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ニューカッスルに恩恵? プレミアリーグで単一オーナー所有クラブ間での“レンタル禁止案”が否決

2023.11.22

ニューカッスルの補強候補として名前が挙がっているルベン・ネヴェス [写真]=Getty Images

 プレミアリーグの株主総会が21日に開催され、単一オーナーが所有するクラブ間でのレンタル移籍を一時的に禁止する案が否決された。イギリスメディア『BBC』は、この決定がニューカッスルの冬の移籍戦略に影響を与えると指摘している。

 現在、プレミアリーグでは単一オーナーが複数のクラブを保有するマルチクラブ・オーナーシップ(MCO)の戦略を取っているクラブが複数存在する。シティ・フットボール・グループが保有するマンチェスター・シティを筆頭に、チェルシー、ブライトン、アストン・ヴィラなどもMCOの形態で運営されているクラブだ。

 MCOはビジネス面やクラブ運営の面でのメリットが大きいが、一方でファイナンシャルフェアプレー(FFP)の“抜け道”として利用される可能性も指摘されてきた。あくまで一例に過ぎないが、単一オーナーが所有するクラブAとBの中で、本来はクラブAが獲得を望んでいた選手について、クラブAのFFP違反を避けるためにクラブBが買い取り、実質的に無償のレンタル移籍でクラブAに“送り込む”ことも可能となっていた。このような背景から、FIFA(国際サッカー連盟)やUEFA(欧州サッカー連盟)は公平性の観点をメインに議論を進めているものの、現時点で具体的な“解決策”が用意されているわけではない。

 プレミアリーグでは、具体的な“解決策”が導入される見込みである来夏の移籍市場が始まるまで、暫定的な措置として前述の単一オーナーが所有するクラブ間でのレンタル移籍を一時的に禁止する案が浮上していた。この“レンタル禁止案”は加入の時のみ有効。つまり、若手選手の武者修行を主な目的として、プレミアリーグのクラブから単一オーナーの別クラブに選手をレンタル移籍させることはできる。

 この案が可決されるにはプレミアリーグに所属する20クラブの中で14クラブ以上、おおよそ3分の2以上の賛成が必要となっていた。21日に実施された株主総会の中で投票が実施され、賛成に票を投じたのは13クラブ。逆に言えば7クラブは反対の意向を示し、否決となっていた。

 この決定により、『BBC』はニューカッスルが大きな恩恵を受けると伝えている。ニューカッスルもMCOの形態を採用するクラブの1つで、2021年10月にはサウジアラビアの政府系ファンドであるPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)によって買収されたことが話題となった。PIFはサウジ・プロフェショナルリーグのアル・ヒラル、アル・イテハド、アル・アハリ、アル・ナスルの4クラブも所有している。つまり、ニューカッスルはこの4クラブから実質的に無償のレンタル移籍で選手を獲得できることとなる。

 現在、ニューカッスルでは今夏の目玉補強として加入したイタリア代表MFサンドロ・トナーリが賭博問題によって10カ月間の出場停止となっている。同選手の穴を埋めるべく、昨季までウルヴァーハンプトンで活躍していたポルトガル代表MFルベン・ネヴェスが冬の移籍市場で加入する可能性が取り沙汰されていた。

 前述の“レンタル禁止案”が可決されていた場合、アル・ヒラル所属のR・ネヴェスがニューカッスルへレンタル移籍加入するのは、単一オーナーが所有するクラブ間のレンタル移籍加入のため実現不可能だ。しかし、今回の決定を受けて、ニューカッスルはR・ネヴェスをチームに迎え入れることが可能となった。

By サッカーキング編集部

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