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セリエAでプレーしたカダフィ大佐の息子が収容所で拷問を受ける

2015.08.05

2003年にリビヤ代表としてプレーするサーディ・カダフィ氏 [写真]=Bongarts/Getty Images

 故・カダフィ大佐の息子で、ペルージャやウディネーゼなどに所属した経験のある元リビア代表FWアル・サーディ・アル・カダフィ氏が、収容されているアル・ハドバ収容所で虐待されている動画が流出した。イギリス紙『ガーディアン』やアメリカ紙『ワシントン・ポスト』など各国メディアが4日に報じている。

 現在42歳のサーディ・カダフィ氏は、2003年に当時セリエAに属していたペルージャに加入。その後、2005年にウディネーゼ、2006年からはサンプドリアに所属していた。だが、イタリアでの出場は2試合のみ。また、2000年から2006年までリビア代表としてもプレーしており、さらにはリビアサッカー連盟の会長も務めていた。

 2011年2月、リビアでは反政府デモが勃発し、それが内戦に発展。そして同年8月、40年以上に渡る独裁政権は崩壊し、同10月には最高指導者のカダフィ大佐が逃亡中に反カダフィ派部隊との衝突の末に死亡し、内戦も終焉を迎えた。

 しかし、リビアの特殊部隊司令官も務めていたサーディ氏は、隣国のニジェールに逃亡。カダフィ大佐の政権下で、サッカー選手の殺害や、反政府を主張する人たちの射殺など、様々な犯罪行為に関与してきたサーディ氏は、2年以上逃亡した後、2014年にニジェールで拘束され、裁判のため母国リビアに送還されていた。

 中東メディア『クリア・ニュース』は2日に、サーディ氏がリビアの首都トリポリにあるアル・ハドバ収容所で拷問を受けている動画を公開。約9分間の動画では、同氏が足を縛られて逆さに吊るされ看守によって殴られるなど、暴力を受けている姿が映し出されている。

 これを受けて、アメリカを拠点とする国際人権NGO『ヒューマン・ライツ・ウォッチ』の中東局長代理のジョー・ストーク氏は、「サーディ・カダフィやその他の収容者が、アル・ハドバ収容所で受けている尋問方法について、深刻な懸念を抱いている。トリポリの当局は至急、何が起きたかはっきりとさせる必要がある」と声明を発表している。

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