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フットサル日本代表候補を撃破 浦安の小宮山監督がもたらした変化

浦安の小宮山監督 ©futsalgraphic

 9月16日、千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドで、フットサル日本代表候補とFリーグ ディビジョン1所属・バルドラール浦安とのトレーニングマッチが行われた。

 浦安は、昨季のF1リーグ全33試合で10勝3分20敗。8位でシーズンを終えた。一昨年の順位は10位と、ここ数年の成績からは決して強豪とは言えないが、その浦安が日本代表候補チームに先制されながらも逆転し、一時は2点をリードして4-3で勝利を収めた。

「浦安が変わった」という声が、各所から聞こえてくる。9月5日に行われた2020-2021シーズンのF1リーグ開幕節で浦安と対戦し、0-1で敗戦した立川・府中アスレティックFCの山田マルコス勇慈監督は、試合後のオンライン記者会見で「小宮山友祐監督に『初勝利おめでとうございます』と言いたい。今の浦安から、彼のプレーの表現が伝わってきました。浦安はファイターで、戦いづらかった」と感想を述べた。浦安に変化をもたらしている大きな要因は、山田監督も名前を挙げた小宮山友祐新監督にあるだろう。フットサル選手としては、2007年のFリーグ開幕から浦安一筋。2016-2017シーズンで引退した後は、同チームのディレクターやコーチを務めた。選手個々のポテンシャルでは劣る浦安が、トレーニングマッチとはいえ格上の日本代表候補を下したその勝因を、小宮山監督に聞いた。

―――試合を総括して、感想を教えてください。

「自分たちにできることは、限られています。前からプレスを掛けて、どこまでやれるのか。選手たちには『相手がフットサル日本代表だからといって、臆する必要はない。まずは自分たちが6月から取り組んできたディフェンスの部分、そこだけを出そう。ディフェンスで手応えを感じられれば、他の部分にも自信を持つことができて、この試合を自分たちの物にできるはずだ』ということを一番に伝えました。それを選手たちが40分間続けてくれたことが、勝利につながったのだと思います。相手の方がボールを保持する時間が長く、シュート本数も多いはずですが、フットサルで一番大切なことは勝利することです。相手より多く点を取り、自分たちのディフェンスは崩れない、ということを象徴していたのが、大島旺洋が決めた浦安の1点目だと思います。底辺の位置であってもボールに対して強くいき、ディフェンスで足を出したときにボールが当たってゴールに入りました。相手にとってはアンラッキーだったかもしれませんが、私はそれを狙っています。あのようなところで食いついて、足を出して、綺麗な形ではなくてもゴールを奪う。そのようなプレーを40分間続けることを、今季の浦安は目指しています。それを実践してくれた選手たちを、心からリスペクトしています」

―――ディフェンスの部分で伝えてきたことを、もう少し具体的に教えてください。

「しっかりボールに寄せること。簡単に1対1に持ち込まれないこと。あとはボールに対して相手より先にアクションを起こすことを、プレシーズンの6月からずっと伝えてきています。それができれば、相手がどこであろうとも、簡単に突破することはできないはずだ、と。浦安には室田祐希選手(ペスカドーラ町田)や加藤未渚実選手(シュライカー大阪)のような、ドリブルで2人、3人と剥がせる選手はいません。では、チームとして40分間、何をするのか。ハードワークをして、全員がまずはディフェンスだけでも強度を出すことができれば、日本代表や名古屋オーシャンズのようなレベルの高い相手でも五分に戦えるんだ、ということを伝えてきました。私がこの試合で浦安の選手たちに求めたことは、私自身がフットサル日本代表選手だった時に相手にやられて嫌だったことをする、ということです。ハードにディフェンスをし、ワンプレー、ワンプレーに気持ちを出すこと。ガッツポーズをすること。相手より早く、攻守を切り替えること。こういったことは全て、私がクラブチームとのトレーニングマッチでされて嫌だったことです。ポゼッションでは負けてしまうし、浦安の司令塔である石田健太郎は、今回のキャンプに招集されている。そのような状況で、死に物狂いで戦うという姿勢を選手には求めました」

―――対戦相手のフットサル日本代表候補については、どのように感じましたか?

「相手が悪かったとは、まったく思っていません。私がフットサル日本代表選手だったころに、逆の立場に立ったことは何度もあります。名古屋オーシャンズとのトレーニングマッチでけちょんけちょんにされたこともありますし、シュライカー大阪に負けたこともあります。今回のトレーニングマッチの難しさも、代表側には必ずあったはずです。負けたり、いい勝ち方ができなかったりした時に、批判を受けるのが日本代表です。そういったことも全て含めて、ブルーノ・ガルシア監督がマッチメイクをしてくれたこと。それに対して許可を出し、バックアップをしてくれた日本サッカー協会の皆さんの勇気のある決断は、素晴らしいものだと思います。私たちは、たとえ敗戦しても失うものはなかったので、こういった試合を経験させてもらえただけで感謝をしています」

―――脅威に感じたところや、見習いたい部分はありましたか?

「やはり個の技術は高いと感じました。右利きも左利きもタレントが揃っていて、右サイドでも左サイトでもプレーができ、シュートも打て、レベルの高いピヴォもいる。バランスよく選手が整っていて、どのようなフットサルでもできるチームだと思います。ピヴォを使った攻撃でも、スピードがあり、簡単にボールを取られない。やはりプレーに迫力がありました」

―――最後に12月にFIFAフットサルW杯予選を兼ねたAFCフットサル選手権に臨むフットサル日本代表にエールをお願いします。

「今回、JFA夢フィールドに初めて行かせていただきました。あのような素晴らしい環境で合宿ができるということは、当たり前ではありません。日の丸をつけてプレーができる期間というのも、長くはありません。誰もが選ばれるチャンスのある場だからこそ、「安定」という言葉はふさわしくなく、その時に一番パフォーマンスのいい選手が、選ばれる場所です。あのグループにはフットサル日本代表のすべてを知る木暮賢一郎コーチがいるので、私が言わずとも、きっとそういったことは彼から伝えられていると思いますが・・・。私もリーグ戦で戦っているので、選手一人一人の力は知っています。その力のすべてを出せる場が代表であって、出せない場もまた、代表という場所です。自分の力を出せない時ほど、チームにどう貢献できるのか。所属チームで結果を出し、選出されたフットサル日本代表という場で、所属チームでできていることを一人一人が表現してくれたら、より強い代表チームになると思います。フットサル日本代表の真髄を知る木暮コーチがいて、ブルーノ・ガルシア監督という素晴らしい監督がいるのだから、選手がそれに引っ張られて、アジアのナンバーワンではなく、世界のベスト4に入ってほしい。私がいた頃のフットサル日本代表は、ベスト16までしか上がれなかったので、今のフットサル日本代表に期待をしています」

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