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退任する3位浦安の岡山監督「幸せだった。悔いはない」/PUMA CUP 2014

2014.03.17

町田をPK戦の末に下した浦安が大会3位を手にした [写真]=本田好伸

SK_PUMA CUP 2014_0316_03 名古屋オーシャンズの大会連覇で幕を閉じた「PUMA CUP 2014 第19回全日本フットサル選手権大会」。その決勝戦の前に行われた3位決定戦、バルドラール浦安対ペスカドーラ町田の伝統の一戦も白熱した。

「昨日の試合であれだけ点差が離れてもサポーターは声を出して応援し続けてくれていた。だからということではなく当たり前のことだけど、最後まで全力で戦おうと話をしていた。気を引き締めて勝つことを考えてプレーしようと」。浦安の岡山孝介監督は試合前、選手にそう伝える。前日の準決勝では、名古屋オーシャンズに1-11と大敗を喫していた。その敗戦のショックから立ち直り、選手たちは集中した試合を見せていた。

 一方の町田も同様だった。準決勝でエスポラーダ北海道に1-9で大敗。「(北海道にこれだけ決められたのは)ショックだった」と、関野淳太監督も想定外の結果に顔を曇らせていた。しかも、主力メンバーをケガで欠く、満身創痍の状態だった。「横江(怜)も金山(友紀)もジャッピーニャ(本田真琉虎洲)もいないので総力戦になると思っていた。選手の疲労も見えていたが、昨日の試合よりも最後まで気持ちを入れて戦えていた」(関野監督)。

 試合はいきなり動いた。「相手を褒めるべき失点だった」(岡山監督)と、わずか31秒で左サイドの滝田学からの折り返しを藤井健太が決めて町田がファーストチャンスをものにして先制。しかし浦安も3分、ゴール前で深津孝祐のヘディングでの落としに走り込んだ荒牧太郎が決めて同点に追い付く。互いに主導権争いが激化する試合は拮抗していた。

 それぞれチャンスを作り合い、そして防ぎ合った試合は前後半の40分では決着が付かなかった。前週に行われた1次ラウンドの最終日にも対戦した両者は、グループ1位突破を懸けて戦い、その時も1-1で試合を終えていた。「岡山さんと、決勝の舞台で決着を付けようと話をしていた。それが3位決定戦となったが、ここでケリを付けようと思っていた」(関野監督)。前身チーム時代から幾度となく激闘を演じてきた両者は、時を経てこの大舞台で再び相見えた。そして互いのプライドが激突した試合の行方はPK戦に委ねられた。

 先行の浦安は稲葉洸太郎が決めると、町田は前田喜史が外してしまう。前田は今シーズン限りでの引退を発表していた。長らく第一線の舞台で活躍してきたレジェンドは最後、笑顔で去ることはかなわなかった。町田は続く後呂康人も失敗、3人目は互いに成功して迎えた4人目。浦安の完山徹一が失敗するが、町田の永島俊のシュートをGK藤原潤がセーブして勝負あり。PK戦のスコアは3-1で浦安に軍配が上がった。

 この試合を最後に浦安を去る岡山監督。「大変なこともたくさんあったけどこういうところで試合をさせてもらって幸せだった。悔いはない」と晴れやかな表情を見せる。名古屋と2強時代を築いていたかつてのチームが移り変わり、再びの復権を期すチームの監督として3年前に就任した。かつては自身も前身チームでプレーし、その後も下部組織の監督として才気を振るっていた。トップチームを指揮し、名古屋を打ち破るまでには至らなかったが、着実に成果を上げてきた。

 3位とはいえ一つの結果を残した浦安。岡山監督が築き上げた礎が確実に来シーズンへと受け継がれていくことだろう。「PUMA CUP 2014 第19回全日本フットサル選手権大会」の終幕とともに、一人の監督の、ひとまずの挑戦も終わりを告げた。

文・写真=本田好伸

PUMA CUP 2014 第19回全日本フットサル選手権大会 決勝トーナメント 決勝戦・3位決定戦
2014年3月16日(日)
会場:国立代々木競技場第一体育館(東京都)
3位決定戦
12:00 バルドラール浦安 1-1(1-1、0-0、PK3-1) ペスカドーラ町田
決勝戦
15:00 名古屋オーシャンズ 4-2(1-2、3-0) エスポラーダ北海道


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