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【インタビュー】FM26との違い、課金への反応、発売時期、追加機能…『サカつく』プロデューサーに新作の疑問を答えてもらった

2025.10.31

 サッカークラブ育成シミュレーションゲームとして、古くから多くのファンに愛されている、セガが手掛ける『プロサッカークラブをつくろう!』通称『サカつく』のシリーズ最新作『プロサッカークラブをつくろう!2026』が開発中だ。

 5月に新作を発表し、本田圭佑を公式アンバサダーに招いたこともあって話題を集めた。また、コンソールゲームとして親しまれてきた本シリーズは、最新作からオンライン対応となり、基本プレイ無料のFree to Play形式となったため、新しい形でのリリースとなることも話題となった。8月にはクローズドβテストを実施。これまで『サカつく』を親しんできたユーザーなどと、今作のプロデューサーである久井克也さんを中心としたゲーム開発側がディスカッションをし、新たな要素を盛り込むことなどを決めた。

 そのため、当初は2025年にリリースすることになっていたが、2026年にずれ込むこととなった『プロサッカークラブをつくろう!2026』。ユーザーとしては待つ時間が延びることにはなったが、よりパワーアップした状態でリリースすることに踏み切った新作について、久井プロデューサーに聞いた。

―――現時点(取材した9月中旬時点)での開発の進捗はいかがでしょうか?

久井 完成度は上がってきていて、現在は8月に実施していたクローズドβテスト(以下、CBT)でいただいたユーザーの皆さんからのご意見に対して向き合っている段階です。ここからいろいろなものを足していこうとはしていて、実装を進めている状況です。

 ただ、開発的に「ここまでやりたい」部分があり、CBTで出てきた課題に対して、リリースまでは最低限の要素を加えた上で出したいという思いがあり、今はまだお時間をいただいている状況です。2026年初頭に追加機能を入れてリリースする方向で進んでいます。

―――新しい『サカつく』シリーズの登場になります。改めてコンセプトなどを教えてください。

久井 もともとのコンセプトとして原点回帰と言いますか、昔ながらの『サカつく』がプレイでき、それにプラスしてビジネスモデルとしては世相なども反映しつつ、一部課金モデルを入れさせていただき、ハイブリッドの形になっています。CBTでどういった受け取られ方になるかは、僕たちも緊張感を持っていましたが、「ちゃんと昔の『サカつく』のように遊べた」という声をいただいたので、一つ安心はしている状況です。ここからはコンセプトをぶらさず、一方でCBTでいただいた声の中で、「昔の『サカつく』はこういった要素もあったのに、なくなっている」ということもあったので、そこはしっかりと向き合い、作り切った上でリリースしたいと考えています。

画面は開発中のものです

―――具体的にどういったリアクションがあったのでしょうか?

久井 声として多かったのは留学機能のようなもので、選手育成の自由度が昔と比べて少ないという意見がありました。僕たちも幅をもう少し広げた方がいいのではと迷いがある中で、反応としていただきました。あとは工数の問題もあって取り組まなかった複数のセーブデータを持つというものがあります。今作はオンラインゲームなのでオートセーブが前提です。そのため、1個のセーブデータしかないとやり直しができなくなってしまう。やり直しはアカウントの削除から新たに作成するといったことになりますが、非常に遊びづらいですし、ビジネス面から考えてもゲームからの離脱につながるので、複数セーブデータを持てるように決めました。複数のセーブデータを持ちながらやり直したりすることは『サカつく』あるあるでもあったので。

 大きなところで言うと「クラブハウス」という要素を足そうと思っています。育成機能などを「スタジアム」に集約していましたが、施設の効果、特に練習の効果が大味になってしまっていた。過去作ではやれていた細かい部分があったので、「クラブハウス」を導入して、個々で練習効果を高めるようにしました。加えて、ユースに入る選手の能力が伸びるといった、様々な付加価値が付く施設を建てられるようにすることなどを考えています。

 選手の移籍についても、COMクラブでも日本人選手がJリーグクラブや直接ヨーロッパに移籍していくようなストーリーを盛り込もうとしています。このあたりは調整中ではありますが、数年プレイすると、全体のチームの状況もかなり変わるようになると思うので、現実でのサッカー界をシミュレーションできる仕組みも加えようとしています。

CBT参加者に対するアンケート結果

―――新作発表後、課金システム導入による反応はいかがでしたか? SNSではネガティブな声も見受けられました。

久井 課金のポイントはCBTでお見せしたところがほとんどです。ガチャでSP選手を引いてチームに入れていく部分と、その選手を育てるための特別練習カード。これが大きなマネタイズのポイントです。一方で、SP選手をチームに加えないといけない縛りのようなものが当初はあったのですが、それはなくてもいいかなとCBT中に思い、入れなくていいようにし、自由度を上げるようなチューニングはしていきたいと思っています。

