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【ACLグループF展望|蔚山現代FC】守備的スタイルからの脱却…大会2連覇に挑むアジア王者

2021.06.26

[写真]=Getty Images

グループ内では優位な立場だが、いくつかの不安材料も…

■試合日程(日本時間)
6月26日(土) 23:00 対 ベトテルFC
6月29日(火) 19:00 対 BGパトゥム・ユナイテッド
7月2日(金) 19:00 対 カヤFC
7月5日(月) 19:00 対 カヤFC
7月8日(木) 23:00 対 ベトテルFC
7月11日(日) 23:00 対 BGパトゥム・ユナイテッド

 大会2連覇に挑むアジア王者の船出は順調だ。チームを8年ぶり2度目のACL制覇に導いたキム・ドフン前監督が退任し、新たにホン・ミョンボ監督を迎えた今シーズン、Kリーグでは第19節終了時点で10勝7分2敗の単独首位を走る。

 昨季一度も勝てなかったリーグ4連覇中の王者・全北現代モータースにも、直近の対戦で4得点大勝を収めた。ショートパス主体の戦術を敷く新指揮官のもと、“鉄槌(チョルテ)サッカー”と呼ばれる守備的スタイルからの脱却を図っている。

 不安材料を挙げるならば、得点力のあるストライカーと主力を担う東京五輪世代の不在だ。昨季Kリーグ得点王(27試合26得点)のブラジル人FWジュニオール・ネグラン、ACLで5得点の長身ノルウェー人FWビヨルン・ヨハンセンが今冬に退団。代わりに身長192センチのドイツ人FWルーカス・ヒンテルゼーア、国内出身のFWキム・ジヒョンを獲得したが、ここまで前者は13試合3得点、後者は12試合1得点と沈黙。期待とは裏腹に、ネグランたちの穴を埋められずにいる状況だ。

 最多スコアラーは3月の“日韓戦”にも出場したFWイ・ドンジュン(6得点)だが、東京五輪を控えるU-24韓国代表の2次招集メンバー選出のためグループステージは不参加。中盤の軸を担う元アビスパ福岡MFウォン・ドゥジェとMFイ・ドンギョン、両サイドバックをこなせるDFソル・ヨンウも、同様の理由で帯同しない。主力を張る若手4選手の不在にはホン監督も「致命的」と嘆く。

 日本勢と同居しなかったグループステージは「恵まれた」という見方が強いが、自国開催で現地適応の問題がないタイリーグ王者BGパトゥム・ユナイテッドは警戒したい。加えて高温多湿な環境、中2日の過密日程では暑さと疲労も敵になる。

 とはいえ、戦力を見ればグループ内で優位な立場にあることは間違いない。ディフェンディングチャンピオンとして、まずは確実に決勝トーナメントへ駒を進めたいところだ。

【KEY PLAYER】MF 72 イ・チョンヨン

イ・チョンヨン

[写真]=Getty Images

 かつてボルトンやクリスタル・パレス、ボーフムなど欧州で長く活躍し、韓国代表でもW杯2大会に出場。昨年夏に11年ぶりの国内復帰を果たし、今季から新キャプテンに就任した。

 Kリーグでは大小の負傷もあってフル稼働とまではいかないが、ひとたび試合に出場すれば、創造性豊かなパスやドリブルでチャンスを演出する。ホン監督も「ACLにおけるキープレーヤーの1人」と期待を寄せるだけに、経験豊富なベテランの活躍が突破のカギを握る。

文=ピッチコミュニケーションズ

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