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急成長するスポーツ業界へ飛び込め…早稲田大学の社会人向けビジネスプログラム

2019.05.24

早稲田大学「スポーツMBA Essence」のプログラムリーダーを務める原田宗彦教授

スポーツ市場の急成長に対し、専門人材が不足

 いよいよ4カ月後にはラグビーワールドカップ2019が開幕し、来年には東京オリンピックが開催される。ビッグイベントを控えてスポーツ業界が盛り上がるなか、政府は2025年に向けて、スポーツ産業の規模を現在の3倍、15兆円にするという計画を掲げた。すでに官民で多くのプロジェクトが動き始めている――。

 そんなトレンドに合わせて、早稲田大学は2017年に「スポーツMBA Essence」(Sport Master of Business Administration Essence)を開講した。これはスポーツビジネスに興味を持つ社会人を対象とした6カ月間のノンディグリープログラムで、すでに第1期、第2期が修了している。

「ここまでは予想以上にうまく行っていますね」。早稲田大学スポーツ科学学術院の原田宗彦教授は、プログラムに手ごたえを感じているという。ただし、教育プログラムの人気は、裏返せば人材不足の証拠だ。スポーツ市場が成長しつつあるのに、現場には専門性を持った人材が不足しているという現状がある。

「スポーツに協賛する企業のなかに、スポーツビジネスをアクティベイトできる人がいない。あるいはスポーツに投資したくても、人がいないからできない企業もあります。適切なノウハウもなければ、意思決定できる人もいない。だからスポーツビジネスを育てるために、まず人を育てましょうということです」

社会人同士の交流が転職やビジネスチャンスにつながる

 スポーツビジネスには独特の難しさがあると原田教授は言う。「レジャー」は人が自発的に快楽を求める消費活動だが、そのなかでもスポーツは「ルールがあり、勝ち負けがある」という特殊なレジャーに当たる。スポーツが生み出す強い喜怒哀楽、換言すれば「感情の振幅」をマーケティングに活用することが、このビジネスの特異性だ。そのため、受講生にはスポーツの魅力を知っているだけでなく、幅広いビジネスモデルとマーケットへの理解が求められる。その意味でも「社会人向けプログラム」のメリットは大きい。

「受講生同士が交流するなかで、ビジネスプロジェクトが生まれたり、転職したりという動きが実際に起こっているんですね。イノベーションというのは緩やかなネットワークから生まれるものです。知識を得るだけではなく、様々なキャリアを持った人がつながり、そこから新しいビジネスチャンスが生まれる。これは学生のプログラムにはないおもしろさだと思います」

 原田教授の言葉どおり、それぞれの分野でビジネスを回している社会人だからこそ、ネットワークを作ることで即効性のある結果を出せる。受講生同士でスポーツイベントや展示会に招待し合ったり、一緒にスポーツ観戦に出かけたりと、プライベートでも積極的な交流があるという。学びの場でも、スポーツには人をつなげる効果があるのだろう。

「スポーツMBA Essence」は現在、第3期受講生を募集中。興味のある方は、まず5月31日(金)に開催される以下の公開セミナーで、詳しい内容を聞くことができる。第3期は2019年9月上旬に開講予定で、受講生の募集は6月19日(水)締切となっている。
 
早稲田「スポーツMBA Essence」公開セミナー

「ポスト2020のスポーツ経営人材育成戦略」

○日時:2019年5月31日(金) 19:00~(18:30開場)
○会場:早稲田大学 国際会議場 井深ホール
○受講料:無料
○定員:400名

早稲田「スポーツMBA Essence」公開セミナー

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