 ユーザーの皆さんの課金に対するネガティブな反応には向き合いつつ、とは言えビジネスとして成り立たないラインもあるので、そこを維持しながら進めています。ユーザーの皆さんが楽しんで、継続して遊んでいただける状況を作るのが、まずは絶対条件だと思うので。最初から「課金ゲーかよ」と圧力を感じさせてしまい、離れてしまう要因を作ってはいけません。幸いにもCBTでは、熱量の高いユーザーの皆さんに集まっていただいた前提の中で、かなり高い短期継続率も出ています。継続してプレイいただいた中で「ちょっと課金してみようかな」と思うようになっていただければ、我々から言うところのロイヤルユーザーに転換していただける形にもなるので、まずはとにかく遊んで楽しんでもらう、『サカつく』って楽しいゲームなんだと知ってもらうことが重要だと考えています。先ほどの複数データの観点でいけば、課金主体と無課金主体といった使い分けをしていただくこともできますね。

―――今作ではタイトルロゴに『Powered by Football Manager』の表記があります。同じ、サッカークラブシミュレーションゲームであり、『Football Manager 26』もリリースを控える状況です。差別化はどのように考えていますか?

久井 ゲーム自体はまったく違うものという認識をしていて、『Football Manager』を長年手掛けているSports Interactive社のマイルス・ジェイコブソンも同じ認識です。互いに最初からそう話していたからこそ、コラボレーションも快諾してくれました。ただ、ユーザーの皆さんが感じる印象は、同じ「サッカークラブシミュレーションゲーム」ではあると思うので、販売方法でコンソール主体の『Football Manager 26』と、Free to Playの『サカつく』といったような、ある種のすみ分けや相互送客といった、一緒の会社でやっているからこそのメリットについてこれからも協議を進めていきます。共同プロモーションは考えていきたいですね。

―――そのメリットの部分は、現時点ではどのあたりに感じられていますか?

久井 過去作含めて『サカつく』の課題の一つとして、選手データの正確さに疑問符が付く部分もありました。『Football Manager』は全世界にリサーチャーがいて、彼らの実際の選手データ、ノウハウが蓄積されたデータに、すごく価値があると考えています。彼らには秘密のデータベースがあるんですが、私たちもアクセスできる権限をいただき、『サカつく』のデータに落とし込んでいます。なので、タイトルに『Powered by Football Manager』が付いています。『サカつく』はリアルでありつつ、ファンタジーさ、ある種のばかばかしさがあり、今作もその魅力を残していますが、現実のサッカーファンの方に対してもデータなどが現実世界から違和感なくゲームに反映されているので、そこが大きなメリットだと思います。

画面は開発中のものです

―――Jリーグのライセンスも取得しています。配信は2026年となりますが、現実世界での昇降格など、どのように反映されますか?

久井 やはり、JFLに降格となったチームは実名で使用できなくなります。シーズン更新はどうしても発生するので、対象となった場合は所属する選手も架空となるなどの対応になります。ポジティブに言えば、オンラインゲームとなったことで、新シーズンのユニフォームに変更できるようになるなどがこれまでの『サカつく』にはなかった要素なので、良さと言える部分ですね。

 現実のJリーグでは2026年の上半期が、今後のシーズン移行に伴う約4カ月の特別大会になります。そのレギュレーションなどまでは、さすがに反映できないと思いますが、シーズンの切り替えなどはできるようになると思います。Jリーグの選手については、おそらく2025シーズンの情報を前提に実装してスタートすることになると思いますが、現時点の構想では夏にヨーロッパの選手たちも更新をかける必要があるので、一緒のタイミングで変更できれば理想という考えではいます。夏ごろに選手構成がガラッと変わり、Jリーグも新シーズンに変えて、アップデートを出すのではないかと現状は考えています。

―――最後にメッセージをお願いします。

久井 まず、CBTに参加いただいた皆さん、ありがとうございました。CBTで出てきた意見を真摯に受け止め、実装・改善しようとしています。CBTから、さらに1.5倍くらいのボリュームで戻ってくることになると思います。過去作品で体験できたことは、今作でも体験できるように意識して作っています。その点もご期待ください。

 これまでの『サカつく』シリーズをやっていない、知らなかったという方は、ぜひ触れていただければ、ちょっと“変なゲーム”に感じると思います。スタイリッシュなゲームではないかもしれませんが、そこが良さだと思っています。その“変”な中に、「サッカー界って、こんなことが実は起きているんだ」ということまで、実はゲームで忠実に体験できてしまうことが、『サカつく』の良さでもあると思っているので、そういうところも含めて楽しんでいただきたいです。もう少し、お時間をいただきますが、ぜひ触れてみていただき、興味を持っていただければと思います。

【クレジット】
©2026 Manchester City Football Club / LICENSED BY J.LEAGUE / © J.LEAGUE / K LEAGUE property used under license from K LEAGUE / The use of images and names of the football players in this game is under license from FIFPro Commercial Enterprises BV. FIFPro is a registered trademark of FIFPro Commercial Enterprises BV. / ©SEGA

By 小松春生

Web『サッカーキング』編集長

1984年東京都生まれ。2012年よりWeb『サッカーキング』で編集者として勤務。2019年7月よりWeb『サッカーキング』編集長に就任。イギリスと⚽️サッカーと🎤音楽と🤼‍♂️プロレスが好き

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