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“負けたら終わり”の決勝T…EURO2020ラウンド16の注目ポイント<28日・29日開催分>

2021.06.28

“負けたら終わり”のEURO2020決勝トーナメントが開催 [写真]=Getty Images

 EURO2020は、26日から“負けたら終わり”の決勝トーナメントがスタート。27日を終えた時点で、デンマーク代表、イタリア代表、チェコ代表、ベルギー代表の4カ国がベスト8進出を決めた。

 準々決勝の切符をつかむ残り4カ国はどこになるのか。カナダのスポーツ専門チャンネル『Sportsnet』は、グループステージのデータを交えながら28日と29日に行われる4試合の注目ポイントを紹介している。

■28日 クロアチア対スペイン

モドリッチ、ブスケツ

[写真]=Getty Images

 この試合では、“エル・クラシコ”が実現する。中盤でマッチアップするのは、レアル・マドリードのルカ・モドリッチとバルセロナのセルヒオ・ブスケツだ。彼らのパフォーマンスが勝敗を大きく左右するのは間違いないだろう。

 グループステージ最終節のスコットランド戦は、まさに“モドリッチ・ショー”だった。相手のラインを突破するパスを何度も通し、アウトサイドキックで芸術的なゴールも決めた。一方、ブスケツも同最終節のスロバキア戦で今大会初出場を果たすと、なかなかエンジンのかからなかったチームに適切なリズムを与え、5-0の快勝劇を支えた。疲れを知らないコケが中盤でコンビを組んでいることで、ブスケツの役割は限定され、それが功を奏したと『Sportsnet』は見ている。

 モドリッチが動きを封じられ、プレーエリアが自陣深くになれば、スペインにとっては有利な状況になる。一方、ブスケツが中盤で孤立してしまうと、彼が守備面でできることは少ない。自分たちらしさを出すのと同時に、相手の良さを出させないことが勝利への近道となりそうだ。

■28日 フランス対スイス

フランス、スイス

[写真]=Getty Images

 エンゴロ・カンテとポール・ポグバの脅威を口にするのは簡単だが、彼らを封じるのは全く別の話だと『Sportsnet』は記事を綴る。

 グループステージ最終節でポルトガルはフランス相手に2-2のドローゲームを演じた。ただ、カンテはポルトガルの攻撃に難なく対応し、ポグバは目の覚めるようなスルーパスを送った。その1本がカリム・ベンゼマのゴールに結びついた。

 フランスの中盤を突破する分かりやすい方法は、ポグバが高い位置で動きを止めたときにカウンターを仕掛けることだと『Sportsnet』は指摘する。そしてサイドを狙うことが効果的だという。得点に結びつくことはなかったが、ドイツはファーポストを狙ってクロスを送り、決定機をいくつか作った。

 隣国同士の大一番。スイスにとって“世界王者”を倒すことは大きな挑戦だが、サッカーに不可能という言葉はない。

■29日 イングランド対ドイツ

イングランド、ドイツ

[写真]=Getty Images

 決勝トーナメント1回戦の最注目カードだろう。イングランドの聖地「ウェンブリー・スタジアム」での試合となり、最高の舞台が整ったと言える。

 イングランド代表のギャレス・サウスゲイト監督は、「“負けることへの恐怖”から戦術を展開している」と批判されている。しかしドイツ戦では、その戦略が功を奏するかもしれないと『Sportsnet』は見ている。

 イングランドの保守的なアプローチは、両サイドバックの慎重なプレーぶりに表れているという。だが、ドイツに敗れたポルトガルは、両サイドの守備を疎かにしたことで痛い目にあった。ロビン・ゴセンスはポルトガルの両サイドの裏のスペースで自由を得て、“スター・オブ・ザ・マッチ”に輝いた。

 だから、リスクを犯さない戦い方は間違っていないと『Sportsnet』は主張する。実際、イングランドはEURO2020で最も守備が優れたチームの一つだ。サッカー分析サイト『StatsBomb』によれば、グループステージ終了時点で、イングランドの被ゴール期待値(=失点のしやすさを示す指標)は下から2番目に低く、相手のカウンター攻撃からシュートを許していないという。

 ホームアドバンテージのあるイングランドだが、観客の大声援を受けて前がかりにならず、相手の裏の裏をかくような戦い方を見せれば勝利はおのずと近づきそうだ。

■29日 スウェーデン対ウクライナ

スウェーデン、ウクライナ

[写真]=Getty Images

 ウクライナは各組3位チームで4番目の成績、つまり決勝トーナメントに勝ち上がった16チーム中16番目の成績でこの舞台に辿り着いた。そんな彼らのストロングポイントは中盤で、『Sportsnet』は背番号10をつけるミコラ・シャパレンコを注目選手に挙げている。

 22歳のテクニシャンが高い位置で創造性を発揮することで、ルスラン・マリノフスキーの攻撃面での負担を軽減。それが、ダイナミックでバランスの取れたウクライナの中盤の鍵になっているという。

 規律に優れたスウェーデンを攻略するには、シャパレンコ、マリノフスキー、オレクサンドル・ジンチェンコが最高の状態であることが不可欠だと『Sportsnet』は主張する。スウェーデンの堅牢な守備組織を打ち崩すために、アンドリー・シェフチェンコ監督がどんな戦い方を選択するのかにも注目が集まる。

(記事/Footmedia)

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