2015.04.03

地元の力になりたい、ただその一心で 浅田力(セレッソ大阪 事業部 グッズ担当)

セレッソ大阪
セレッソ大阪

一つのスポーツを通じて街が一丸となり、みんなで盛り上がれるのはすごいこと

「私は大阪生まれ、大阪育ち。この街が好きだから、地元に対して何か還元したいと考えていました」

 セレッソ大阪の事業部に勤務している浅田力さんは、営業グループ、ホームタウングループを経て一昨年に事業部のグッズ担当となった。

 大学時代は元々興味のあった英語の勉強に夢中だった。卒業後、カナダへ留学していた時にきっかけは訪れる。最後の1年間は現地で仕事をして、その間にさまざまな国籍の人々と出会った。

「カナダは多国籍なんですよ。いろんな国の人たちとたくさん話をするうちに、みんなの母国に対するプライドや愛国心がすごく強いことに気づいたんです。国の歴史や魅力を自分の言葉で語れる。でも私は『日本はどんな国なんだ?』と話を振られた時にうまく話せなくて……」

 カナダで祖国の素晴らしさを再認識し、日本に帰ろうと思いたつ。帰国後は広告代理店に入社し、自ら志願をして地域のフリーペーパーを制作する仕事に就く。生まれ育った大阪の街を盛り上げたいという気持ちが強くなっていた。

「そこで3、4年くらい働いていました。仕事にやりがいも感じていたし、大きな不満があったわけでもない。でももっと他にできることがあるのではと思うようになったんです。転職エージェントの紹介でセレッソの説明会に参加することになり、スポーツビジネスに関するさまざまな話を聞いて、ここだなと思いました。その日のうちに他の会社に断りの電話を入れましたね。一つのスポーツを通じて街が一丸となり、みんなで盛り上がれるのはすごいこと。ハードルは高いかもしれないけど、やりがいがあると感じました」

 当時を振り返った浅田さんは笑みをこぼした。

 セレッソ大阪の事業部でグッズを担当して2年がたった。現在はホームゲームの際に自ら店頭に立ち、サポーターと直接コミュニケーションを取るように心掛けている。

「新商品を販売する際は、店頭に並べる個数や、商品を告知するタイミング、選手によるプロモーションなどを事前に検討しています。例えばレディースデーなら女性向けのグッズを増やしたりして。試合当日はサポーターの方々からどのような反響があるのか気になりますね。店頭に立って皆さんの意見をじかに聞いて、新しい商品の制作に生かしています」

 昨年7月には大阪南港地区にセレッソ大阪のオフィシャルショップ「メガタウン」が誕生した。総床面積1,000平方メートルを超える巨大フロアにミュージアムとカフェも兼ね備えた複合型ショップだ。

「それまでオフィシャルショップがなく、他の店舗に委託して商品を販売していました。最近では遠方からのお客さまも増えています。せっかく来てもらったからには面白かったと満足していただいて、また行こうと思ってもらえるようなショップを目指していきたいです」

年齢や性別はさまざまですが、チームを応援する気持ちはみんな同じです

 メガタウンのオープン前に浅田さんは研修のため単身ドイツへ渡っていた。そこで街の一体感や大きさを肌で感じたという。

「ドルトムントやバイエルンの雰囲気は日本とまったく異なります。街を歩けば至るところにサッカーショップがあって、いろんなグッズが売られていました。ミュージアムにも案内していただいたんですけど、昔からのサポーターはもちろん、あまり詳しくない人も飽きないように工夫されているんです。昔のサポーターが使用していた応援フラッグが展示されていたり、チャントを歌っている昔のサポーターの映像が流れていたのには驚きましたね」

 ドイツでクラブと地域のつながりの強さを体感した浅田さんは、より一層、セレッソ大阪と地元の絆を深めるために、大勢の人々と協力して商品を作りたいと考えるようになった。過去には選手とファンからTシャツのデザインを募集して商品を製作したこともある。今後はサポーターと直接顔を合わせて意見交換を重ね、グッズを作っていくという。

「皆さんの声を吸収してゼロから一緒にグッズを作っていくと、他にはない独自のストーリーができると思うんです。サポーターやスポンサー企業の方と一緒にアイデアを出し合い商品を生み出すような場をもっともっと作っていきたいですね」

 クラブ側が一方的に提供をするより、チームに関わる全ての人々と協同で商品を作る。そして、グッズの魅力を多くのファンに感じてもらう。これが浅田さんの当面の目標だ。そのためには地域の協力が必要不可欠となる。日頃お世話になっているサポーターには「感謝」しかないと浅田さんは力を込める。

「他にも娯楽のある中で、休みの日にスタジアムまで足を運んでいただき、サポーターの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。中には店頭で激励してくださる方もいらっしゃいます。年齢や性別はさまざまですが、チームを応援する気持ちはみんな同じです。これからも皆さんの声をどんどん吸収して、魅力ある商品を提供していきたいですね」

インタビュー・文=石田元気(サッカーキング・アカデミー
写真=小林浩一(サッカーキング・アカデミー

●サッカーキング・アカデミー「大阪スクール 編集・ライター科」の受講生がインタビューと原稿執筆を、「カメラマン科」の受講生が撮影を担当しました。
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