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ゲッツェになにがあったのか…ドイツをW杯制覇に導いた天才MFの今

2016.04.30

2014年のW杯決勝で優勝に導くゴールを決めたゲッツェ [写真]=FIFA via Getty Images

バイエルンに所属するドイツ代表MFマリオ・ゲッツェは、今シーズンの出来に満足しているか?」という問いに対し首を縦に振る者は、おそらく全体の1パーセントにも満たない。2年前の夏、ブラジルの地で祖国を24年ぶりの戴冠に導いた若き天才プレーヤーは今、試練の時を迎えている。

 昨年10月、ユーロ2016予選アイルランド代表戦で内転筋の肉離れを起こし、戦線離脱となったゲッツェだが、負傷が癒え、コンディションが整ったシーズン後半戦序盤は、ベンチ入りこそするもののリーグ戦5試合連続で出番なし。「屈辱」、「蚊帳の外」、「(指揮官から)望まれた選手ではない」、「(バイエルンの)補強ミス」、「単なるお互いの理解不足」――ゲッツェの状況について書き記すドイツメディアは、こぞってそんな見出しをつけていた。

 第26節以降、ブンデスリーガでは6試合中5試合で先発を飾り、ここ2戦はフル出場をするなど、やや持ち直した感もある。しかし、ジョゼップ・グアルディオラ監督が頂点を目指すチャンピオンズリーグの舞台においては、いまだ出番は限られたまま。準々決勝ベンフィカ戦はホーム&アウェーでともに85分以降の途中出場となり、今月27日に行われた準決勝アトレティコ・マドリード戦では、ベンチで戦況を見つめるだけだった。

 現在のバイエルンは、フランス代表MFキングスレイ・コマン、ブラジル代表MFドゥグラス・コスタという快足2選手がサイドを務め、攻守においてハードワークが期待できるスペイン代表MFチアゴ・アルカンタラとチリ代表MFアルトゥーロ・ビダルが、アンカーであるスペイン人MFシャビ・アロンソの前に居座っている。いずれもゲッツェが最大の力を発揮できるポジションではなく、グアルディオラ監督がその起用に二の足を踏んでしまうのも頷ける。しかし「100年に1人の逸材」と謳われた男が、ブンデスリーガ、DFBポカール、CLの全公式戦で今シーズンたった18試合(フル出場8試合)にしか出場していないというのは、なんとも寂しい限りだ。

 昨年12月、ドイツ代表DFジェローム・ボアテング、同MFトーマス・ミュラー、スペイン人MFハビ・マルティネス、X・アロンソらが契約を延長した一方で、今のところゲッツェとバイエルンの間にその類の話は出ていない。しかし残る契約は1年2カ月。バイエルンが移籍金なしで放出することは考えにくく、また来シーズンからの就任が決定しているカルロ・アンチェロッティ監督がゲッツェ引き止めに動いているとの情報もない。したがって、この夏に彼の周辺が騒がしくなる可能性は、極めて高いものと思われる。

 ドイツ誌『スポーツビルト』に対し、「僕はまだ23歳で、向こう10年はプレーが可能だろう。僕にとって今最も重要なのは、とにかく試合に出場することだ」と話したゲッツェ。かつての恩師ユルゲン・クロップ監督率いるリヴァプール、そして日本代表MF香川真司など多くの盟友が今も在籍する古巣ドルトムントなど、移籍の噂は次から次へと浮上している。果たしてドイツサッカー界の至宝は、来シーズンどんなユニフォームを身にまとっているのだろうか。

文=鈴木智貴

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By 鈴木智貴

ドイツ在住。ライター兼サッカー指導者

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