完封勝利を収めた立川 [写真]=F.LEAGUE
10月29日、30日の2日間、Ｆリーグ ディビジョン１ 第10節の6試合が行われた。
今季3勝目を狙うボアルース長野は、立川アスレティックFCをホームに迎えた。序盤は拮抗した展開がつづくが、13分には中村充のキックインに合わせた上村充哉のゴールで立川が先制。18分には南雲颯太のロングパスを中村が胸でトラップすると、浮き球をダイレクトでゴールに叩き込み、2－0で第1ピリオドを終えた。2点ビハインドの長野は第2ピリオドでも守備から攻撃を組み立てる。しかし、得点を奪えないまま30分にも失点。3点を追う状況の長野は早い段階からパワープレーを仕掛ける。しかし、35分には中村のゴールと同様の形で、自陣の酒井遼太郎からのロングパスを受けた新井裕生がシュートを叩き込む。さらに終了間際には皆本晃のパワープレー返しが決まり、立川がダメ押しの5点目を挙げた。その後もパワープレーをつづけた長野だったが無得点で終わり、0－5で完敗した。
立川は前節でペスカドーラ町田に4－1で勝利し、これで中断後2連勝。AFCフットサルアジアカップに3選手を送り出していたが、前節の4得点は中断期間中にチームを残った皆本、新井、湯浅拓斗の3選手の得点だった。今節でも中村や酒井など、日本代表選手以外の選手もゴールを挙げている。GKもAFCフットサルアジアカップのベストGKに選ばれた黒本ギレルメから交代出場の西滉太と2選手が無失点に貢献し、チーム力の底上げを印象づけた。
100試合出場達成した長野の米村尚也 [写真]=F.LEAGUE
AFCフットサルアジアカップの影響により再開が1週遅れた名古屋オーシャンズは、アウェイでペスカドーラ町田と対戦。開始わずか8秒で試合が動いた。高い位置でプレスをかける町田の山中翔斗が、八木聖人が前線に送ろうとしたボールに左足を出すと、これがゴールに吸い込まれ町田が先制に成功した。出鼻をくじかれた名古屋だったが、2分には左サイドからダルランが放ったシュートがはじかれたところに八木が詰め、試合を振り出しに戻す。八木はこのゴールで自身のミスからの失点を取り返した。その後は両者一歩も譲らぬ攻防が続き、1－1で第1ピリオドを折り返す。
第2ピリオドでは25分にゴール前で日根野谷建がブロックに入る。これがペナルティエリア内でのハンドの判定を受け、名古屋がPKを獲得。オリベイラ・アルトゥールが危なげなくシュートを沈め、名古屋が逆転に成功した。町田は前節途中出場でＦリーグデビューを果たしたGKジオヴァンニが好セーブを見せ、36分には名古屋の6つ目のファウルで第2PKを獲得するが、これはクレパウジ・ヴィニシウスが枠を捉えられなかった。残り4分を切り野村啓介をGKに置いたパワープレーを仕掛けた町田だったが、名古屋の守備を崩すことができず1－2で試合終了。名古屋は開幕9連勝を遂げた。
この試合では両チーム合わせて6度の警告が出され、両ベンチからも選手がけがをしないような基準での判定を求める声が上がった。試合後に囲み取材に応じた町田の甲斐修侍監督は「監督や選手も審判員の方々も人間なので、当然ミスをすることはあります。ですが、この試合に限った話ではなく、これまでもシーズン前に説明を受けたスタンダードと基準が異なるのではないかと感じることがありました。判定の基準が試合によって異なると、選手たちもどんどんヒートアップをして激しいプレーが増え、けがにつながったり、小競り合いなどプレー以外の部分で警告や退場の処分を受けたりと、見ている方にフットサルの魅力を伝えられない試合になってしまう可能性があります。批判をしたいわけではないので、判定に疑問を持った際にはクラブを通して意見書を出すなど然るべき対応を取っています。ですが、誰かが声を上げなくては変わっていかないこともあるので、あえてこの場で触れさせていただきました」と問題提起を発した。競争が激化するリーグ後半戦については「双方が納得をできるよう、もう少しコミュニケーションを取ることができれば」と心境を語った。
バルドラール浦安は、ボルクバレット北九州との対戦で苦しみながらも接戦を制し2位をキープ。昨シーズンを11位で終えたエスポラーダ北海道は、シュライカー大阪を4－3で下し8シーズンぶりの4連勝をマークした。順位も5位まで上がり、プレーオフ出場に向けた中位争いの台風の目となっている。3シーズンぶりに開催予定のプレーオフは、リーグ戦上位3チームが出場権を得る。勝点18で3位の湘南ベルマーレから勝点11で9位の大阪まで7差で7チームがひしめき合っており、例年以上にプレーオフ出場に向けた争いが激化しそうだ。
▼第10節 結果
ボアルース長野 0－5 立川アスレティックFC
バルドラール浦安 4－3 ボルクバレット北九州
ペスカドーラ町田 1－2 名古屋オーシャンズ
エスポラーダ北海道 4－3 シュライカー大阪
フウガドールすみだ 2－1 Y.S.C.C.横浜
湘南ベルマーレ 7－1 バサジィ大分
By サッカーキング編集部
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