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エースと守護神不在も終盤に勝ち越した専修大、後期開幕戦を白星で飾る/関東大学リーグ

2014.09.08

決勝点を決め喜ぶ専修大DF小口大貴(左) [写真]=平柳麻衣

 関東大学1部リーグ第12節が6日、7日に各地で開催。味の素フィールド西が丘で行われた第2試合では、専修大学と筑波大学が対戦した。

 前期リーグを8勝2分け1敗、勝ち点26の首位で折り返した専修大と、1勝2分け8敗の勝ち点5で最下位に沈む筑波大との一戦は、後期開幕戦の緊張感もあり、互いになかなか攻撃の形を作ることができなかった。それでも試合終盤に均衡を破ったのは王者・専修大。最少得失点差で手堅く勝利を収め、4連覇へ向けて好スタートを切った。

 リーグ戦で首位に立つ専修大は、優勝を目標に掲げて臨んだ総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝で関東大学リーグ2部の法政大に敗北。悪いイメージの残る一戦だっただけに仕切り直しを図る上で重要な意味を持つ今節だったが、リーグ屈指の攻撃力の中軸を担うFW仲川輝人(4年・川崎フロンターレU-18出身)と、守護神の福島春樹(3年・静岡学園高校出身)が負傷などの影響により欠場。攻守の要を欠いてキックオフを迎えた。

 試合後、専修大の岩渕コーチが「思った以上に筑波大が前に出てこなかったという点で、ダメージが大きかった」と振り返ったように、動きに固さのあった専修大は得意とする前線のコンビネーションがあまり見られず、最終ラインからの単調なボールが増えてしまう。しかし、一方の筑波大も理想の展開ではなかった。何度もあったセットプレーのチャンスを生かすことができず、40分に川崎フロンターレ加入内定のMF車屋紳太郎(4年・熊本県立大津高校出身)が右サイドで切り返して放ったシュートもゴールの枠を越えた。

 後半に入ると一転、両チームともに決定機が増え、目まぐるしく攻守が入れ替わる激しいゲームとなる。47分、筑波大FW中野誠也(1年・ジュビロ磐田U-18出身)がドリブルで攻め込みシュートを放つも、専修大DF陣がブロック。専修大は56分にFW東大樹(4年・成立学園高校出身)がペナルティーエリア左外から巻いたシュートは、ゴール右上に逸れ、59分にMF北出雄星(3年・三菱養和SCユース出身)が放ったシュートもゴールをわずかに外れる。61分に最大の決定機を迎えた筑波大は、左サイドからのクロスにDF早川史哉(3年・アルビレックス新潟ユース出身)が頭で合わせるも、ゴール右隅に飛んだボールはリーグ戦初出場の専修大GK蔦颯(1年・前橋育英高校出身)に片手で弾き出された。

 選手交代で攻撃に勢いが増したのは専修大。64分、FW東に代えてDF河津良一(4年・作陽高校出身)をセンターバックの位置に投入すると、両サイドバックを1列前に上げ、4バックから3バックに。システム変更が功を奏したのは、終了間際の90分だった。途中出場のMF私市一樹(2年・東海大学菅生高校出身)から「練習通りの」ボールをゴール前で受けたDF小口大貴(2年・川崎フロンターレU-18出身)は、ゴール左隅に冷静に流し込む。土壇場で勝ち点3を手にした専修大は、2位順天堂大と勝ち点2差のまま首位をキープした。

 久々の公式戦で、エースと守護神が不在。「敗戦も覚悟していた」と専修大の岩渕コーチは語ったが、どんな状況でも勝利という結果を残すのが絶対王者の強さ。「後期は優勝や残留が懸かっていて、前期以上に勝ち点を取るためにみんな工夫しながら戦ってくる。多少上手くいかないことがあっても、まずは勝負に泥臭く挑むしかない」と今後の戦いを見据えた。

 関東大学1部リーグ第12節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。

順天堂大4-0中央大
専修大1-0筑波大
国士館大2-1駒澤大
明治大1-0流通経済大
慶應義塾大2-0桐蔭横浜大
早稲田大1-0東京国際大

1位:専修大学(勝ち点29/得失点差+21)
2位:順天堂大学(勝ち点27/得失点差+14)
3位:慶應義塾大学(勝ち点24/得失点差+8)
4位:早稲田大学(勝ち点24/得失点差+7)
5位:明治大学(勝ち点21/得失点差+6)
6位:国士舘大学(勝ち点21/得失点差+3)
7位:駒澤大学(勝ち点16/得失点差-7)
8位:流通経済大学(勝ち点11/得失点差-7)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点10/得失点差-13)
10位:東京国際大学(勝ち点9/得失点差-7)
11位:中央大学(勝ち点5/得失点差-11)
12位:筑波大学(勝ち点5/得失点差-14)

文=平柳麻衣

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