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EXILE CUP 2013東海大会は初代王者の緑東FCが優勝

2013.08.20

 熱闘に次ぐ熱闘が繰り広げられたEXILE CUP 2013東海大会を制したのは、第1回全国大会の覇者、緑東FC(愛知県)。思わぬ展開に沸いた決勝戦後には、悔し涙を流す選手たちの姿もあった。

 7月27日に開幕したEXILE CUP 2013の東海大会が、8月15日に名古屋市の瑞穂陸上競技場で開催された。朝から猛暑に見舞われた名古屋は気温35度、しかし参加48チームは日差しに負けない熱戦を披露した。

 開会のあいさつの後、今大会恒例、EXILEのUSAが考案した「EXダンス体操」から始まった大会は、3チームずつ16ブロックに分かれての予選リーグからスタート。昨年の大会に比べ女子混合チームが増え、女子のみで構成された2チームが参加するなど、サッカーの裾野が着実に広がっていることを感じさせた。またフットサルを専門的にトレーニングしているチームも増えており、巧みなテクニックやフットサルらしい連係などが見られたのも新しい景色だった。

 午前10時から始まった予選リーグは正午までに終了。お昼の休憩時間中には決勝トーナメント出場16チームの代表選手たちによるリフティング対決が前哨戦さながらに行われ、60秒間リフティングを続けたチームには大会スペシャルサポーターであるUSAのサイン入りミニボールがプレゼントされた。この対決には父兄も大盛り上がり。こうしたひと時のリラックスタイムを経て、大会は一発勝負の決勝トーナメントに突入した。

 決勝トーナメントは1回戦からPK戦決着が2試合と白熱の攻防が見られた。ファイナリストはベスト4で初の失点を喫しながらも、粘る聖隷を5-3と突き放した緑東FCと、2年連続3位で得点力抜群のBRINCAR FC(愛知県)を完封したTJ U-12(静岡県)の2チーム。試合は前半、1点ずつを取り合った後に大きく動いた。激しいプレッシングからのシンプルな展開で勝ち上がってきたTJ U-12は原大海君のシュートで先制するも、緑東FCの鈴置阿利登君のゴールで追い付かれた。その直後の攻撃でTJ U-12がパスミスを相手に奪われ、GK杉山来夢君が打たれたシュートをやむなくペナルティーエリア外でセーブ。杉山君はこのプレーで無念の一発退場処分となってしまった。控えGKのいないTJ U-12はフィールドプレーヤーをGKとしたが、ここまでの5試合で23得点と決定力のある緑東FC相手では奮闘むなしく前半でさらに2失点。3-1で折り返した後半も3失点を喫した。緑東FCの鈴置君はハットトリックの活躍。「すごく楽しかった。フットサルはパス回しが面白い。右サイドが得意なので、そこで起点になろうと思っていました」と充実の表情で試合を振り返ったが、TJ U-12にとってはやや不運な試合展開となった。こうして東海大会決勝は6-1で終了。決勝までの6試合を通じて抜群の安定感を見せた緑東FCが、全国大会への切符を勝ち取った。

 決勝を戦った選手たちの表情は対照的だった。喜びに沸く緑東FCと、号泣するTJ U-12。TJ U-12の監督は選手たちを慰めるように、また鼓舞するように語った。「ここでやり切ったこと、そのことで僕は選手たちを認めます。退場して選手が少なくなりましたが、これもスポーツです。大事なのはそこでどこまでやれるか。技術うんぬんよりも気持ちなんです。気持ちで一つ早いタイミングで寄せる、それを周りの選手が感じれば、何かが起こる。この年代の選手たちは、そうした気持ちで全員が一つになることが大事なんです。それは僕が過去に、セルジオ越後さんから学んだこと。良い指導者の良い教えは、伝えていかないとね」

 一方の優勝した緑東FCの表情は、もちろん満面の笑み。小島幸夫監督は「第1回の優勝チームとして、何とか良い成績をと思っていました。ディフェンシブに見えたかもしれませんが、今の選手たちはそうなってしまうんでしょうね。僕らはアドバイスして、あとは子どもたちが考えてやっているサッカーなので、自分たちでそうしているんです」と語る。キャプテンの村上悠君に確かめると「決勝戦の前にみんなで話し合って、最近はテクニックの練習をやっているので、相手がプレスに来てもドリブルやワンツーでかわしていこうと決めました。あまり蹴らずに、パスで崩し切ろうと。それも難しくてできない時もありましたけど、全力でやり続けたから勝てたと思います。保護者の人たちの協力があっての優勝でした」と明朗な答え。そして監督、キャプテンともに「(全国大会で)優勝を狙いたい」と頼もしい発言。初代全国王者は、自ら考え、判断する“シンキングサッカー”で、2度目の戴冠を目論む。

文=今井雄一朗
写真=三浦誠、三浦彩乃

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