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フォルラン、注目のデビュー戦は低調…待たれるワールドクラスの本領発揮

後半途中からピッチに立ち、C大阪での公式戦デビューを果たしたフォルラン [写真]=新井賢一

 日本中のみならず、海外からも注目を集めているウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランが公式戦デビュー。待ち望んでいたセレッソ大阪サポーターからは新しい応援歌が響き渡り、選手交代を察知した浦項スティーラースのサポーターからブーイングが飛んだ。

 アジアの頂点を争うAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの初戦。敵・味方を問わず注目を集めた存在が62分、ついに公式戦のピッチに立った。

 柿谷曜一朗の見事なループシュートで前半に先制しながら、相手の猛攻に押し込まれて同点とされた直後、C大阪のランコ・ポポヴィッチ監督が動いた。

 C大阪を率いて初となる公式戦に挑んだ指揮官は、「チームは前半と後半で別の顔を見せた。試合の入り方や先制点を取るまでの流れは素晴らしかったし、しっかりとコントロールできていた。自分たちのサッカーをしっかり見せられた前半に対して、後半は落ち着いてプレーすることができなくなり、焦りから前へ急いでしまった」と戦況を振り返る。アウェーで難しい試合展開となったことを受け、「主導権を握れなかった時間帯」(ポポヴィッチ監督)で、経験豊富なベテランに状況打破を託した。

「チームを落ち着かせてほしい」と声を掛けて送り出したウルグアイ代表FWだが、動きにキレはなく、期待していたほどの活躍を見せることはできなかった。指揮官が試合前に「(フォルランは)まだ100パーセントの状態ではない」とコメントしていたように、合流から間もないだけでなく、宮崎キャンプで左太もも裏に違和感を覚えて練習試合を欠場した経緯もあり、コンディション不足は明白だった。

 明らかに運動量が少なく、初めてフォルランがボールに触ったのは、ピッチに立ってから約9分後。相手の激しいプレスとセカンドボールへの出足の良さもあって、思うようにパスがつながらない状況は変わっていなかった。フォルラン自身も「バックパスが多くなる時間帯もあって、なかなかボールが来なかった」とコメントしたが、パスを引き出すような動きができていなかったのも事実。「自分はチームを落ち着かせるために入ったけれど、コントロールすることができていなかったように思う」と反省の弁も述べた。

 タイスコアの状況で、試合を落ち着かせ、主導権と取り戻すためにストライカーを投入した監督の思惑は的中しなかった。フォルランが前線から積極的に追い回すシーンはゼロ。交代当初はトップ下に入っていたが、いつの間にか柿谷とポジションチェンジし、背番号8が最終ライン付近まで戻って守備に追われるシーンも目立った。唯一の見せ場となりかけたのは、87分に前を向いてドリブルで持ち上がった場面。だが、そこでも周囲と連携が噛み合わず、チャンスを生み出すことはできなかった。注目の大物助っ人はコンディションだけでなく、判断スピードや試合勘も発展途上の段階だ。

「(合流してから)まだ時間が短いこともあって、自分で自分のプレーを評価するのは難しい。(柿谷との連係も)もっとやっていかなければ噛み合わない。ただ、セレッソには若くて優秀な選手がそろっている。そんなに時間をかけなくても、しっかり噛み合ってくると思う」

 フィジカルコンディションを上げて、ともに戦う時間を重ねていけば、必ず結果を出せる――。穏やかな表情で胸中を語った大物ストライカーだが、本来のプレーを取り戻すまでに時間を要すことは間違いない。実績、実力ともにワールドクラスのプレーヤーだが、今の状態では期待どおりのプレーを見せることはできない。この試合から4日後にはJリーグも開幕する。ACLとリーグ戦の過密日程が彼のコンディションを上げることになるのか。そして彼が本領を発揮するのはいつになるのだろうか。

文=青山知雄(Jリーグサッカーキング編集長)

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