6月4日にキャプテン翼スタジアム東京北にてトラウムトレーニングセミナーが開催された。今回のテーマは「外す・受ける」。これまでの「止める・蹴る」、「運ぶ」から新たなテーマで行われた。
まずは座学でトラウムトレーニングの大事にしている①止める②蹴る③運ぶ④外す、受けるという4つの技術が紹介された。なぜこの技術を大切にしているのかは、風間八宏氏の「本当の意味で自由にサッカーを楽しんでほしい」という思いから、クラブのコンセプトとして当たり前の技術を大切に、こだわりを持って伝えているからだという。
内藤氏から受講者へ「フリー」とはどういう状況なのかと問いかけられ、「相手が周りにいない」や「相手からプレッシャーを受けない距離」など様々な意見が挙がった。内藤氏はフリーとは「ボールが来た時に相手に捕まらない距離」と定義し、技術が上がればその距離は短くなってくると解説された。
その後、世界のトッププレーヤーや、トラウムSVの選手の動画を元にパスを受けるタイミングの解説が行われた。「味方のパス交換の際、ボールの移動中に動いてしまうと、実際にボールを受ける前に相手からプレッシャーを受けてしまいボールを取られてしまう」と映像をスロー再生しながら、どのタイミングで動き出せばよいのか視覚的に解説を行った。
実技ではより具体的にどのタイミングで動き出せば良いのか、どのタイミングでパスを出せばよいのかなど繰り返し練習を行い確認していった。
その中で「青信号」という言葉が印象的であった。パスの出し手がボールを止め、蹴れる状況になった瞬間のことを「青信号」と内藤氏は表現した。反対に、パスの受け手は「青信号」でないのに動き出してもボールをもらうことはできず、逆にスペースを潰してしまうと解説された。
実技終了後には今回の練習メニューの解説が行われ、その中で内藤氏から「頭を使うことが多く、タイミングが難しいメニューではありましたが、皆さん短い時間でかなり変化を感じてもらえたと思います」とコメントがあった。
終了後に行ったアンケートには「頭の技術とボールを扱う技術を合わせる話が魅力的でした」や、「改めて、サッカーの楽しさと奥深さを感じました」などの感想が挙がり、今回のセミナーの満足度の高さがアンケートからも感じ取れた。
内藤清志筑波大学蹴球部で活躍後、風間八宏氏の下で同部トップチームのヘッドコーチを務める。4年間その指導を学び、風間監督退任後はトップチームの指揮を執った。2010年、トラウムトレーニング設立時より子ども達の指導に携わり、多くの支持者を得てきた。風間氏は内藤氏を「大切なことをしっかりと伝えることに長け、粘り強く選手達に接することができる指導者」と評する。今ではトラウムトレーニングつくば校ヘッドコーチを任されている。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト