2017.06.15

ネイマール・ジュニア・ファイブ日本決勝開催、「KING GEAR FC」がブラジル行きの切符をつかむ

海外サッカー専門誌の編集を務めた後にフリーとなり、ライター、エディター、スペイン語の翻訳&通訳、フォトグラファーとマルチに活動を展開中。

 2017年6月11日、MIFAフットボールパークでNeymar Jr’s Five Japan Finalが行われた。

 Neymar Jr’s Fiveはネイマールが考案したストリートサッカー。試合はフットサルコートより一回り小さいコートで、GKなしの5人対5人で行われる。ゴールを決められると1人減らさなければならないという過酷なルールが採用され、10分間の試合時間内に相手選手を全員ピッチから追い出すか、10分間終了時点でピッチに多くの選手が残っているチームが勝ちとなる。

 午前中には、8チーム参加による敗者復活戦を実施。ペルーやブラジルなど南米出身の選手を擁するDIAMANTES FC YOKOHAMAが圧倒的な強さを見せつけてトーナメント勝ち抜き、Japan Final進出を決めた。

 その後、地区予選を勝ち抜いた5チームと、敗者復活戦を勝ち抜いたDIAMANTES FC YOKOHAMAの合計6チームによってグループステージを戦い、上位2チームが決勝戦を行うJapan Finalが実施された。

 Japan Finalには元Jリーグ選手の宇留野純や加部未蘭、元ボリビアリーガー菊池康平らを擁するKING GEAR FC、Fリーグ、名古屋オーシャンズのサテライトチームであるFC稲永寮Aなど、多彩なチームが参加。その中で実力を発揮したのがKING GEAR FCだ。最初の試合で札幌大会王者の東海を5-0で圧倒すると、その後も2試合続けて相手をノックアウトし、他のチームをリードする。

 FC稲永寮Aも2試合連続ノックアウトと好スタートを切り、優勝争いの対抗馬になるかと思われたが、敗者復活戦を勝ち抜いたDIAMANTES FC YOKOHAMAがFC稲永寮A に4-3と競り勝ち、一躍、優勝候補の一角に躍り出る。KING GEAR FCとの上位対決では、元プロの意地と南米の情熱が激突し、大熱戦となった(5-2でKING GEAR FCが勝利)。

 グループステージ全試合を終え、トップは5戦全勝のKING GEAR FC。DIAMANTES FC YOKOHAMAが3勝1分け1敗で2位につけ、両者の間で決勝戦が行われることになった。

 決勝は下剋上を狙うDIAMANTES FC YOKOHAMAが立ち上がりから優勢に進め、5分を過ぎたところで先制に成功。その後は無理に攻め込まず、守備にやや重きを置く戦術を採ったが、KING GEAR FCは残り時間が少なくなったところで加部が起死回生の同点ゴール。4-4のままタイムアップを迎え、3人ずつのPK戦に突入する。

 全員がキックを成功させたKING GEAR FCに対し、DIAMANTES FC YOKOHAMAは2人目が失敗。最後はKING GEAR FCの土屋良平が冷静にキックを成功させ、歓喜の輪を作った。

 全試合終了後には大会アンバサダーを務めるフットサル日本代表、森岡薫が率いるペスカドーラ町田の選手たちがエキシビジョンマッチに出場。最初にDIAMANTES FC YOKOHAMA以下5チームの選手1人ずつからなる選抜チームと、続いて優勝したKING GEAR FCと試合を行い、ペスカドーラ町田はFリーグ選手の実力を見せつけて2連勝。現役日本代表の森岡が見せる華麗なテクニックや素早い動きに会場は沸き上がった。

 優勝したKING GEAR FCは、7月9日(土)にブラジル・サンパウロ郊外にあるネイマールの個人所有スタジアム「ネイマールJr教育センター」で開催される世界大会に出場する権利を得た。世界大会で優勝すれば、ネイマールが率いるチームと対戦することができるのだ。

 大会後、KING GEAR FCの菊池は「この大会に懸けていて、みんなで『人生を変えよう』と声を掛け合っていたので、本当にうれしいです」と笑顔を見せ、グループステージと同様に激しい試合となった決勝については次のように振り返った。

「本当は先制点を取られちゃいけなかったんですけど、そういった局面を想定した練習もしてきたので、最後はそれが生きたのかな、と思います。相手は南米流で狡猾なチームでしたし、けっこうあおってきたんですが、こっちは『気持ちはクールに、でも球際で負けないように』という話をしながら対応しました。南米でプレーしたことを思い出して楽しかったです」

 また、世界大会に向けては次のように抱負を語った。

「また練習して、やるからには優勝を狙いたいですね。日本を代表してブラジルに行く機会なんてなかなかないと思うので、楽しみながら勝ちたいですね」

 元Jリーグ選手の宇留野と加部は、所属年代こそ違うがともにヴァンフォーレ甲府でプレーした経歴を持つ。「ウルさん(宇留野)は甲府の大先輩で、今まで会ったことも喋ったこともなかったのに、こうして同じチームで戦えたのは不思議な縁だな、と思いました」と加部が語ったように、現役引退後、不思議な巡り合わせでチームメートとして戦うことになった。

 現在37歳で「みんなと一回りも違うんですよ」と語る宇留野は、今大会から新設されたオーバーエイジ枠(26歳以上)の選手として出場したが、誰よりも精力的に動き、球際での激しさを発揮してチームを勝利に導いた。

 一方の加部は、決勝戦での同点ゴールについては「相手のマークがちょっと遅れてコースが空いたので」と謙遜したが、ストライカーとしての嗅覚を随所に発揮しゴールを量産。優勝が決まった瞬間は「いろいろなプレッシャーがあったので、最後は爆発してしまいました」と、思わず号泣していた。

 日本の代表としてブラジルに乗り込むことについて、加部は「まさか引退した後に日本代表になれるなんて思ってもみなかったですけど、引退したからこそ巡ってきたチャンスなので。ネイマールとは同い年なので負けたくないです」と闘志満々。

 一方の宇留野は、「現役時代は日本代表を意識できるプレーヤーじゃなかったんですけど、こういう違う形で日本代表として南米に行けるのはすごくありがたいし、すごくうれしいです。トッププレーヤーのレベルを肌で感じられるのは幸せなこと。文化に触れることも含めて楽しみたい」と抱負を語った。

 アンバサダーとして大会を見守った森岡は、激しい戦いとなった決勝について「楽しかった。何かを懸けた戦いであるなら、このぐらい激しくなければならない。激しい戦いの中で勝ち取った気持ちよさもあると思いますし、優勝して涙を流す選手がいるというのは本当にいいこと」とコメント。

 日本代表としてブラジルに乗り込むKING GEAR FCに対しては、このようにエールを送った。

「うまいチームが絶対に勝つわけでもないし、下手なチームが負けるわけでもない。チームが勝つために何をしなければならないのかを考え、泥臭くゴールを奪って勝ってほしいですね。歴史に刻まれるのは優勝したチームだけ。南米では日本のサッカーもフットサルもレベルが低いと言われるけど、彼らが日本代表としてしっかり戦ってくれれば、その価値も高まると思います。世界が注目する大会なので、頑張ってほしいですね」

 今年で2回目を迎えたNeymar Jr’s Five Japan Finalは、KING GEAR FCの優勝で幕を下ろした。大会は来年も行われる予定となっている。

文=池田敏明

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