FOLLOW US

スリリングな展開に期待…最注目は名将対決“第2ラウンド”/CLプレビュー

延期されていたCLラウンド16セカンドレグが8月7日、8日に開催される [写真]=Getty Images

 約5カ月の中断を経て、いよいよ再開するチャンピオンズリーグ(CL)。まずは、延期となっていたラウンド16セカンドレグの4試合が7日と8日に開催される。

 今大会のCLは準々決勝以降、ポルトガルのリスボンで集中開催され、各ラウンドは一発勝負のシングルレグで行われることが決まった。従来のホーム&アウェイ方式、そしてアウェイゴールルールが適用される戦いは、このラウンド16まで。1つのゴールで勝ち抜け状況が一変する、あのスリリングな展開を味わえるのは、この4試合だけだ。

◆マンチェスター・C対レアル・マドリード

マンC

[写真]=Getty Images

 最大の注目カードは、7日に開催されるマンチェスター・C対レアル・マドリードだろう。ジョゼップ・グアルディオラとジネディーヌ・ジダンによる名将対決“第2ラウンド”だ。

 2月26日に行われたファーストレグでは、シティが敵地で2-1と逆転勝利。レアルはホームで痛恨の敗戦を喫したが、勝敗を分けたのは指揮官の采配だった。

 試合は60分にレアルが先制。イスコのゴールで流れを掴んだかと思われたが、その後の選手交代で形勢が逆転する。73分にシティはMFベルナルド・シウヴァに代えて、FWラヒーム・スターリングを投入。その2分後にレアルはFWヴィニシウス・ジュニオールを下げて、FWギャレス・ベイルをピッチに送り出した。すると78分にFWガブリエウ・ジェズスが同点弾をマークし、83分にはスターリングが貰ったPKをMFケヴィン・デ・ブライネが決めて、シティが逆転に成功したのだ。

 流れを呼び戻せないレアルは、86分にDFセルヒオ・ラモスが一発退場。不屈のリーダーはチームに帯同するものの、セカンドレグは出場停止で出られない。一方、攻撃陣では長期離脱中だったMFマルコ・アセンシオが復帰。右腓骨の骨折でファーストレグを欠場したFWエデン・アザールも、大一番へ向けて調整に余念がない。複数得点を挙げることが逆転突破に向けた最低条件であるレアルにとって、攻撃の駒が揃ったことはプラス材料だろう。

 采配力で差を見せつけられた格好のジダン監督は、どんなメンバーをスタメンに起用し、どんな布陣で試合に臨むのか。一方、ファーストレグでは選手交代を的中させただけでなく、B・シウヴァを“偽9番”で起用するなど奇策を用いたグアルディオラ監督は、新たなアイデアを用意しているのか。両指揮官が仕掛ける頭脳戦を存分に楽しみたい。

◆ユヴェントス対リヨン

[写真]=Getty Images

 マンチェスターで行われる一戦ほど注目されていないが、同日に行われるユヴェントス対リヨンも手に汗握る展開が予想される。

 ファーストレグは、圧倒的優位が予想されたユヴェントスが敵地でまさかの完封負け(0-1)。枠内シュート1本に抑えられるなど苦戦を強いられ、DFレオナルド・ボヌッチは「すべての面で劣っていた」と試合後に反省の弁を口にした。セリエAでは9連覇を達成したものの、盤石の強さを示したと言えず、今回の試合でもクラブ伝統の勝負強さを発揮できるかが問われる。

 カギを握る選手は、もちろんFWクリスティアーノ・ロナウドだろう。絶対的エースは今シーズンのセリエAでも31ゴールを記録。得点王のタイトルこそ逃したものの、35歳とは思えないパフォーマンスを披露し続けている。

 ユヴェントスの一員となった昨シーズンは、伏兵のアヤックスに寝首を叩かれ、CLは8強どまり。マンチェスター・Uで1度、レアル・マドリードで4度の欧州制覇を経験し、「CLに愛される男」とまで呼ばれる本人にとっては、屈辱的な結末だったはずだ。リベンジを期す今大会で狙うのは頂点しかない。

 奇しくも、準々決勝からは母国ポルトガルでの集中開催が決まった。レアルに在籍していた2013-14シーズンには同国の首都リスボンで欧州制覇を達成。今大会の決勝戦も6年前と同じ会場(エスタディオ・ダ・ルス)で行われる。高いモチベーションで挑むのは間違いない。

 ただユヴェントスでは、FWパウロ・ディバラの出場が不透明だという。今シーズンのセリエA最優秀選手に輝いたレフティーは、リーグ戦ラスト2試合を欠場。太ももの状態に不安を抱えているとされる。選手層ではリヨンを圧倒するが、C・ロナウドのパートナーとして彼以上の選手はいない。ディバラの回復が本番までに間に合うのか。またピッチに立てたとしても、どの程度のコンディションなのか。C・ロナウドの活躍、そしてユヴェントスの悲願達成は、“背番号10”にゆだねられていると言っても過言ではないだろう。

