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【前園真聖の日本サッカー強化論】ザック・ジャパンが東アジアカップで試すべき4人のFW

2013.07.11

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世界への扉を開いた前園真聖氏が自身の経験と取材を基に日本サッカーがさらに強くなるための方策をちょっと辛口で提言。連載4回目の今回は、3戦全敗に終わったコンフェデレーションズカップで明らかになった日本代表の弱点、ストライカーの不在と守備の再編について自身の見解を語った。

東アジア選手権が新しいFW探しのラストチャンスだ!

 コンフェデレーションズカップが終わり、J1が再開した。

 ご存知の通り、コンフェデ杯の主力メンバーで試合に出ていた遠藤保仁、今野泰幸はJ2でプレーしており、J1のチームから主力メンバーは1人もいない。 J2のレベルを考えれば遠藤、今野は相当高い意識とモチベーションを保ちプレーしないと、コンフェデ杯の3戦を経験したものとしたら、かなりのレベル差を感じるはずだ。仮に来シーズンJ1に昇格するとしても、この半年のプレーはとても重要だよ。日本代表の主力の2人は、そのことは理解していると思うけどね。

 一方、J1のメンバーでは、残念ながらあの世界のトップレベルを経験できたと言える選手はいない。そういう意味で、今度の東アジアカップは国内組にとっては、とても重要なアピールの場になる。「国内組中心で戦う」とザッケローニも公言しているし、「コンフェデ杯までが1つの区切りになり新たにリセットする」と、選手のモチベーションを上げる発言もしているしね。

 そして、ザッケローニがどんなメンバーを選出するのかすごく興味がある。

 ただ、俺の考えでは、ザッケローニの頭の中では現実的には今の日本代表は14~15人は確定していると思う。残りの枠は、まだ入れ替わる可能性とチャンスがあるとみている。今回の東アジアカップでは若手に代表での経験をさせる人選と、現実的に来年のW杯を視野に入れて人選、この2つの考えがあるんじゃないかな。

 じゃあ実際どんなメンバーが選ばれるのか!?

 俺はコンフェデ杯での課題で考えると、1番必要なポジションはやっぱりFWだと思う。

 4-2-3-1のシステムでいうと、1のポジション。2列目はベンチも含めてタレントが豊富だけど、コンフェデ杯の初戦のブラジル戦で岡崎をFWの位置で起用などして確定されていない。そこで俺が注目しているのは柿谷曜一朗、豊田陽平、佐藤寿人、永井謙佑だ。

 柿谷は足元の技術に優れ得点力もあるし、前田遼一、ハーフナー・マイクにはないスピードがある。2列目の選手とはプレースタイルは同じタイプだからイメージは共有しやすいはずだし、今のFWに足りない本田圭佑、香川真司、清武弘嗣と一緒にゲームを作ることができると思う。俺は、本田の能力を最大限生かすためにも、是非試してほしいと思っているよ。豊田は強いフィジカルと高さがある。起用なタイプではないが、代表のストロングポイントである2列目を活かすという意味では、ポストプレーがいきると思う。寿人に関しては、これだけ最終ラインの背後のスペースに抜け出すタイミングが上手い選手はいないと思う。中盤のパス回しのタイミングで絶妙なタイミングで動き出す寿人のイメージができる。永井(国内組ではないが)は、相手が疲れている終盤に彼の驚異的なスピードは攻守にわたり必要なはず。ジョーカーというピースがあるなら間違いなく永井だね。ただ、まずはクラブチームでポジションをしっかり確保することが先決。そうじゃないと代表には呼ばれない。

 それともう1つはDF。特にセンターの2枚だ。ここはFWの最後のピースとも連動する点がポイントだ。コンフェデ杯では3試合で9失点、最終ラインだけの問題ではないが、吉田、今野のバックアップは必要だ。とはいえDFの選手の名前がすぐに出てこないのが現実…。ロンドン五輪世代の選手が成長していない今、経験豊富な闘莉王や中澤の名前が挙がってくることも理解できる。実際、中澤はJリーグで調子がいいし、闘莉王もスピードは落ちたかもしれないが、前には強いし高さもある。パワープレーならハーフナーより闘莉王の方が効果的だよ。FWの入れ替えと連動して考えてほしいね。

 いずれにしても東アジアカップでどんなメンバーが選出されるかわからないけど(7月15日発表予定)、国内組はJリーグの中で結果を出し続ける必要がある。チームの勝敗はもちろん大事だけど、貪欲に自分自身のプレーと結果にこだわり、日本代表に強い気持ちを持った選手がJリーグの中で現れることを期待したい。よく選手は口々に「まずはチームの為にプレーしてその結果、日本代表がある」と言う。そうじゃなく、「日本代表に絶対に絶対に選ばれたい!その為に自分自身のプレーをしてチームで結果を出したい!!」こんな選手が出てきたら頼もしいよね。

写真●ムツ カワモリ、浦 正弘、Getty Images

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世界と本気で戦う為にもう1度Jリーグを見直すべき
プロとして選手は自分のプレーに、もっと責任を持つべき
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