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メッシとロナウドはいかにして頂点へ上り詰めたのか。子供の才能を信じる親御さんにぜひ読んでほしい一冊

2014.06.21


メッシとロナウドから学ぶ才能の伸ばし方
著者:フアン・カルロ・クベイロ、レオノール・ガジャルド
訳者:池田敏明
出版社:朝日新聞出版
定価:本体1,500円+税

「もしかして、うちの子には才能がある?」

 地元で開かれる少年サッカーの試合で、自分の幼い息子が同年代の子供たちと比べて生き生きとプレーする姿を見て、どの親も一度はそう思ったことがあるのではないだろうか?

 例えば、欧米では幼稚園の年頃から年齢別にチームを作って地域のサッカーリーグが盛んに行われている。平日の練習と週末の試合。ボランティアのコーチや親も大変だ。そして子供に才能があると思えば地区の選抜メンバーに推薦され、運が良ければ最終的にナショナルレベルの選手へと上り詰めていく。

 ではプロの選手と単にうまい選手、スーパースターと普通のスター選手の違いはいったいどこにあるのだろう? その問いを、リオネル・メッシ、クリスチアーノ・ロナウド、ラダメル・ファルカオの3人を例に挙げて、彼らがいかにして頂点へ上り詰めたのか、そのために何をしてきたのかを詳しく解説したのが本書である。

 著者はスペインの大学教授と記されている。といっても難しい本ではない。もっと才能を伸ばしたい若きプレーヤー、もしくはその保護者を読者と想定し、何が必要かのヒントを数多く紹介する。天才たちがその若き才能をぐんぐん促した10の条件、さらに才能開花のための10の教訓を、数々のエピソードを交えながら平易に説明していく。

 メッシが11歳の時に成長ホルモンの治療費をねん出しなければならなかった話は有名だが、彼はそこからどう這い上がっていったのか? 12歳の少年ロナウドが家族の暮らす小さな島をひとり離れて首都リスボンへ向かい、どうやって苦難に打ち勝つ強い精神力を身につけていったのか? 本書はトッププレーヤーの単なるサクセスストーリーではない。すべての若者に向けたスポーツ教育の指南書なのである。

「彼らの成功は決して偶然ではない。自らの努力でその才能を伸ばしたのだ。本の中で示される10の教訓は誰でも実践できるものである」とまえがきに書かれている。

「もしかしてうちの子供は天才なんじゃないか」と思っている親御さんがいたら、一刻も早く一度本書を読まれることをお薦めいたします。

三竹大吉(みたけ・だいきち)
(株)紀伊国屋書店 本社ホールセール部勤務
ジョホールバルの歓喜、フランス・ワールドカップ、シドニー・オリンピック、ドイツ・ワールドカップをそれぞれ現地で観戦。その後は、欧州クラブ・チームを中心に週末録画した試合の中から名勝負に出会えるのを楽しみにしている中年サッカーファン。週1回フットサルで汗を流すのが目標。書籍をお探しの際は、紀伊國屋書店ウエブストアより全国店舗の在庫がご覧いただけます。詳しくは、http://www.kinokuniya.co.jp/よりご確認ください。

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