◆バルセロナ対ナポリ

バルセロナ

[写真]=Getty Images

 C・ロナウドが“欧州王者”への返り咲きを目指すように、FWリオネル・メッシが掲げる目標もCL優勝である。

「CLのトロフィーをカンプ・ノウへ持ち帰る」。昨シーズンは開幕前にそう宣言したものの、ベスト4で敗退。それもリヴァプールに歴史的な逆転を許しての終戦だった。これまでCLで数々の偉業を達成してきたメッシだが、2014-15シーズンにルイス・エンリケ体制で3冠を達成して以来、ビッグイヤーを手にしていない。

 その間、メッシに、あるいはバルセロナの前に立ちはだかってきたのがリヴァプールとアトレティコ・マドリード(2015-16シーズン)、そしてイタリア勢だ。2016-17シーズンはユヴェントス、2017-18シーズンはローマに苦杯をなめ、いずれもベスト8で敗退。特にローマに対しては、リヴァプールと同じような大逆転負けを喫した。“カルチョの壁”がいかに高く、分厚いものかは十分に承知しているだろう。

 今年2月にナポリで行われたファーストレグも、アウェイゴールを奪ったとはいえ、1-1のドロー。負けはしなかったものの、勝てなかった。セカンドレグは聖地『カンプ・ノウ』で開催されるとはいえ、無観客試合。リーガ・エスパニョーラでは第37節のオサスナ戦に敗れ、2018年11月以来のホーム黒星を喫した。隙がないわけではない。

 また今回の一戦では、セルヒオ・ブスケツが累積警告、アルトゥーロ・ビダルがファーストレグでの退場で、出場停止。主軸のMF2人を欠くだけでなく、センターバックのサミュエル・ウムティティもケガで欠場することが決まっている。ナポリも主将のFWロレンツォ・インシーニェがセリエA最終節に太ももを痛め、出場が微妙な状況となっているが、戦力的なダメージはバルサの方が大きいだろう。

 バルサがCLのラウンド16で敗退したのは13年前。リヴァプールを相手にした2006-07シーズンまでさかのぼる。また、CLの決勝ラウンドでナポリを下したチームは最終的に優勝を飾っているというデータもある(2011-12シーズンのチェルシーと2016-17シーズンのレアル・マドリード)。

 そう考えれば、何も悲観的になる必要はないが、ここで敗退すれば、バルサは今シーズンの無冠が確定する。それほど余裕があるとは言えない状況なのだ。果たして、“カルチョの壁”を乗り越えられるのか。あるいは過去数シーズンと同じ轍を踏むことになるのか。いずれにしても、名門クラブの行く末を占う重要な一戦になるだろう。

◆バイエルン対チェルシー

バイエルン

[写真]=Getty Images

 今年2月に行われたファーストレグで最も大差がついたのが、バイエルンとチェルシーの試合だった。結果はご存知のとおり、バイエルンが敵地で3-0と圧勝。経験の差が如実に出た格好となり、チェルシーを率いるフランク・ランパード監督も「これが現実」と完敗を認めた。

 0-3の敗戦からセカンドレグで逆転したチームと言えば、昨季のリヴァプールが思い出される。彼らはセカンドレグでバルセロナに4-0と勝利し、ファイナルへ進出した。しかし、奇跡の逆転劇は本拠地『アンフィールド』で成し遂げられたもの。チェルシーは、セカンドレグを敵地『フースバル・アレーナ・ミュンヘン』で戦う。

 また欧州カップ戦では過去に、ファーストレグでホームチームが0-3の敗戦を喫したケースが213回あるという。しかし、その後に逆転突破を果たしたチームは1つもない。データ上、突破の確率は“0パーセント”ということになる。近年のCLでは何度かミラクルが起こっているが、今回ばかりは極めて難しいチャレンジと言えそうだ。

 現実的な話をするならば、チェルシーは満身創痍の状態で今回の一戦に臨む。国内最終戦となったFAカップ決勝で、DFセサル・アスピリクエタ、FWクリスティアン・プリシッチ、FWペドロ・ロドリゲスの3選手が負傷。またMFルベン・ロフタス・チークとMFビリー・ギルモアもケガで戦線離脱中。MFエンゴロ・カンテもコンディションに不安を抱えている。そのうえ、ファーストレグで退場したDFマルコス・アロンソと、累積警告が規定枚数に達したMFジョルジーニョが、セカンドレグは出場停止となる。

 欠場者はDFベンジャマン・パヴァールのみとなるバイエルンとは実に好対照。8月1日にFAカップ決勝(アーセナルに1-2で敗戦)を戦ったばかりのチェルシーと、直近のゲームが7月4日のDFBポカール決勝(レヴァークーゼンに4-2で勝利)だったバイエルンとでは、コンディション面においても大きな差がある。

 とはいえ、プレミアリーグではトップ4の座を死守。来シーズンのCL出場権を手に入れている。目標は達成済みで、余計なプレッシャーはなく、失うものも何もない。そもそもファーストレグを戦う前から彼らは“挑戦者”であり、42歳の青年監督が果敢なスタイルを標榜し、どんな状況でも若い選手たちを信じ続けたからこそ、今がある。残りの90分でも真っ向勝負を挑むだけだろう。

 フットボールというスポーツは、時に予期せぬサプライズを用意しているもので、勝負は下駄をはくまで分からない。「ミュンヘンの奇跡」と言わないまでも、“ヤング・ブルーズ”の意地を見てみたいものだ。

(記事/Footmedia)

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

LIVE DATA