイレベルな激戦をEDCが制す!…EXILE CUP 2023関西大会

2023.09.15

EXILE CUP 2023 関西大会を制したEDC [写真]=座間 雄貴

 EXILE CUP 2023 関西大会が8月27日、奈良県フットボールセンターで行われた。この大会は小学4年生から6年生を対象にしたフットサル大会で、LDH JAPANが2010年より社会貢献活動の一環としてスタートさせ、今年で11回目となる。2019年を最後にコロナ禍の影響で中止が続いていたが、今年は4年ぶりに開催が実現。大会は全国9地区10会場で予選が行われ、各優勝チームが決勝大会に進出する。関西大会には52チームが参加して、予選リーグ78試合、決勝トーナメント15試合の熱戦が繰り広げられた。

 試合会場にはDEEPのYUICHIROさんが応援に駆けつけた。自身も学生時代にGKとしてプレーしていたYUICHIROさんは開会式で「暑いので水分補強などに気をつけながら、思い出に残る一日にしましょう。みんな、サッカーを楽しんでください!」と子供たちにエールを送った。その後、南アフリカ・ワールドカップの日本代表応援ソングだったEXILEの「VICTORY」に合わせて、大会恒例となったウォーミングアップダンスが行われた。EXILE TETSUYAさんが監修した日本サッカー協会公認「クラッキ!ダンス」を参加選手全員で踊り、大会が幕を開けた。

 予選リーグは4チームずつ13ブロックに分かれて、7分ハーフの試合が行われた。各ブロックの1位チームと、2位チームの成績上位3チーム、計16チームが決勝トーナメントに進出する。交代は自由で、熱中症対策として各コートに冷たいドリンクやピッチ脇にテントが用意された。

 大会には様々な特色を持つチームが参加した。普段は8人制サッカーというチームが大半を占めるなか、フットサルチームとして参加したのが奈良県のペティロッソ香芝だ。初戦は相手の激しいプレーの前に敗れたが、その後は「フットサルの組織力で相手を上回れて、チームワークで対抗できた」(西川真二コーチ)と勝利をつかんだ。得点を挙げた瀬戸美里さんは「フットサルはボールにたくさん触れるのが楽しい。今日は積極的にシュートを狙って、ゴールも決められました」と話してくれた。

 大会で唯一、Jリーグの下部組織として参加していた奈良クラブジュニアは、トップチームやアカデミーにスペイン人指導者を招聘してスタイルを構築しており、ジュニアチームもパスをつないで戦うサッカーを掲げている。町田地寛コーチは「普段の8人制よりもフットサルのコートは小さい。その中で、いかにボールと相手を動かすのか」と難しさを説明していた。フットサルは大会直前に練習をした、いわば即席チーム。決勝トーナメント進出はならなかったが「縦や横にどう動かしていくかを意識していくことは、8人制サッカーに戻っても生きると思います」(町田コーチ)と収穫があった様子だ。チームの中村海璃君も「試合を重ねるごとにパスがつながっていった。コミュニケーションの大切さもわかりました」と手応えを口にした。

 人数の少ないクラブが合同チームとして参加したケースもある。大阪府枚方市で活動するリオクロスは多くの子供たちが技や心を磨いているクラブだが、今年の6年生は3人しかおらず、普段は同クラブの中学1年生チームに入って活動することが多い。今回は隣接する高槻市のKSSに加わり、合同チームという形で参加した。リオクロスの小嶋舞陽音君は「初めて一緒にプレーする選手ばかりでプレーを合わせるのが難しかったけれど、どんな選手とやってもサッカーはやっぱり楽しい」、KSSの蛯澤遥士君も「連係できた試合では勝てた。楽しかったので、また一緒にやりたいです!」と話していた。

 男子だけや男女混合チームが多いなか、女子だけのチームもあった。和歌山県で活動するITO FC アザレアは久しぶりにEXILE CUPへ参加。結果は3戦全敗となったが、男子たちにも臆せず立ち向かう姿が印象的だった。松本はなさんは「フットサルはルールが難しかったけれど、新鮮だった。全部負けたけど、最後は1失点に抑えて、攻撃もうまくいってシュートもたくさん打てました」と楽しそうに感想を述べてくれた。

 カナリアガールズも女子だけで戦ったチームだ。普段は奈良市の明治FCというチームで男女一緒に活動しているが、EXIE CUPには男女それぞれがチームを作って参戦。女子が“カナリアガールズ”、男子は“ブラジルの男たち”というチーム名で、ブラジル代表を連想させるカナリアカラーのユニフォームを身にまとってプレーした。「うちは『楽しくサッカーをしよう』が合言葉。それが子供たちを伸ばす道なんです」と磯貝直哉コーチがクラブコンセプトを説明したとおり、試合でも選手やスタッフから前向きな言葉やプレーを褒める声がよく聞こえていた。結果は3戦全敗だったが、細田愛璃さんは「相手は強かったけれど、楽しかったです。他のチームとも交流できて、絆も芽生えました」と笑顔で話した。

昼休みを挟んで行われた決勝トーナメントは負けたら敗退の一発勝負。準々決勝ではディアブロッサ高田FC U-12 Aとディアブロッサ高田FC U-12 Bによる同チーム対決が組まれた。近藤礼都コーチが「一緒に練習しているので、お互いのことはわかっている。どれだけ本番で実力を出せるのか。Bチームの子はAチームを倒して番狂わせを起こしたい、という気持ちがあると思う」と見守るなか、勝ったのはAチーム。Bチームの萱澤斗治くんは「(Aチームは)強かった」と涙を流して悔しがっていた。

 準決勝では前回の決勝大会を制したセンアーノ神戸ジュニアと、2015年・2016年の決勝大会チャンピオンのEDCが激突した。実力チーム同士のハイレベルな試合は、EDCが前半に右サイドから攻撃を仕掛けて2点リードを奪うが、センアーノ神戸も後半に追いついて試合終盤へ。後半のラストプレーでEDCの垂水陽くんが強烈なシュートを叩き込み、3-2で決勝進出を決めた。

 決勝戦はEDCと、こちらもEXILE CUP全国大会で2013年に優勝しているFC Victoria 伊丹有岡の対戦となった。序盤からEDCが攻撃を仕掛け、前半だけで朝尾桜介くんが3ゴールを決めると、後半にも追加点を挙げ、EDCが4-0で勝利。2016年以来、4大会ぶりの関西大会優勝となった。決勝戦でハットトリックを達成した朝尾君は「予選リーグは連係が合いにくかったけれど、みんなで話しながら良くなっていきました」とチームワークの向上が優勝につながったと話した。内田哲平コーチは「選手たちが自分たちの良さを出してくれました」と大会を振り返った。

 優勝したEDCは9月17日に愛媛県今治市で行われるEXILE CUP 決勝大会に挑む。垂水君は「パスもドリブルもあるサッカーで全国優勝を狙います!」と決勝大会での活躍を誓った。直近の5大会は関西代表チームが決勝大会でも優勝を飾っており、EDCが関西勢6連覇という快挙を成し遂げられるかどうかにも注目が集まる。

文=雨堤 俊祐 写真=座間 雄貴

By サッカーキング編集部

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