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今季2勝目が遠い北九州、指揮官「焦りを感じる」/F1リーグ 第6節

2021.07.15

敗戦の後、ピッチ上で試合を振り返る北九州の監督と選手 ©F.LEAGUE

 7月10日、11日の2日間、Fリーグ ディビジョン1の第6節が行われた。東京オリンピック・パラリンピックと、9月に開幕予定のFIFAフットサルワールドカップを控え、長い中断期間が目前に迫るF1リーグでは、各地で熱戦が繰り広げられた。

 町田市立総合体育館では、ペスカドーラ町田とバルドラール浦安がホーム&アウェイ共同開催を行った。

 1試合目ではペスカドーラ町田とボルクバレット北九州が対戦。両者とも積極的に先制点を狙うと、2分にはFP伊藤圭汰のアシストからFP本石猛裕がシュートを突き刺し町田が先制に成功した。早い段階で失点を喫した北九州だったが、3分には町田自陣のキックインにFPクシヤマ・イザケ、FP清水誠也がプレスをかける。これを回避しようと大きく前にボールを送った町田だったが、ハーフウェイライン付近でボールを拾ったFP田村龍太郎のロングパスをFP清水が受け、相手GKをかわして同点ゴールを決めた。その後も両者譲らぬ攻防が続き、それぞれ1点を追加し2-2で第1ピリオドを折り返す。第2ピリオドでは、26分にFP毛利元亮が勝ち越しゴールを挙げ、町田リードの時間が長く続く。終盤に差し掛かった36分には同点に追いつかれるが、中断前最後のホームゲームを勝ち切りたい町田は37分にFP中村充が得点を挙げこの試合4度目のリードを奪う。FP樋口をGKに置いた北九州のパワープレーを集中した守備でしのいだ町田は接戦を制し、4-3で勝利。次節に向け弾みをつける結果となった。

 敗れた北九州の馬場源徳監督は、「立ち上がりと終盤をしっかりとマネジメントできる力がないと、このリーグで結果を出すことは難しいと思っています。チームとしての成長は見えますが、ポイントを押さえきれていないことに焦りを感じています」と試合を振り返った。北九州は中断前最後の試合で立川・府中アスレティックFCと対戦する。相手も今シーズンは思うように勝点を重ねられていないため、両者が勝利を目指し激しい一戦になることが予想される。馬場監督は「これまでのように相手を追い詰め自分たちが優位に攻めるフットサルをし、彼らの時間帯に失点をしないというシンプルな試合になると思います。ゴール前の6メートル(でのプレー)の差がまだ大きいので、そういったところを突き詰める一戦にしたいと思います」と意気込みを語った。2014-2015シーズンまで立川・府中(当時は府中アスレティックFC)に所属していた田村研人は「相手は3-1のシステムを使ってくると思います。そこに森岡薫というタレントが加わり徐々にフィットしてきていますが、相手のピヴォをしっかりと抑え、自分たちのピヴォを使った攻撃ができれば優勢になるのではないかと思います」と古巣との対戦に闘志を見せた。

 2試合目のバルドラール浦安とシュライカー大阪の対戦も、どちらも譲らぬ攻防を見せた。前日の試合で首位の名古屋オーシャンズが今季初黒星を喫しており、勝点3差で2位につける大阪にとっては首位タイに浮上する可能性がある重要な一戦。その試合で大阪は、開始わずか23秒で先制点を挙げ幸先のいいスタートを切る。しかし、ここまで一勝に留まっている浦安もこの試合ではこれまで以上にゴールに向かう姿勢を見せ、およそ1分後にはFPディドゥダのFKに合わせたFP加藤竜馬の得点で試合を振り出しに戻した。浦安はさらに9分、16分とセットプレーから得点を重ねリードを広げたが、第1ピリオド終了間際には大阪のFP磯村直樹に今季初ゴールを許し、3-2で第1ピリオドを折り返した。第2ピリオドでは拮抗した展開がつづき次の1点が生まれない中、7分を残して浦安は5つ目のファウルをおかす。浦安はさらなるファウルのリスクを避けるために、劣勢のチームが仕掛けることの多いパワープレーを1点リードの状態で選択した。しかし、このパワープレーに対し大阪も激しくプレスを掛けて得点を狙う。すると37分、先制点を挙げたFP加藤未渚実が、徹底的なマンマークを続ける浦安のFP三笠貴史を右から抜き去り、利き足とは逆の右足で強烈なシュートを叩き込み同点に持ち込んだ。その後もパワープレーを続ける浦安に対し、大阪も集中した守備を見せ3-3で試合が終了。両監督の駆け引きが見られた一戦は、決着がつかず勝点1を分ける結果となった。

 今季2勝目を取り逃した浦安の小宮山友祐監督は、「勝ちにいきましたが、勝てた試合を引き分けたという印象です。悔しいですが、負けたわけではないので引き分けだったことをポジティブに捉え、次の試合に進んでいきたいと思います」と試合を振り返った。1点をリードしながらも選択したパワープレーは、加藤未渚実の仕掛ける1対1と、3枚のピヴォを使った大阪の攻撃を見越した戦略だったという。自分たちにファウルが起こりやすいシチュエーションだったため、3-2のまま試合を終わらせるプランを描いた。しかし、これまでのパワープレーで見せたようなスムースなパス回しは見られなかった。その要因については「勝っている状態でのパワープレーは、選手たちにとっても難しかったのかもしれません。一番ゴールから遠い選手に対しては相手もマークをしてきませんでしたが、そこにボールを入れてロストすれば失点のリスクに繋がります。また、私も「3-2で終わらせる」という言い方をしてしまったので、選手たちも4点目を狙うよりそのまま試合を終わらせようとした結果だったのかもしれません」とコメントした。

 同点に追いついた大阪のキャプテン、田村友貴は首位タイに並ぶ可能性があった試合で引き分けたことについて「1試合1試合を全力で戦い積み重ねてきた結果、2位という順位にいられましたが、そういったことを意識してしまった結果、特に第1ピリオドではこれまでに比べ全力で戦う部分が少なかったように思います。そういった甘さが、セットプレーからの3失点に繋がってしまいました」と悔しさをにじませた。

 各試合の結果は以下のとおり。

▼Fリーグ2021-2022 ディビジョン1 第6節 結果
Y.S.C.C.横浜 3-2 名古屋オーシャンズ
湘南ベルマーレ 5-3 立川・府中アスレティックFC
エスポラーダ北海道 1-1 フウガドールすみだ
ペスカドーラ町田 4-3 ボルクバレット北九州
バルドラール浦安 3-3 シュライカー大阪
ボアルース長野 3-5 バサジィ大分

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