2015.03.16

技術よりも気持ちが左右する、フットサルの熱量を感じさせた大会/PUMA CUP 2015

今大会も勝利を渇望する選手たちの姿が会場の多くの興奮を誘っていた [写真]=本田好伸

 PUMA CUP 2015 第20回全日本フットサル選手権大会は名古屋オーシャンズの3連覇で幕を閉じた。今大会を含めたシーズン4冠を成し遂げた彼らが“絶対王者”であることを改めて示し、それと同時に今大会は「Fリーグのカップ戦」の様相を呈していた。

 その最大の理由は、今大会からFリーグ・プレーオフファイナルの1位名古屋と同2位のシュライカー大阪が決勝ラウンドから登場するレギュレーションに変更されたことにある。それにより、これまで1次ラウンドで見られていた「ワイルドカード争い」がなくなり、各グループ1位のみが決勝ラウンドへ進出となった。地域勢にとってFリーグを差し置いて1位になることは容易ではなく、壁がさらに高くなったといえる。

 実際、1次ラウンドでFリーグが2チーム入ったグループは初戦で直接対決となり、その勝者が残りの試合を連勝して1位となった。そうした中で、なんとか地域の意地を示そうと奮闘したのが関東勢だった。ゾット 早稲田 フットサル クラブ(関東地域第1代表)は、敗退が決まっていた3戦目でアグレミーナ浜松と対戦し、「勝つことで、Fリーグやフットサル界に一石を投じたかった」(清野潤監督兼選手)と残り18秒での劇的な勝利を収めた。

 またバサジィ大分への勝利で逆転1位が見えたFC mm(関東地域第3代表)は0-5と絶対絶命の状況から5点を奪い返して引き分けに持ち込んだ。バルドラール浦安セグンド(関東地域第2代表)も、1位を決めていたデウソン神戸と対戦した3戦目で、追い掛ける展開になりながらも終盤にドローに持ち込んだ。結果的には、FC mmが最も決勝ラウンドに近付いたチームだといえるが、過去の大会と比較しても地域勢がFリーグに一矢報いる試合は少なかった。Fリーグとの力量差はもちろんあるが、多くの面で地域チームにとって厳しい大会になっていたといえる。2010年大会以来の決勝ラウンドの8チームがすべてFリーグという状況がそれを如実に物語っている。

 それと退団が発表されていた大分の小曽戸允哉や引退を表明していたペスカドーラ町田の大地悟など、今大会をもってチームを退団、現役を引退する選手が多いことも注目を集めた。日本代表でもある小曽戸の退団はファンやサポーターにも衝撃を与えたが、彼自身は、「最後まで自分らしく全力で戦う姿を見せて終わりたいと思っていた」と、準々決勝の名古屋戦でも気を吐き、敗戦後は涙ながらにサポーターの前で頭を下げた。

 大地は長くフットサル界、町田を支え続けた選手であり、同じく引退する橋本圭悟とともに、「彼らのためにも苦しいシーズンだったが最後は勝って終わろう」(岡山孝介監督)とチームが結束して、優勝には届かなかったが3位という結果を手にした。PUMA CUPはシーズン最後の大会であるために、そうした各チームの退団・引退という話題が出る時期でもあり、同じメンバーで臨む最後の大舞台。準優勝した神戸も、「このメンバーで戦える最後だからこそ、チームのために自分のために走り切り、絶対に勝てるという思いを相手よりも強く持っている」(西谷良介)と、どこよりもまとまったベンチワークを示していた。

 デリケートな時期だからこそより一層、技術よりもそうしたメンタルの部分が勝敗を大きく左右する大会であった。決勝戦で名古屋を苦しめた神戸は、Fリーグで12チーム中9位に沈んだチームである。「リーグの順位は下位でも、今大会の決勝戦は特別なので難しい試合になることは分かっていた。神戸は別のチームだったし、プレーオフに入ってくる力があるチームだった」と、名古屋の森岡薫も彼らを称賛したほどだった。

 今大会もまた、最大の見どころは選手やチームが勝利を渇望する姿にあった。それを見て観客は興奮し、選手やチームを応援し、フットサルの試合を楽しんでいるようだった。最終的には名古屋が3連覇を果たしたが、各試合でそうしたフットサルの熱量や魅力を伝える激しい試合が繰り広げられていたことを、最後に記しておく。

文・写真=本田好伸

PUMA CUP 2015 第20回全日本フットサル選手権大会
優勝
名古屋オーシャンズ(3年連続3回目)
準優勝
デウソン神戸(初受賞)
3位
ペスカドーラ町田

MIP
森岡薫(名古屋オーシャンズ)

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