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久光重貴追悼試合 弟・邦明氏「兄はとても濃い人生を歩めた」と感謝を語る

2021.06.17

 6月12日、神奈川県・小田原アリーナでFリーグ2021-2022 ディビジョン1 第2節「湘南ベルマーレ対ボアルース長野」が行われた。

 この試合は、湘南ベルマーレに所属し、昨年12月19日に逝去した故・久光重貴選手の追悼を兼ねた試合となった。本来、今年1月のリーグ戦で実施が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となり、シーズンをまたいで行われた形だ。

 当日の会場にはメモリアルコーナーが設置され、これまでに所属したサッカーチーム、フットサルチームのユニフォームや各所から寄せられたメッセージ、折り鶴や故人の写真が飾られた。また、キックオフ前には帝京高校サッカー部時代のチームメートでお笑い芸人のディエゴ・加藤・マラドーナ氏が追悼コメントを送った。湘南の選手は故人の背番号「5」をつけたユニフォームを着用して入場し、対戦相手の長野選手たちは故人の闘病中に支援を目的に作成された応援Tシャツを手に持ち集合写真の撮影に臨んだ。

 試合は15分に湘南の高溝黎磨が先制点を挙げると、そのわずか40秒後には靏谷春人がFリーグ初ゴールを挙げ、リードを広げる。第2ピリオドにも高溝が追加点を挙げ、長野に1点を返されるも3-1で湘南が勝利した。

 試合後には、自身も2016年までフットサル選手としてプレーをした故人の実弟である久光邦明氏がピッチに立った。手には小児がんの闘病経験を持つ子どもから手渡された手書きのメッセージボードが掲げられていた。

「兄が生きてこのピッチに立ち続けたいという気持ちを持っていられたのは、皆さんからの『負けないでください』『待っています』という前向きな言葉や寄せ書き、千羽鶴のおかげでした。兄がどれだけ勇気づけられたか。私たち家族だけでは支えきれない中、皆さんが後押ししてくれたことを本当に感謝しています。私は兄からまっすぐな気持ち、諦めない気持ちを行動に移すことで、たくさんの人の心を動かせると学びました。皆さんにも心に残る兄の言葉があると思います。つらい時や苦しい時は、兄の言葉を、笑顔を、思い出していただければきっと前向きになれると思います。39年という人生でしたが、兄はとても濃い人生を歩めたと思います。7年半の闘病生活、湘南ベルマーレの選手として13年間、支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました」とメッセージを送ると、会場から大きな拍手が起こった。

 対戦相手の長野を率いる横澤直樹監督は、2018-2019シーズンまで監督、プレーヤーとして湘南に在籍し、故人とも長年の親交があった。試合後の記者会見でそのことに触れ、「こういった追悼の場に参加できたことをうれしく思います。まだ夢にも出てくるほど、彼がこの世にいない悲しみを感じています。彼はよく、『フットサルに人生を懸けている』と話していました。昔は仕事が終わってトレーニングをして、その後、夜中までフットサルの話をするような環境だったことを考えると、今こうしてFリーグが盛り上がり多くの方が会場に来てくださることは本当に喜ばしく、久光も喜んでいると思います。この場で湘南と戦うことができ、大切な1日になりました」とコメントを残した。

By サッカーキング編集部

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