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石川県代表のエスペリオFCがEXILE CUP 2016北信越大会を制覇

2016.08.08

 7月23日、小学4年生から6年生を対象とするフットサル大会「EXILE CUP 2016」の北信越大会が開催された。会場は石川県小松市こまつドーム。石川県での開催は昨年に続き2回目。北信越代表として全国大会に出場できるのは1チームのみ。その切符をかけて石川、富山、新潟、福井、長野から全36チームが集結した。

 2010年からスタートし、7回目の開催となるEXILE CUP 2016。今年はエントリー数、出場数ともに過去最多となり、参加者は4000名を超える予定で、大会史上最大規模での開催となる。

 開会式にはEXILEのÜSAさん、DEEPのRYOさんが登場。ÜSAさんは「今日はみなさんが夢に向かって頑張っている姿を応援に来ました。これまでの練習の成果を出しきって、楽しんで頑張ってください」と子どもたちにエールを送った。また和田愼司小松市長は「全国で最初の地区大会になります。みなさんの素晴らしいチームプレーを期待しています」と選手を激励した。

 試合へ向けてEXILE CUP恒例の「EXダンス体操」でウォーミングアップ。「Choo Choo TRAINがうまいチームは、サッカーもうまい」と話したÜSAさんは、選手団の前に立ちEXダンス体操の手本となり、キレのあるダンスを披露。これには子どもたちに限らず、指導者や2階席の保護者たちも熱い視線を送っていた。

 大会は4チームずつ、AからIの9つのブロックに分かれての予選リーグからスタート。さっそく、会場に準備された6つのコートで熱戦が繰り広げられた。予選から緊張感あふれるこう着した試合も見られる中、圧倒的な力を示したチームも見られた。新潟県の日本海FCエアレックスは9-0、12-0、7-0の3勝0敗で1位通過。破壊力ある攻撃と相手に反撃の機会を与えない守備が光った。CブロックのTFC.AGORAは、特徴的なサッカーで3勝を挙げ1位通過。個人での仕掛け、とりわけフェイントを多用し、積極的に相手選手を抜きに行った。自らボールを浮かせてボレーシュートを放つことも珍しくなく、”魅せるフットサル”は他チームの選手の視線までも惹きつけた。

 前年準優勝のReiz長岡FCはDブロックを危なげなく1位通過。3戦無失点と守りも堅かった。Iブロックでは、バーモントカップの全国大会に石川県代表として出場を決めているエスペリオFCが10-0、10-0、8-0と安定した戦いで決勝トーナメントに進出。予選が進むにつれて会場には熱気がこもり、気温も上昇。タフな大会となったが、どのチームも最後まで諦めずに声を掛け合い、仲間とともにゴールを目指した。予選のみで大会を去る結果になったチームが、輪になってミーティングを行う姿も見られた。悔しさは次への糧となるはずだ。

 大会は各グループ1位の9チームと、2位のうち成績上位7チームで争う決勝トーナメントへ進んだ。組み合わせ抽選会で対戦相手が決まり、試合はここからさらに熱を帯びてゆく。

 今大会には延長戦がなく、前後半を終えて決着がつかない場合はPK戦で勝敗が決まる。決勝トーナメント1回戦。本庄・新郷SSS-A対丸岡RUCKガールズの試合は、1-1のまま後半が終了し、PK戦へ突入。最後は丸岡RUCKガールズのGKが落ち着いてPKを決め、準々決勝に駒を進めた。チーム名の通り全員女子の丸岡RUCKガールズだが、好守において男子相手に一歩も引かない試合を演じた。

 TFC.AGORAは予選リーグと同様、ドリブルで運んで仕掛けていった。しかし、相手が激しい寄せで間合いを詰めてくるようになると、足技が封じられ攻撃が停滞。準決勝でReiz長岡FCに2-4の悔しい敗戦を喫した。ただ、劣勢の中でもボールを受けたら前を向き、数的不利でも敵陣に切り込む姿勢は健在だった。

 抜群の攻撃力が目立った日本海FCエアレックスは準々決勝でサンライズAと打ち合ったが、3-6で敗れた。前線の躍動感がチームに勢いを生んでいた。決勝トーナメントは大差がつく試合はほとんどなく、拮抗した好ゲームの連続。

 そして迎えた決勝戦。新潟県のReiz長岡FCと石川県のエスペリオFCが全国大会への切符をかけて激突。勝利を切望する両者の思いから、決勝はかなり引き締まった試合に。互いにボールを奪うと素早く前方へと飛び出し、逆にボールを失えばすぐに切り替えて自陣のスペースを埋めた。4分、エスペリオFCに決定機が訪れるも、決めることができない。6分にはReiz長岡FCもミドルシュートで反撃。しかし、これはGKに阻まれた。

 後半は立ち上がりからReiz長岡FCが押し込み、試合の主導権を握った。2分、立て続けに2本シュート放ちゴールを脅かすと、得点の予感が高まり、その後も攻め込んだReiz長岡FCだが、5分と6分のシュートはポストに嫌われた。すると、その直後に試合は動く。劣勢の中、粘り強く守っていたエスペリオFCがボールを奪い前線へパスを送ると、最後は6年生の内藤悠生君がゴールネットに突き刺した。残り1分のところで先制したエスペリオFCは、そのままリードを守り切り、見事優勝を果たした。相手に生じたごくわずかな隙を見逃さず、全国大会への切符を手にした。

 決勝ゴールを決めた内藤君は「ゴールシーンはよく覚えていないけど、体が勝手に動いた。最後に点を取りたかった」と、試合後に照れながらも思いを語った。エスペリオFCを率いた竹内陽一監督は「試合を重ねるごとに少しずつ自分たちのリズムで試合ができるようになり、声も出るようになりました。決勝戦は厳しい戦いでしたが、先制点を入れて1点を守り切り、自分たちの形でフットサルができました」と大会を振り返る。「せっかくいただいたチャンス。全国大会でも1勝を重ねて、一つずつ上に行けるように頑張ってほしいです」。竹内監督は充実した表情で子どもたちへ期待を寄せた。

「高い位置でボールを奪って、手数をかけずにシュートまでいくこと」(竹内監督)を信条に、優勝をつかみとったエスペリオFC。決勝大会でも積極的なプレーを見せてくれるだろう。

取材=野中拓也 写真=江崎浩司

By サッカーキング編集部

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