2018.03.26

【インタビュー】YASUDAスパイク復刻の真意を聞いてみた

サッカー総合情報サイト

 1932年に誕生したサッカースパイクメーカーのYASUDA(創業当時は(株)安田。その後社名変更して(株)クリックスヤスダ)が姿を消したのは、2002年の日韓共催のワールドカップ直前のことだった。

 あれから16年。ひとりの元サッカー少年、現在42歳の佐藤和博氏がプロジェクトオーナーとなり、「クラウドファンディング」を利用してYASUDAのサッカースパイクを復刻させようと、2018年3月7日、仲間2人とともにプロジェクトを始動させた。

 なぜ、佐藤氏はYASUDAのサッカースパイクを復刻させようと思ったのか。そして復刻にあたり、「クラウドファンディング」を利用しようと考えたのか。実際に会って聞いてみた。

■再動するYASUDA。終わらないYASUDA。

―――YASUDAのスパイクを復刻させようと考えた佐藤さんについてまずは教えて下さい。

佐藤和博 私は小学校4年生からサッカーを始め、今でも週末にはサッカーとフットサルをやっているサッカーが大好きな42歳です。同時に子供のサッカーチームのコーチ、審判もやっているので週末は本当にサッカー漬けです。
ちなみに私は元YASUDAの社員、関係者ではなく、YASUDAの熱狂的ファンのひとりに過ぎません。

―――熱狂的なYASUDAファン、ということは佐藤さんもYASUDAのスパイクを履いていたのですか?

佐藤和博 はい、私もYASUDAを履いていました。私がYASUDAのスパイクを初めて履いたのは中学2年生の時でした。足の幅が広い私は、それまでサイズがしっくりきていないスパイクを履き、いつも足が痛い状態でボールを蹴っていました。そんな悩みを抱えている時、サッカーショップのお兄さんから「カンガルーレザーで伸縮性があって、足の幅が広い人にぴったりなスパイクがあるよ。足に合ったスパイクを履かないと楽しんで上手くなれないぞ!」と、勧めていただいたのがYASUDAのスパイクでした。

―――過去に消滅したブランドが復活する事例は世界中にあると思いますが、なぜYASUDAだったのでしょうか?

佐藤和博 YASUDAには特別な想いがあります。中学2年生の時にYASUDAを履いてからというもの、足の痛みも無くなり、自分の足に本当に馴染んだスパイクを履いたことで、本当に楽しみながらプレーをすることができました。すると不思議な事に、それまで補欠だった私に練習の時からサッカー部の顧問から声を掛けてもらえるようになり、レギュラーとして試合に出ることができるようになったのです。出場時間は後半からの短い時間ではありましたが、監督に「佐藤、後半から行くぞ!」と呼ばれたあの瞬間の嬉しかった記憶が今でも残っています。

昨年夏(2017年)、YASUDAが倒産していたことを初めて知りました。このインタビューを読んでいただいているかたの中にも「YASUDAって倒産してたの? 知らなかった。」という方も多いのではないでしょうか。これまではスパイクを履く側でした。YASUDAに特別な想いがあった私は、今度はYASUDAのスパイクを提供する側になって、生粋の日本生まれのサッカースパイクを、日本だけではなく世界中に広げていきたいと思ったのです。何よりも、YASUDAを受け継ぎ、この15年間守り続けてきた元社員の齋藤さんとの出逢いで、この気持ちがより一層強くなりました。

―――なぜスパイクで、フットサルシューズではないのですか? フットサルシューズのほうが欲しい方も多いと思うのですが。

佐藤和博 元社員の齋藤さんから「YASUDAはサッカースパイクから始まった会社」ということを初めてお聞きし、あわせて貴重なYASUDAの社史を拝見させていただきました。そこには旧「安田」創業者の安田重春氏のYASUDA、サッカースパイクへの熱い想い、ものづくりに対する考えが示されていました。創業者の想い、齋藤さんの想いに私は共感しました。これまでに斎藤さんが何度もスパイクを復活させようとしていて、その望みを叶えることができずにいたことも何度となくお聞きしました。斎藤さんの夢は、YASUDAのスパイクを復活させることであると。

本気で今回YASUDAブランドを復刻させるには、やはりYASUDAの原点であるサッカースパイクからまずは復刻させる必要があると、私はそう確信したのです。フットサルシューズのご要望も多くいただいているのは事実です。フットサルシューズに関してはお待たせしてしまいますが、来年(2019年)取り組んで行きたいと考えています。

■YASUDAのスパイクを復刻させるには、クラウドファンディングであることが重要

―――なぜクラウドファンディングを利用しようと考えたのですか。「銀行からの融資」や「資金調達」など手段は色々とあったと思いますが。

佐藤和博 確かに復刻を目指すにあたっては様々な手段を考えました。周囲に相談をしたときにも、融資や資金調達が一番速く、ベストな選択であると勧めていただいたのも事実です。

しかし、とあるときにクラウドファンディングの「共感し、応援してくれる方々の支援によってプロジェクトが成り立つ」という特徴が、YASUDAにはぴったりなのではないかと思ったのです。
YASUDAは幾度にも渡って経営に失敗し、多くのファンに惜しまれつつも姿を消してしまいました。なぜ失敗してしまったかというと、その本質はYASUDAが最も大切にしてきた「シューズメーカーである」ことを逸脱して、無理な多角化に企業として挑戦してしまったからであると考えられるのです。

だからこそ、今度はファンが創り出す、ファンと一緒に創り出す「YASUDA」であるべきだと確信しました。それを実現する手段として、「クラウドファンディング」を選択したのです。

―――開始してからの反響はいかがですか?

