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蔚山現代のACL制覇は“シルバーコレクター”が残した置き土産

[写真]=Getty Images

 アジア制覇のビックタイトルが“シルバーコレクター”の置き土産になったということか。蔚山現代のキム・ドフン監督のことだ。

 周知のとおり、12月19日に行われたAFCチャンピオンズリーグ決勝戦で、蔚山現代はペルセポリス(イラン)を2−1で下し、2012年以来2度目のアジア王者に輝いた。VAR判定に救われたという意見も一部ではあるが、グループステージ初戦から決勝まで無敗を貫いてのタイトル獲得だった。

 その快挙に歓喜するのもつかの間、蔚山現代は決勝戦直後にキム・ドフン監督の退任を発表。クラブ公式サイトで「キム・ドフン監督との美しい別れ」と題し、4年間チームを率いたキム・ドフン監督との惜別を伝えた。

 現役時代はストライカーとしてヴィッセル神戸でも活躍し、“爆撃機”との愛称で親しまれたキム・ドフンが、蔚山現代の監督に就いたのは2017年のことだ。現役引退の翌年、2006年から指導者の道を歩み始め、2015年には仁川ユナイテッドで監督デビューするも2016年8月に成績不振を理由に解任。それからわずか半年後の2017年に蔚山現代の第10代監督に就任した。同年はKリーグで4位、ACLでグループステージ敗退と苦戦を強いられたが、国内カップ戦のFAカップでは蔚山現代を19年ぶりに決勝へと導き、クラブ史上初の優勝を達成した。

 しかし、それからというもの、キム・ドフンは“優勝”の2文字から遠ざかった。

 翌2018年はFAカップで準優勝、2019年はKリーグで2位。今年のKリーグでは、序盤から首位を走りながらも終盤の低調が響き、全北現代モータースに史上初の4連覇を許した。FAカップでも決勝戦で全北現代に敗れ、“シルバーコレクター”のレッテルを剥がすことができなかった。

 それでも、自身最後の采配となった今回のACLで、蔚山現代にKリーグ勢12度目の優勝をもたらした。ACL決勝前から今季限りの退任は決まっていたという報道もあるが、アジア制覇という有終の美を飾り、キム・ドフン監督にとってはほっと一安心といったところだろうか。

 蔚山現代は近いうちにキム・ドフンの後任を発表し、翌2021年に向けた準備を進めるという。アジア王者として参戦する2021年2月開催予定のFIFAクラブワールドカップは、新たな体制に生まれ変わった蔚山現代になる。

文=姜 亨起(ピッチコミュニケーションズ)

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