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マンチェスター・U相手にジャイキリ狙う!…AZ菅原由勢「ガンガンいって驚かせたい」

2019.10.03

AZに所属する菅原由勢 [写真]=Getty Images

 この夏から欧州での挑戦をスタートさせたDF菅原由勢が、ビッグクラブのマンチェスター・Uに挑む。菅原が所属するオランダのAZは、10月3日に行われるヨーロッパリーグ(EL)・グループステージ第2節でイングランドの強豪をホームで迎え撃つ。

 19歳の菅原は今夏に名古屋グランパスからAZにレンタル移籍した。これまでトップチームでポジション争いをしつつ公式戦11試合に出場。プレー時間確保のために2部でも3試合に出場して欧州で着実に経験を積んでいる。

 9月19日にはELの本戦でデビューを飾った。敵地で行われたELグループステージ第1節のパルチザン戦で、右サイドバックのレギュラーであるノルウェー代表DFヨナス・スヴェンソンが一発退場となり、31分から急きょ途中出場。チャンピオンズリーグ(CL)に次ぐ欧州カップ戦の舞台に立ち、同点ゴールの起点となって2-2の価値ある引き分けに貢献した。

「常に試合の準備はしていて、いつもモチベーション高く臨めているけど、やっぱりELは特別なもの。同じグループにマンチェスターがいたり、他のグループにアーセナルがいたり、本当に同じ大きな舞台を戦っているんだなと思います。でも僕の目標はまだまだここじゃないし、ELの上にはCLがあるのでそこを目指さないといけないと思う。個人としてもそうだけど、このチームでCLに行けるようにしっかりやっていきたいです」

 強豪マンチェスター・Uとの第2戦では、菅原の先発出場が濃厚だ。前節退場したスヴェンソンが出場停止のため、現地紙『AD』などの予想スタメンにも右サイドバックで名を連ねている。欧州ならではのビッグクラブとの対戦に向けて、パルチザン戦後にも「楽しみという言葉しかない」と心待ちにしていた。

「各国A代表の世界トップレベルの選手とやれるのは素晴らしいことだし、逆にそういう戦いのために死に物狂いでELの予選を戦ってきたので、それは自分でつかんだチャンスだと思います。マンチェスター・ユナイテッドは自分がゲームで使っていたチームだし、テレビで見ていたチームなので、そこと自分がやれるのは、感慨深いものがあると思います」

 相手は画面の中にいたチームだが、それでも菅原に物怖じはなく、逆に闘志は燃えるばかりだ。「同じプロサッカー選手という職業なので、ガンガンいって驚かせてやろうと思います。僕らが勝ったらジャイアントキリングって言われると思うけど、本気でそれを成し遂げたい」

 マンチェスター・Uとの初対戦を控えるAZは、エールディヴィジ(オランダ1部)で国内の強豪フェイエノールトに快勝するなど現在4連勝中で3位と勢いに乗っている。アルネ・スロット監督も前日会見で「AZに恐れはない。我々の調子はいいし、大きな自信がある」と語り、打倒強豪に気合十分だ。

 一方のマンチェスター・Uはプレミアリーグ開幕7試合で2勝3分け2敗の勝ち点9で10位。データ会社『オプタ』によると、1989-90シーズン以来の最悪のスタートを切ったという。リーグのレベルは違うものの、チーム状況は対照的だ。

 またこの試合は、8月にAZ本拠地のAFASスタディオンの屋根が強風により一部崩壊した影響で、約70キロ離れたADOデン・ハーグ本拠地のカーズ・ジーンズ・スタディオンで行われる。このスタジアムはオランダでは珍しくない人工芝のグラウンドだけに、敵将のオーレ・グンナー・スールシャール監督は前日会見で「ベストのピッチではないし、実のところ最悪なピッチの1つだろう。安全ではないとは言わないが、このピッチはかなり使われているように見える」と不安を吐露しつつ、「不満や言い訳を言っているわけではないし、両チームにとって同じ条件だから、やるしかない」と話している。

 調子の上がらない強豪に挑む勢いあるAZ。さらに相手にとって慣れない環境の中で何が起こるかわからない。菅原由勢が本気で狙うジャイアントキリングは夢ではないはずだ。

By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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