佐藤和博 おかげさまで多くのご支援と応援の声をいただいています。
年代は40代、50代の方が中心で、サッカーを現役でやられている方もいらっしゃれば、懐かしい、履かないが記念に持っておきたい。何でも協力するので復刻してほしいといった嬉しいメッセージ付きでご支援(購入)いただいたり、中には子供にYASUDAのスパイクを履かせたいという方もいらっしゃいます。さらに我々が驚いたのは、国内外のプロサッカー選手の代理人の方やプロサッカーチーム、地域ではヨーロッパや中東など、遠く海外からもご支援、メッセージをいただいていることです。

―――実際、クラウドファンディングの目標金額、支援にはどのようなものがあるのですか。

佐藤和博 復刻に向けての目標金額は750万円です。4つのご支援していただけるコースを用意しました。
1.懐かしいYASUDAのステッカー:4,000円
2.サッカースパイク(ブラック)300足:24,800円
3.サッカースパイク(ゴールド)完売:49,800円(シリアルナンバーなしを10足追加予定)
4.男気コース:10万円~
49,800円(税込)のゴールデン・シリアルナンバータグ付きのサッカースパイクは、すでに限定10足の上限に達しています。YASUDAの復刻を多くのかたに待ち望んでいただいていることがひしひしと伝わってきて、本当に嬉しいですね。クラウドファンディングという手段を選択して、本当によかったと感じています。ゴールデン・スパイクについては、追加のご要望を多数いただいておりますので増産予定です。

あと約40日間(2018年5月5日まで)、クラウドファンディング実施中ですので、引き続きご支援の程、よろしくお願いいたします。
http://route-f.com/project/s/project_id/6

―――正直、ブラックのサッカースパイクは、24,800円(税込)と他メーカーのスパイクと比較すると高くないですか?

佐藤和博 価格が高いのでは? という声も聞いております。この理由は2つあります。
1.YASUDAが存在した16年前と違って原価(カンガルーレザー)が高騰している
2.一足一足ハンドメイドにこだわっている
今後、市販モデルの製造を実現できた暁には、国産でありながらもお求めやすい価格に調整することはできると思います。しかしながら今回の復刻版モデルについては、昔ながらのディテールにこだわることに意味があり、その分足数も増やせないためにコストが増えております。

―――どこに行けば、このYASUDAスパイクを見て、触ることができますか?

佐藤和博 手に取って触れていただける企画を検討中なのですが、場所の確保に苦戦しており、現在はまだご用意できておりません。来年からは店舗様にも取り扱っていただけるように努めていきたいと考えています。

■YASUDAを国内だけではなく、世界の人からも知ってもらいたい。サッカースパイクYASUDAを完全復活させる

―――最後にお聞きしたいのですが、サッカーメーカーの出身ではない佐藤さんは今後、YASUDAをどうされたいのですか?大きな野望みたいなものがあったら教えてください。

佐藤和博 国産のサッカーシューズメーカーとして、YASUDAを完全復刻、復活させたいと考えています。スパイクだけでなく、今回皆さんからの声も多かった、トレーニングシューズ、アップシューズ、フットサルシューズ、そしてタウンシューズなど、YASUDAの原点である「シューズ」にまずは特化して国内だけではなく、世界にYASUDAを再び広めていきたいと思います。事業会社を年内には立ち上げたいと考えており、そのロードマップはプロジェクトメンバー3人によって現在描いているところです。

―――他になにか伝えたいことはございますか?

佐藤和博 クラウドファンディングを実施している中で3点、強く感じていることがあります。
① YASUDAは他のブランドよりもコアなファンによって成り立つべきもの。
② 誰かひとりのものではなく、ファンによるファンのためのブランドであるべき。
③ ブランドの存在意義をYASUDAファンと一緒に確かめ合いながら、みんなの力で復活を遂げたい。

ご支援、応援してくださる皆様にも、YASUDAへの憧れ、懐かしさなど熱い想いを何年ぶり、何十年ぶりかに思い出してもらい、そのブランドが成長していく楽しさ、嬉しさを一緒に共有していきたいと思っています。直近の3年間には、東京オリンピック(2020年)、日本サッカー協会設立100周年(2021年)があります。まずここからの3年間、YASUDAの動きにぜひ注目して下さい。

YASUDAを懐かしいと想ってくださっている方。若い方でYASUDAを知らない方。様々だと思いますが、老若男女問わず「YASUDA」が再び皆様から愛される「日本のブランド」になるように育てていきたいと思っておりますので、ご支援、応援の程、よろしくお願い致します。

・YASUDAのサッカースパイク復刻プロジェクト/クラウドファンディング
http://route-f.com/sponsor_list/s/project_id/6
・YASUDAのサッカースパイク復刻プロジェクト/Facebook
https://www.facebook.com/Yasudafootball/
・YASUDAのサッカースパイク復刻プロジェクト/Twitter
https://twitter.com/yasudafootball
・YASUDAのサッカースパイク復刻プロジェクト/Instagram
https://www.instagram.com/yasuda_routef/

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