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EURO2020の“美しき敗者”…鮮烈なインパクトを残して大会を去る4選手

2021.06.24

EURO2020のGSでインパクトを残した4選手 [写真]=Getty Images

 EURO2020はグループステージ最終節の全日程を終え、決勝トーナメントに進出する16カ国が決定した。

 こうしたビッグトーナメントでは勝者ばかりが称えられるが、その裏には“美しき敗者”とも呼ぶべきチームや選手たちが存在する。そこで今回は、ファンの脳裏に鮮烈なインパクトを残し大会を去る4人の選手たちをおさらいする。

ゴラン・パンデフ(北マケドニア/FW)

ゴラン・パンデフ

 国際主要大会に初めて出場した北マケドニア代表は、グループステージ最下位での敗退が決まった。だが37歳のパンデフは、記録にも記憶にも残る選手として、この大会を去る。

 北マケドニアの最多出場記録と最多得点記録を持つレジェンドは、オーストリア代表との初戦で早速ゴールネットを揺らした。37歳321日での得点は、EURO歴代2番目の年長記録。2001年の代表デビュー以来、ビッグトーナメントに縁のなかった男が、EURO史にその名を刻んだ。

 代表引退を宣言して臨んだ21日のオランダ戦では、途中交代の際にチームメイトが花道を作って、大先輩を拍手で送り出した。その光景は、世界中のサッカーファンの心を揺さぶったことだろう。「このことを今後の人生においても忘れるつもりはない」。代表ラストマッチを終え、本人はそうつぶやいた。

ビリー・ギルモア(スコットランド/MF)

ビリー・ギルモア

 今月11日に20歳になったばかりの俊英は、第2節のイングランド代表戦にスタメン出場。“英国対決”という大一番でA代表初先発を果たすと、攻守に躍動して、最も印象的な活躍をした選手に与えられる「スター・オブ・ザ・マッチ」を受賞した。

 大手メディア『ESPN』によると、チェルシーに所属するギルモアは、FAカップ、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグでも、初先発の試合で「マン・オブ・ザ・マッチ」に選出されている。その物怖じしないキャラクターが大舞台でも発揮された。試合後に新型コロナウイルスの陽性反応が出て、チームもグループステージでの敗退が決まったが、スコットランド代表の希望の光となったのは間違いない。

▼ロランド・サライ(ハンガリー/FW)

ロランド・サライ

 今回のグループステージで“敢闘賞”に値するチームがあるとすれば、ハンガリーだろう。ポルトガルとの初戦に敗れたものの、新旧世界王者のフランスとドイツに対して勝ち点1を挙げるなど、大健闘を見せた。“死の組”と言われたグループFが大混戦に陥ったのも、彼らの奮闘があったからだ。

 フランス戦で先制点を挙げたアッティラ・フィオラや、同試合で「スター・オブ・ザ・マッチ」に輝いたラースロー・クレインヘイスレルの活躍も特筆すべきだが、サライもまた今大会で評価を上げた選手だろう。ドイツのフライブルクに所属するアタッカーは、自慢の加速力でチャンスを演出し、ドイツ戦ではアダム・サライの得点をアシストした。彼の父、そして叔父も元プロサッカー選手というサラブレッドは、ケガでメンバー落ちを余儀なくされたドミニク・ショボスライの穴を埋めたとは言えないにせよ、目を引く活躍を見せた。

「僕らはとても良いプレーをしてきたし、文句は言えない。自分たちのプレーに誇りを持っている。僕らは本当に良い方向に進んでいると思う」。手ごたえを掴んだ24歳は胸を張って、この大会を後にする。

ルーカス・フラデツキー(フィンランド/GK)

ルーカス・フラデツキー

 グループステージを終えて、最も悔しい思いをしているのがフィンランドだろう。彼らはグループBで3位に入り、最後の最後まで決勝トーナメント進出に望みをつないでいた。だが、各グループ3位のなかで5番目の成績に終わり、上位4カ国に与えられる決勝トーナメントへの切符をつかめなかった。

 それでも、国際主要大会初出場のフィンランドは、初戦のデンマーク代表戦で勝ち点3を手に入れた。クリスティアン・エリクセンのアクシデントがあった後では、素直には喜べないかもしれないが、“弱小国”のレッテルを貼られてきた彼らにとっては歴史的勝利に違いない。

 殊勲の決勝点を叩き込んだのは、ヨエル・ポーヤンパロ。だが、23本ものシュートを跳ね返した守護神フラデツキーこそ勝利の立役者と言える。

 勝敗の分岐点となったPKの場面では、彼の勘が冴えわたった。普段は相手のPKキッカーについてリサーチしているようだが、この時はエリクセンが不在。代わりにキッカーを務めたピエール・エミール・ホイビュルクの情報はなかったという。だから咄嗟の判断と身のこなしでボールをキャッチしたそうだ。勝利を実感するまでに数日はかかったそうだが、彼のファインプレーが大きな1勝を呼び込んだ。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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